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松井 二郎
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医者の言行不一致にどう対応すべき? [2021年04月04日(Sun)]




 もし、がんを宣告されたら?

 まずは何もしない。
いや、
ただひとつすることがある。
「落ち着く」。

 それには2つのことを思すのだ。

 ○医者の余命宣告はウソ
 ○がんの成長はけっこう遅い

 これでなんとか冷静になる。

 そこで次にすることは、
まだ何もしない。
しないというのは、
がんに対しては何もしない。
つーか、本当にがんなのかあ? 
ってことで
することは「情報集め」。

 そのために医者の話を聞くのだ。


 聞くといっても、
医者はもう
あなたのがんに対して何かする
つもりでいるので、
することを前提に話してくるので、

それをふんふんと聞いていると、
気がついたら
切らなくてもいいがん、てゆーか
ほんとにがんなのかどうか
わからない体の一部を
切り取られていました、となる。

 こうなると
屈強なスポーツ選手でさえ
あっけなく亡くなってしまう。
わたしたちがどうなるかは推して知るべし。

なので、
手を下すことを大前提に話してくる
医師に対し、
こちらはあくまでも情報収集として聞くのだ。


 いちばんだめなのが

「入院してから説明しますね」
「わかりました」

 わかっちゃダメ。

 入院しているときの空気感って、
なんともいえない独特のものが
あって、

ふだんは医者のいうことに懐疑的な
気骨があっても、
牙を抜かれるといいますか、

なんとなぁーく医者のいうことに
従ってあげたぁーくなってくる、
魔法のような空間なのである。

そう、宇宙刑事ギャバンの魔空空間に引きずりこまれるぅー
のである
(だれもわからんわ、すまぬ)。


 しかし、私は経験している。
入院前の説明と
入院してから受ける説明が

「おいおいおいおい話がちがうぜよ」
なんである。

事前の話をきいて、
あぁそれくらいならって
入院したのに、
フタをあけたらまったく内容がちがうのだ。


 そこで、そのときの対処として
近藤医師のおすすめは、


       ◇

 「もし入院してから説明を受けて、手術の過激さや
合併症・後遺症の話に驚いたら、
再考する時間を確保するために、手術の延期を申し入れ
ましょう。
もし聞き入れられなかったら、納得できないまま手術を
受けてはいけないので、退院すべきです。

しかし退院を申し出ると、医者やナースが周りを取り囲み、
説得にかかります。
そこで夜逃げを考えましょう。

夜逃げを決めたら、見咎められぬよう、荷物はそのまま
にして貴重品だけ持ち、
入院着にガウンを羽織っただけの恰好で、タクシーに
飛び乗って帰るのです」

       ◇


 なるほどね♪

 けど、夜逃げなんかして、
あとあと問題は
ないのであろーか?


       ◇

 「家に着いたら病院に電話をかけて、手術を受けないことを
告げ、荷物は後日誰かが取りに行けばいい。
追手がかかることはありません。

また患者を納得させられなかったのは医者の責任なので、
手術予定がキャンセルされた病院の都合を考える必要もない」

       ◇


 なるほどね♪

 現場を知り尽くしている医者がこうして
ぶっちゃけてくれないと
こんなの発想も浮かばないよ。

 さらに続きを。


       ◇

 「『検査入院』も注意すべきです。
検査だけと思って入院したら、
『がんだ』
『手術だ』
と言われて、
からめとられてしまう人が少なくないのです。

今日、がんは、外来検査で診断できます。
がんという見当がついているからこそ、
医者は入院を言い出しているのです。

したがって、
『検査入院』と言われたら、
もしがんだったら
どういう治療法を考えているのか、
聞いてみるべきです」

(近藤誠『がん治療総決算』
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4167620073/jironosyosai-22/

       ◇


 つまり、がんの検査入院だけは絶対にしてはならない。


  ◆まとめ
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  もし入院してから手術の内容にショックを
  受けたら、退院する(夜逃げがよい)。
  「検査入院」と言われたらおそらくすでに
  がんなので、これも入院しない。

 (つづく)




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 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 宇宙刑事ギャバンの魔空空間 (まくうくうかん)とは【ピクシブ百科事典】
 https://dic.pixiv.net/a/%E9%AD%94%E7%A9%BA%E7%A9%BA%E9%96%93





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評価すべきは医者の態度ではない [2021年04月10日(Sat)]




 クマに遭遇したら、走って逃げてはいけません。
クマは走るものを反射的に狩る本能があるので
即死です。
悲鳴をあげてもいけません。クマにとって不快なので
攻撃されます。
目を合わせるのもダメ。同じ理由です。

