たまにしか更新しないのに見てくださっている方、
ありがとうございます。NPOの有償移送サービスへの福祉車両の支援については、個人的には頭の中で疑問符の残る問題や思いがいくつかありますんで、ダラっと書きます。
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「運営協議会は通っている、送迎運賃はタクシーの半額以下ですか。なるほど、それは規定に沿ってますね。あ、介助料は別途なんですか?え?待機料金?!それに迎車料金もあるんですか?長距離移動の場合は別途料金が必要になるのですね・・・。」ま、何はともあれ運営協議会を通過すれば、適正な運行をしていると公的に認められたことになります。
とはいえ、助成の必要性があるのかどうかについて首をひねる場合があります。それは一言で言うと「コミュニティビジネス」色の強い活動に対してです。
以前は、日本財団の福祉車両は、手弁当で行うボランティア団体の支援に注がれていました。(これは、私が前は助成担当者ではなかったが、過去のファイルなどを見るとだいたいそう感じます。)
特に、公共交通機関では移動が難しい障害者の移動支援。まさに移動の自由を得ていくためのムーブメントとしての支援でした。
しかし、介護保険導入とともに、高齢者のケアに伴う移動のニーズが確実に増えました。増えたというか掘り起こされたというべきか。収益源として参入する高齢者福祉団体が増えたことによるものです。ガイドライン発布から道路運送法改正とドラスティックにつながった大きな要因のひとつでしょう。
ただそんな中、制度からはこぼれてしまった団体がいたことは確かです。継続的な補助など一切なく地域で細々と活動してきた団体。私はこれを純移送サービス団体と呼びます。いや、極端な話なんですけど。いってみれば彼らこそが、地域の中で、日本の古きよき助け合い活動を実践してきたアボリジニーなのです。そのいでたちや「ぽっぽやの高倉健さん」をイメージしてください。
その高倉健は、映画どおり、いまや、制度のはざまという無人駅に取り残されてしまっているわけです。
一方で、介護保険導入以降、雨後の竹の子のように現れた一部の事業者たちはしばしば、利用者のことよりも自分たちのこと、すなわち制度がいかに事業を継続することに役立つものになるかを気にし、またそのようになるべく、働きかけました。
そんな後発の事業者は「移動の自由」をまことしやかに掲げるのを見かけます。もともとは、細々しくも活動を地道に継続してきた団体の標榜すべき言葉であると思いますが・・。
有償ボランティアという概念の登場、NPO法の施行、介護保険の導入、などによって、福祉分野におけるボランタリー精神というものは全体あるいは個別の中において、徐々に縮小化してきていることを感じ、私としては、なかなか審査が大変になってきてなぁと思います。
制度というものは、往々にして小さな営みを取り残しますので、そこに種があるのなら、私はできるだけ日の当たらない団体さんを支援したいと考えるからです。とはいえ、従来の「ボランティアだから」という特有の自由度だけはなおも残っている団体さんは、当分発芽しないような気もします。
筋の通った理念を胸に活動されている団体さんに出会えると、それは嬉しいことです。