日本財団が提供する教育プログラム「Social Action Program〜社会を変える人になる〜 」。
一番古くからお付き合いのある筑波大学附属坂戸高校での取り組みは4年目となった。
「Social Action Programは、子どもたち自身の心が“疼いた”ことをテーマとして、よりよくするためのアイディアを“想像し”、“実際に体を動かす”というステップを踏む、中長期のプログラムだ。
今年度は、他のメンバーが授業を組み立ててくれていることもあり、
一つの高校生の活動グループにがっつりファシリテーターとして入った。
このチームの取り組む課題は「放課後に先生の居場所が分からない」。
宿題の提出や質問に行っても先生の居場所が分からず、苦労するという課題に取り組んだ。
「先生にGPSをつける」「先生の予定表を貼っておく」「叫んで探す」・・・。
ブレストで色んなアイディアが出た中で、今回は「先生の居場所が分かるボードの設置」が具体的なアクションとして決まった。
それが前回(3週間前)までの授業。
そして、先週末3週間ぶりの授業。
生徒がちゃんと計画を進めているか、しばらく会ってないので少々不安だった。
が、心配は杞憂だった。
想像以上に活動をしていて、後半の話し合いは、ファシリはもう要らなかった。
その時は、もう安心してみていた。
生徒たちに「火が燈った」から。
僕らの所期の目的は達成した。
本当に大事なのはここからで、点いた火が絶えぬように見続けることだと思う。
ただ、それは今のやり方だと難しい。
でも一度でも「火が燈った」経験をしたことが、大きな経験になると信じている。
この感覚を初めて知ったのは、大学の時の塾講師のバイトだった。
今考えれば、教え方もなにもあったものではないが、一生懸命やった。
そしてそれに応えてくれた子たちがいた。
今考えれば「自己肯定感の低い」自分の存在価値を
自分で認識できた初めてのことだったのかもしれない。
大したスキルがない自分でもできたことだった。
それが支えで、ここまでやってきたな、と思う。
プロジェクトが進むとそれなりに鳥の目で考えなければならないこともある。
でもやっぱり、自分は子どもと直接一緒に未来をあーだこーだすることが好きであり原点なのだと改めて認識した。