正解は、目を合わせずゆっくり距離をとる。

 と、わかっていても
その場では
すっかり忘れるでしょう。たぶん。

 「あなたはがんです」と言われたら
とにかく落ち着け、冷静になれ。
と、頭では
わかっていても、
死の宣告に近いことを言われて
冷静でいられるわけない。

 では前回の続き。
いきなりがんの宣告を受けてもいきなり入院は
しないこと、
その上で情報集めを始めるのだが、まずは目の前の
医師から話を聞こう、
ということでしたが

その聞き方に
いくつかポイントがあるようですよ。


       ◇

 「さて、説明を受ける段階では、患者はまだ冷静ではなく、
上の空で聞くことになるでしょう。
それで説明の場には、家族や友人を同伴して、メモを
取ってもらうとよい。
また、録音機を持参して、『録音してもよろしいでしょうか』
と断って録音させてもらいましょう。

ただ、無断で録音するのは感心しません。
ICレコーダーが小さいことを利用し、胸ポケットなどに
しのばせて、こっそり録音する人がいるのです。
しかしそれは、信義にもとる。医療事故を起こしたのに
責任逃れを図る医者の言葉を、気づかれないよう録音
するのとは訳が違います。
説明を受ける際には、『録音させてください』と正面から
言うべきです。
それに対し録音を拒むかどうかが、医者の内心を測る
手がかりにもなります。


 説明の際に患者・家族が注目すべきは、あくまで説明の内容
です。
医者の説明態度は、減点の対象としても、加点対象にしない
ほうがいい。
長時間にわたって説明を受けると、『この先生は丁寧で親切だ』
と感激し、提案された治療法に飛びついてしまう人がいます。
しかし医者は、必ずしも親切で説明しているわけではありません。
自分のところで治療を受けてくれるなら、1時間でも2時間でも
説明に費やそう、入院・治療をキャンセルされるよりましだ、
と考える医者も少なくないのです。

 『私の家族だったら……をする』という言葉も警戒すべきです。
そもそも、引き合いに出された妻や子が、医者である夫や父の
言うがままに治療を受けるかどうかも不明です。
実際にあった話ですが、
乳房温存療法はできないかと粘る乳がん患者に、『妻だったら
乳房切除を勧める』と外科医が言いました。
そこで患者が『娘さんだったら?』と聞き返したところ、
『温存療法にしておく』と答えた正直者もいたそうです。
しかし、聞きもしないのに家族を引き合いに出す医者の多くは、
そう正直ではありません。


 これに対し、
外科医が手術を勧めないと言い、腫瘍内科医が抗がん剤を
勧めないと言うなら、素直に聞いて安全です。
しかし、そういう場合は極めて少ない。
放射線科医の場合は、同じ病院内の外科医に遠慮して『放射線
は勧められない』と言うことがあるので、これも要注意です」

(近藤誠『がん治療総決算』
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4167620073/jironosyosai-22/

      ◇


 わたしの以前の担当医さんも、
わたしがイヤだと言い続けている治療法を
それはそれは熱心に説明し続けていました。

「こりゃあもう根比べだな」

 と上の空で聞き続けて、逃げました。


  ◆まとめ
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  がんを宣告されたあと、説明を聞くときは……

  ・家族や友人を同伴してメモを取ってもらう
  ・録音させてもらう(ただし、許可を得る)
  ・ナガナガと説明されたからといって感激しない
  ・「私の家族だったら〜をする」を信用しない
  ・同じ病院内の他の科に遠慮して言っていないか注意


 (つづく)




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 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ちなみにクマにとっても人間は脅威なので
人間がいることを遠くから知らせておけば
クマも避けようとします。

なので山林を歩くときは鈴をつける。
なければスマホで音声を鳴らしながら歩くと
遭遇する確率が激減します。





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ホロッときたらダメなのよ [2021年04月15日(Thu)]




 いざ、がんの宣告を受けたとき、
上の空ながら担当医から説明を
聞くわけですが、
そのときのポイントは次のとおりでした。

 ・家族や友人を同伴してメモを取ってもらう
 ・録音させてもらう(ただし許可を得る)
 ・ナガナガ説明されたからといって感激しない
 ・「私の家族だったら……をする」を信用しない
 ・同じ病院内の他の科に遠慮して言っていないか注意する

 「これ、わかる〜!」と
わたしが
特にうなずいたのが
3番目。
これ本当に気をつけないとコワいですよ。


 話がそれますが、
わたしのクローン病は
(クローン病だけでなく後天性のすべての難病は)
免疫が弱くて
化学物質を無害と学習するのに
手まどっているため
細胞ごと化学物質を攻撃し続けている状態。

