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(8/5)【ペルー便り】〜実感〜 [2015年08月05日(Wed)]
Hola! ペルー事業担当の中野です。

突然ですが、もし皆さんが「糖尿病予備軍」と言われたら、どうしますか?

ペルーで健康改善事業を行なっているクスコにあるADRA事務所のディレクターのウィリーはまだ30代。太っている訳ではなく、ちょっと最近お腹が出てきたかな?というくらいで、生活習慣病なんて自分には関係の無い話だと思っている一人でした。

しかし、去年9月の健康診断で、「糖尿病予備軍」という結果が出てしまいました。
「このままだと確実に糖尿病になってしまいますよ」と。

焦ったウィリーは、健康改善事業の栄養専門スタッフのエリーサに健康診断結果を見せながら相談しました。エリーサは「心配しないで。あなたも事業の参加者と同じように、健康のための8原則を実行すればいいのよ」と優しく話をしてくれました。

8原則は、前のブログでもご紹介しましたが、以下の通りです。
A:Agua(水)十分な水分を取る
D:Desanso(休息)適度な休息をとる。睡眠時間を確保する
E:Ejercicio(運動)適度な運動を日常生活に取り入れる
L:Luz Solar(太陽光)陽の光を浴びる
A:Aire Puro(新鮮な空気)室内にいるときは換気をする。
N:Nutricion(栄養)栄養バランスの取れた食事を摂る
T:Temperancia(節制)タバコやアルコール等、健康リスクを考える
E:Esperanza(希望)振り返りの時間を持つ。どんな人生を送りたいか思い描く

ウィリーはエリーサのアドバイス通りに、
一日にグラス8杯以上の水を飲み、
野菜やフルーツの摂取を増やし(一日に5種類以上摂る)、
運動を毎朝30分(奥さんと一緒に陽を浴びながらウォーキング)、
5時間だった睡眠時間を6時間以上取るようにし、
部屋の換気を心がけ、
そして、一日に何度か、心を落ち着かせて「振り返り」と「未来への希望」を考える時間を持ちました。
(タバコやお酒はもともと習慣がなかったそうです)

そんな生活を送ったウィリーが今年2月の初めに再検査をすると、問題のあった数値は全て「平常値」に入っていました。ウィリーは「たった4か月でも、こんなに数値を改善することができる!」と、身をもって私たちの活動の効果を証明してくれました。

「糖尿病予備軍と言われた時は、まさか自分が、と思ったし、「(まだ若いのに)この先、健康に生きていけないかもしれない」という大きな不安に襲われました。でも、体重が減り、ウエストがどんどん締まっていくにつれ、不安な気持ちは「自分で健康管理することができる」という自信に変わっていきました。このような経験を、今、この事業に参加している女性たちやその周りの人たちにも感じてほしいと思います。」
とウィリーは嬉しそうに、そしてちょっと自慢げに話してくれました。


そして、事業の効果はウィリーだけでなく、事業の受益者である女性グループの方々にも現れています。

対象としている女性グループの所属メンバーの約8割は、事業開始前はBMI値カテゴリーの「肥満」もしくは「過体重」でしたが、事業開始から6か月後の測定では「肥満」・「過体重」から「普通」へと改善した人たちがいました。また、全体の62.2%が1kg以上の減量に成功しています。

多くの人たちは事業が始まった時、「私には無理」と感じていたようです。

でも、「健康的な生活」の実現には何が必要か、理解を深め、実践していくうちに少しずつ成果が見えてきました。

成果がでると、やる気が出てきます。

最近は研修が終わった後にも、講師のエリーサの周りには輪ができ、
「新しいレシピをもっと教えてね」
「エアロビクス、もっとやりたいわ」
と、リクエストの声が上がっています。

また、研修参加者同士でもグループになってレシピ交換をしたり、一緒にウォーキングする約束をしたり、減った体重を自慢し合ったり。
皆さんとても良い表情をしていました。

photo2.jpg
女性グループ

低所得世帯にとって、病気は大きなリスクになります。医療費は大きな負担ですし、働けなくなって収入が減ればたちまち家族の暮らしが立ち行かなくなってしまうからです。

しかしお金や時間をかけなくても、病気を予防することはできます。「私にもできる」を多くの人に実感してもらえるよう、サポートを続けていきたいと思っています。

今後も皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。


(執筆:ペルー事業担当 中野佐知

この事業は、皆様からのご寄付のほか、味の素「食と健康」国際協力支援プログラムからも助成も受けて実施しています。

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Posted by ADRA Japan at 12:00 | ペルー便り | この記事のURL