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(11/6) 11月10日は「いい井戸の日」 [2014年11月06日(Thu)]
11月10日は一般社団法人全国さく井協会が定める「いい井戸の日」です。なぜ11月10日が「いい井戸の日」なのかというと、いい(1)井(1)戸(10)の語呂合わせなのだそうです。
もともと2001年から富山県鑿井協会が1月10日を「井戸の日」としていたのですが、2006年より全国さく井協会による「いい井戸の日」に移行しました。毎年、11月10日には地下水・井戸の大切さを理解するための活動が行なわれています。

地下水に限らず、水は人間の活動や社会にとって必須のものです。しかし、アフリカ東部にある「アフリカの角」と呼ばれる地域では気候変動の影響から降雨量が減少し、干ばつが頻発しています。2011年には、過去60年間で最悪の干ばつが起き、深刻な食糧危機が発生しました。

ブログでも何度か紹介してきましたが、ADRA Japanが活動するケニア共和国東部州キツイ県ムインギ中央郡はこのアフリカの角に位置し、住民は水不足に悩まされています。ムインギ市の中心地では、いわゆる水道を利用することもできますが、断水も多く2週間水が来ないこともよくあります。

このような中、ほとんどの住民は水源として季節河川やロックキャッチメント(Rock catchment)と呼ばれる、ため池・雨水タンク等を利用しています。
季節河川は雨が降った時にだけ流れる川で、雨が降り終わると数日で干上がってしまいます。住民は干上がったあとも地面を掘り、地下に溜まった水を汲んで利用します。またロックキャッチメントとは、同地にいくつかある丘のような大きな岩にできた「くぼみ」、もしくは岩の形状に合わせて人工的に作ったコンクリート壁を利用したため池のことです。他にも、屋根に降った雨水をタンクに溜めて利用したりもしています。いずれも降雨に頼っており、水源としては不十分かつ不安定です。たとえば12月に降った雨を溜めた池は、2月には干上がってしまいます。


ケニア写真3.jpg
季節河川を掘り起こす人々


このような水源では安定的な水の供給に不安がある上、家畜も同じ水源を利用するため汚物や雑菌が混ざりやすく、衛生面でも問題があります。現地では水を媒介にした感染症である下痢症、腸チフス、赤痢などが発生しています。
さらに、水源の多くは人々の居住エリアから遠く、確保した水を運ぶのも大変な労働です。子供たちが水運びの労働力になることが多いのですが、何キロも離れた水源から水を運ぶことで疲れ、学校に行かなくなってしまうといったケースも見られます。


ケニア写真5.jpg
水源に集まる家畜


こうした中、ADRA Japanは2012年9月より「干ばつ対応力強化事業」に取り組んでいます。井戸掘りもその活動のひとつです。下の写真のような掘削機を用い、これまで平均170mの深さの井戸を5基設置しました。また、井戸の設置に伴い給水施設の設置も行なっています。


写真1.JPG
掘削機



井戸の管理運営を行う水管理委員会のメンバーである住民からは、「これまで約25 km離れた川まで水を汲みに行っていたが、井戸のおかげでその仕事がなくなるのは本当に助かる」といった声が聞こえました。こうした井戸は、並行して行なっている事業のひとつである食糧供給活動の麻袋農法や、共同農園のような小規模農業において重要な水源になっています。井戸掘削を含めた活動を通じて、これまで確保が厳しかった水が安定供給されるようになり、住民の生活向上につながっています。

蛇口をひねれば飲用可能な水が出て、少し歩けば池や川を見ることができる日本ですが、11月10日のいい井戸の日に、過去のブログにも紹介されているケニアの現地活動報告をご覧いただき、水の重要性やその有難さを考えていただけたらと思います。


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共同菜園の様子(写真奥が完成した井戸)


(執筆:ライティングボランティア 竹内 友規)

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Posted by ADRA Japan at 11:25 | 開発支援 | この記事のURL