わたしはその免疫を育てることに決めた。
そりゃ体はどんどん破壊されて
いきますよ。

わたしの体がもたず命が尽きるのが先か。
免疫が攻撃をし尽くし病気をやめるのが先か。

その覚悟でやっているわけですが、
……伝わらねぇ。

 「私は、きみを死なせたくない」
と医師は身を乗りだし、
クスリをすすめる。

免疫を断つことで
いっとき
ラクにしてくれる代わりに、
治る望みを断つクスリです。

ちなみに
クスリが効かなくなるとラクにもなれず、
ためたツケが返ってきて地獄をみます。

どっちにしろやるべきじゃないだろクスリは
(ダメ、ゼッタイ)。

 なのですが。
 担当医は熱血漢で、
わたしが言えば言うほど
いっそう時間をかけて、
懇切丁寧に説得してくれる。

ホロッときて、
コロッといきそうになります。

 いかんいかん。
決断に人情を混ぜてはダメだ。
こっちはそれこそ命がかかっているのだ。

いつもなんとか逃げていましたが、
「あれ? なんで患者が医者に気をつかわないといけないんだ?」
とバカらしくなり、
担当医を変えてもらいました。

 医者は医者の都合でものを言っている。
私には私の都合がある。
そこは、分けねば。


 話を戻しまして、

というわけで熱心な説得にカンゲキして
「それならお願いします」
とならないこと、
など、
近藤医師おすすめのポイントを押さえて
話を聞きましょう。

 では、それから、どうする? 
続きを。


      ◇

 「担当医から説明を受けるのと並行して、治療法に関する
情報を集めましょう。
別の対処法はないかどうか、書店、図書館、インターネット
などで調べるのです。
患者会に問い合わせることもよい。
ただ人間の性なのでしょう、自分が受けた治療法を正当化
したいという心理が働くことがあるので、
体験者だからといって話を鵜呑みにするのは危険です。

 この段階で患者・家族は、手術の方向に行くのかどうか、
決める必要があります。
手術を受けようと思った場合から検討しましょう。

手術を受けるにしても、外科医の腕前が分からないので、
誰にしたらいいのか、患者・家族は頭を悩まします。
それで、知人や親友に外科医を紹介してもらう人も多い。
しかしこれは、ある意味では危険な行為です。
あとで『この外科医はどうもおかしい』と思っても、紹介者が
いるため、手術を受けざるをえなくなることがあるからです。
できれば外科医は自分で探すのがいいのですが、これも
実際には難しい。
(略)
結局のところ、病院の外部にいる者には、外科医の手術の
腕前は分からないのです。
(略)


とすれば、がん手術を受ける場合には、まず、切除する
範囲を確かめる。
それが他の医者の見方と同じであれば、あとは外科医の
人となりを見るしかないでしょう。
患者の目を見て話すことは当然として、
はぐらかして答えたり、目をそらしたりすることはないか、
患者の要望を受け入れる柔軟さがあるかどうか、
などが着眼点です。
身なりや物腰など、全体的な印象も大切です。
手術は命を預けるのですから、この医者なら死んでも
悔いはないと思える外科医でなければならないでしょう」

(近藤誠『がん治療総決算』
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4167620073/jironosyosai-22/

      ◇


 その後、わたしはクローン病から派生した
おしりの病気(「痔瘻」:じろう)だけは
手術してもらいましたが、
別の医師であり、
おしりを預けても悔いはないとおもって
おしりを差し出しました。
女性の医師でしたが、
だから決めたわけではありません。


  ◆まとめ
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  担当医から話を聞いたあとは、自分で情報収集。
  別の対処法はないかどうかを調べる。
  その上で手術を受けようと思った場合、
  まず切除する範囲を確かめる。それが他の医者
  の見方と同じであれば、人となりを見て、命を
  あずけるかどうかを決める。


 (つづく)




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 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 子供のとき父と学校の男子から暴力を受けていたので、いまでも男性より女性のほうが話しやすいです。けっしてすけべえなのではありません。たぶん。





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セカンド・オピニオンを言えない医師 [2021年04月21日(Wed)]




 いざ、がんを宣告されたら? 
という内容でお届けしております。

 まずは冷静になる。
いいですか。
まずは冷静になるんですよ。
冷静。
冷静。

 だけれども。
「自分は冷静になれる」とは思って
おかないほうがいい。

 イヤなひとにイヤなことを言われたとき
怒らないように
怒らないように
と努めてもむだですよね。
怒ってしまうものは怒ってしまうので、
そういう自分なんだと
冷静になるんです。

