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(5/14) スーダン便りVol.16  [2010年05月14日(Fri)]
〜パガック陶芸教室〜


ADRA JapanではWFPと協働で、フード・フォー・トレーニング(Food for Training)事業を実施しています。


この事業は、帰還民に生活の糧を得るための各種の技能トレーニングを受ける機会を与え、かつトレーニングに継続的に参加する動機付けとして参加者に食料を配布するというもので、2009年はスーダン南部のパガックにて約6ヶ月にわたり、合計約300時間の実技演習と講義からなる陶芸トレーニングを行ないました。


2008年後半、どのようなトレーニングが求められているかについて検討していたころ、エチオピア難民キャンプから、スーダン人難民のパガックへの帰還が進み、急激な勢いでTukul(トゥクル)と呼ばれる伝統的な土壁とわらぶき屋根の家が建ち始めていました。
一年のうち半年は激しい雨が降るこの地域で、各家庭では「ハット」と呼ばれる手作り土器をその屋根に乗せて雨漏りを防いでいることや、土器製の伝統的な水瓶やコンロが家庭で使われていることがわかりました。



Tukul(トゥクル)とハット(てっぺんに乗っている土器)



コンロ



この調査結果を受け、地元で需要があり、かつ参加者がトレーニング修了後もその技術を生かし収入を得ることができる、水瓶やハットなどの土器を作るトレーニングを実施することにしました。
以前難民キャンプで陶芸の訓練を受け、他の難民キャンプの住民にもトレーニングを行なった経験のあるパガック在住の方にトレーナーとなってもらい、20名の帰還民女性がトレーニング参加者として選ばれました。


土器つくりの作業工程は、土を探して水でこねて形を作って焼くだけのシンプルなものです。
しかし、いい土器を作るにはポイントがあります。
一つ目のポイントは土の質です。
粘土質の土と砂が混じった土はヒビが入りにくく壊れにくいため土器作りに最適です。
トレーナーからの最初の指導は、まずこの土探しになります。
場所によって土の質が異なり、適切な土を使わないと作っているそばからヒビ割れてしまいます。
トレーナーと参加者は、良質の土を探してパガック近郊のあちこちに足を運び、ついに作業場である一時滞在センターから約5キロ離れた川沿いの土が適していることが分かりました。
参加者は一時滞在センターからここまで歩いて土を取りに行き、頭に乗せて作業場まで運びました。


また、良質の土を得ることと同じぐらい大切なポイントは土を練るための水の割合で、天候によって微妙な水加減の調整が必要です。
土を練り始め、適切な硬さになったら土を棒状に伸ばしていきます。直径3CMくらいの棒にしたら、とぐろを巻くようにして土台を作ります。
その後、同様に棒状の土を巻き上げて皿や瓶などを作っていきます。
適宜水をつけ、表面を滑らかにしながら厚みの調整をしていきます。



土器つくり



一見簡単そうなのですが、厚みを均等に保ちながら形を作っていくことは大変です。
私も何度か一緒に作ったものの、途中でひび割れができて修正できなくなったりして、うまくいきませんでした。
見かねたトレーニング参加者が手を貸してくれ、何度も軌道修正をしてようやくひとつの皿を完成させることができました。

出来上がった土器は、5日ほど陰干しして乾燥させます。その後は地面に1メートル四方の穴を掘り、付近に生えている木や雑草を集めてきて火をつけ、一気に3時間ほど焼きます。
この間、途中で土器の向きを変えたり火の強さを調整したりし、均等に焼けるようにします。
うまく焼かないと一部だけ焦げたりしますが、それも味があって私は好きです。
このようにして完成した土器は、各自がマーケットで販売します。




土器を焼く

トレーニング終了3ヵ月後に参加者の家を訪問し、事業後の生活の変化に関する聞き取り調査を行なったところ、トレーニング修了者のうち約70%の人々が習得した技術を活用して土器作りを続けており、平均で毎月約25ドルの収入を得ていることがわかりました。
パガックでは、森に入って草や木を集め、それをマーケットで売ることで現金を得るというのが一般的です。週5日、毎日5時間かけて草木を集めても月に30ドルほどにしかならず、陶芸は自分のスキルを利用した効率のよい収入源であると考えられます。


また、これまで、パガックの人たちは片道3時間かけて隣町まで行き、土器を買っていましたが、トレーニング修了者が土器の販売を開始したおかげで、地元で買うことができるようになりました。




土器販売、ひとつ5ドルくらいで売れる


パガックでは雇用の機会が非常に限られており、仕事のない人がたくさんいます。
また、難民だったころには自分で働いて現金収入を得ることができなかったスーダンの人々にとって、物を作る技術を身につけ、製品を自分たちで販売するということが、自立を図ることにつながります。この陶芸トレーニングは、技術の習得だけでなく、自立支援にも貢献できると考えています。


ADRA Japanのパガック事務所では毎晩11時に発電機を消し、その後は電気なしで真っ暗になるので、私は出来上がった皿にアロマオイルをたらしたり、キャンドルをともしたりして眠りの前のリラックスにこの土器を活用しています。
手作りのものがある生活、贅沢です。
(文責:内田順子)

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Posted by ADRA Japan at 15:26 | 南スーダン便り | この記事のURL