「怒らない自分になれる」と考えるのは
うぬぼれです。
怒ってしまう自分なんだという前提で対策をする。
そういう意味で冷静になる。


 がんの宣告なんて、自分は動揺しないぞ! 
と思っていますが、むりです。
宣告されると一種の興奮状態になるので
マヒしているだけですし
「動揺なんてしてない!」
と思っている時点で動揺しています。

だから、医師の話を聞くときは
同伴者をつけることが大切。

 あとは、時間が解決していってくれます。
人間の気持ちは、よくも悪くも続きませんので。
だから
録音しておいて、あとで聞くことが大切。

 つぎに情報量が勝負を分けます。
 石油ショックは情報が足りずに混乱がおきた。
北朝鮮が怖いのも、なんかようわからん国だから。
いまならコロナがそう。
なんかようわからんけど危機らしい、
という状態で人間は自滅します。

なので
いま起きていることを正確に把握する。
がんはどんなものか。
自分のがんはどんなものか。
手術、抗がん剤、放射線とはどんなものか。
ひとに講義できるくらい熟知する。


 ここまで、いいですか。
 落ち着かない自分を情報量で上回った。

 さあ、そしたら、
自分の体をどうするのか、
自分で決めなければなりません。


 「手術を受けよう」と決めた場合、
どこをどれくらい切るのか確かめ、
他の医者にも確かめてみて
同じことを言っていれば、
医者の人となりを見て
命をあずけるかどうかを決めましょう
と近藤医師はすすめます。

 では、
「手術はするまい」と思った場合、どうするといいのか?


       ◇

 「さて、手術以外の治療法に関心が湧いたら、是非、別の
医者の意見を聞きましょう。
これを第二の意見という意味で、『セカンド・オピニオン』
といいます。

それにはどのようにしたらよいか、参考になるエピソードが
あります。

数年前、子宮頸がんと診断されたA子さんが遠方から私の外来
を訪れ、『放射線治療は可能でしょうか』と尋ねました。
患部を診察したあと、私は、
『放射線で治療可能です。手術より後遺症が少なく、治る率は
同じだから、放射線治療のほうがベターでしょう。
あなたの地元に、B医師という腕のいい放射線科医がいるから、
彼にやってもらったらどうか』
と説明し、病院名を伝えました。

するとA子さんは、『私、その医者に会って診てもらいました。
でも、放射線治療はできないそうです』と言ったのです。


私は、おかしいなと思いました。
もし手術となると、子宮のみならず骨盤内リンパ節までごっそり
取る広汎(こうはん)子宮全摘術です。
それでは合併症・後遺症がひどいので、放射線治療が妥当な場合
です。

どうして彼は放射線治療ができないと言ったのか、と怪訝な顔を
したら、A子さんが話を続けました。

なんでも、その病院を訪ねたところ、婦人科医に広汎子宮全摘術
をすると申し渡された。
それは嫌なので、『放射線治療では駄目ですか』と聞いたら、
婦人科医は外来にB医師を呼びつけ、彼女の目の前で『放射線
治療の対象じゃないよな』と問い、
B医師は『はい』と答えて、すぐ帰ってしまったとのこと。


 私は、B医師の心中を思い、胸が塞(ふさ)がりました。

つまり他科の医者が患者の主治医である場合に、放射線治療の
ほうが妥当だと主張すると、
主治医は立腹し、次から患者を放射線科に紹介しなくなる恐れが
あるのです。
それでは、将来の患者たちのためにならないので、言いたいことが
言えなくなるわけです。

患者の目前で、自分の考えと正反対の返事を強要されたB医師に
同情しました。

私はA子さんに、
『それは病院内での力関係が言わせたことで、彼の本心では
ないから、紹介状を書いてあげましょう。
あなたが放射線科の外来を直接訪ね、放射線治療をしてください
と言えば、
B医師は婦人科医の思惑を気にしなくてよくなり、きっと治療を
してくれますよ』
と励ましました。

彼女はそれを実行して放射線治療を受けることができ、
がんは消失し、今も元気にしています。


 このようにセカンド・オピニオンは、同じ病院内の医者から
得ても、医者同士のつながりや遠慮があるため、
正直な意見を聞けないことが多いのです。
(略)
セカンド・オピニオンは、病院を替えて、そして診療科目を
異にする医者に聞くのが原則です」

(近藤誠『がん治療総決算』
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4167620073/jironosyosai-22/

      ◇


 ちなみに私は
こんな話をきくと腹が立ってしょうがないんですが、
その感情を仕事に向ければいいと思って
メルマガ書いてます。
腹立つ! と書かずに
腹が立っている内容を
役に立つ内容に変える。
これなら腹を立てた甲斐もあるってもんだ。


  ◆まとめ
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  手術以外の治療法に関心がわいたら、セカンド・
  オピニオンをきく。
  ただし、病院内の力関係があるので、同じ病院内
  では正直な意見がきけない。
  病院を替え、診療科目を異にする医者にきくべき。


 (つづく)




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 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 腹立つと役立つをかけたんですが、気がついていただけましたでしょうか。





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このお医者さんに嫌われたらどうしよう [2021年04月26日(Mon)]




「あの子あんたのことこう言ってたよ!」
「えーまじで?」
 まじでない可能性があります。

 がんについても同じで、
ていうかすべてのことが同じで、
情報のかたよりが危機をまねく。
がんの宣告を受けたら、どうする? 
セカンド・オピニオンを聞こう!

 ただ、
医者同士も人間関係があるので、
同じ病院内では正直な意見が聞けない。

「セカンド・オピニオンは、
病院を替えて、
そして診療科目を異にする医者に聞くのが
原則です」
と近藤医師はいいます。

 診療科目も変えるの?
病院を替えるのはわかるけど……。
理由は
「外科医を何人訪ねても、手術の話
しか聞けないだろうからです」。

ただし、
「手術を受けることは決めているけれども
執刀医を探すために別の外科医を訪ねる」
というのなら
ありだよ。

 というのが前回の話でした。
 では、その続きー。


       ◇

 「セカンド・オピニオンを得る場合には、担当医に『これまで
の検査結果を貸してください、紹介状を書いてください』と
頼みましょう。
それがないと、行った先の病院で、一から検査することになります。

ただ患者には、
別の医者に診てもらいたいなどと担当医に言ったら、担当医の
ところに二度と戻れないのではないか、
との心配が生じます。

しかしセカンド・オピニオンは、担当医との絶縁状ではありません。
セカンド・オピニオンを得てから、元の担当医のところに戻って
一向に構わないのです。

担当医が診療を拒絶することもありません。
なぜならば、医者は概して自意識過剰なので、
別の医者の意見を聞いた患者が自分のところに戻ってくれば、
優越感をくすぐられるからです。

またもし、セカンド・オピニオンを得たあと手術以外の治療法や
別の外科医になりそうであれば、
担当医の顔色をうかがう必要はなおさらないわけです。


 このように情報収集をしている間に、1か月や2か月は
すぐ経ってしまいます。
それで病気が進行するのではないかと、患者・家族は
気が気ではないでしょう。

しかしここでも、がんの成長速度を思い出すべきです。
固形がんでは成長速度からみて、1か月や2か月で手遅れに
なることはまずないのです。

診断から少し時間が経つのは、悪いことばかりではありません。
時間が経つうちに、がん告知のショックが和らぎ、心が落ち着いて
くる人がほとんどで、考えがまとまりやすくなるからです。

また、2か月、3か月と経ったのであれば、
もう一度検査してもらって病変の大きさを調べ、初回の検査
データと比較することもできます。
その対比結果は、無治療・様子見という選択肢を検討する際の
重要な材料になるはずです」

(近藤誠『がん治療総決算』
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       ◇


 「あなたはこうしないとこうなる」
と、
担当医に言われるたびに苦痛だった。

 わたしはクローン病をずっとやっているので、
担当医との人間関係というのがある。
考え方がちがっても、
なるべくならうまくやっていきたい。
医者と患者ではあるけど、人どうしでもある。
けんかはしたくないし、いい関係でありたい。

でも、
医者とは最後まで仲良くできたけど
病気は悪くなりました、
では笑えない。
自分の意思はつらぬかなければ。
それでも医者を目のまえにすると
この人との関係を大切にしたいと思ってしまう。

 「いや、この人間関係はいつまでも続くものではないんだ」

 むしろこの人にむだな罪をつくらせないように、
わたしのほうから、離れよう。
そっと離れた。

離れてみたら、
新しい医師と新しい人間関係ができ、
それが良好で、
あのときの担当医と一生添い遂げるつもりで
いた日々が
遠い記憶のかなたにうすらいだ。

 なお、離れて2年たつが
その医師が「こうなる」と言った経過はたどっていない。


  ◆まとめ
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  セカンド・オピニオンは、担当医の顔色を
  うかがう必要はない。紹介状も遠慮なく
  書いてもらう。
  情報集めをしているうちにアッというまに
  1〜2ヵ月過ぎるが、それもまたよし。
  「無治療・様子見」の判断材料ができる。


 (つづく)




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 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 すべてが変転していくのでいまの人間関係に気を病む必要はない。





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