がんの "片側" しか知らされない [2021年02月02日(Tue)]
![]() こんにちは。松井です。 「がんは完全放置なら痛まない」 ここまでの話をひとことで言うと こうなります。 そこで中村仁一医師は、 病気への対応よりも死への心がまえを説いて 著書をむすんだのでした。 さて、こんなメールをいただいてます。 > 老人ホームで癌が発見されるような人達は、 > たとえ一般病院の患者であったとしても > 抗癌剤や手術はしないのではないでしょうか? > 点滴はするかもしれませんが。 > > 私の知人は母親が入院した際に、 > 強制的に食べさせることはせずに看取った > らしいです。 > 一般病院でも老人の場合はそういう選択が > 普通にあるのではないでしょうか? > > 働き盛りに癌になった場合、 > 若くて癌になった場合のお話は > 今後あるのでしょうか? > > おそらく老人の癌とは違う展開や経過が > あると思います。 > そういう話を期待しています。 > > (xcpさん) ありがとうございます。 まさに今からするのはその話なんです。 「期待しています」 どうぞ〜。 しててください〜 ^^ 老人ホームではがんを治療しないのか との疑問についてですが、 ここまでの記事を読まれると、そのように 思われたかもしれません、が、 そんなことはありません。 中村医師も、 がんを "完全放置" することを自分から すすめることはしないそうです。 家族や本人から頼まれたときにだけ そうした結果、 60〜70人の、がんによる自然死を見てきた、 ということなのです。 ◇ ところで、 じつは、がんは「完全放置したらどうなるか」の データがほとんどありません。 あるにはあるけど、とても少ない。 え? これだけ、がんの研究が盛んにされて いるのに? それもそのはず、 病院というところは、がんを「放置しない」のが 仕事。 90歳、95歳といった、 もう延命とかいう段階じゃないだろう、 という人に対しても 何らかの医学的処置をほどこすのが 基本ですから。 ということは、 「あなたのがんは、これからこうなります」 と医師が言うときは、 "何らかの医学的処置をほどこした場合" のことを言っている。 (↑重要) ここは、よく知っておかないと、危ないですよ。 いざ自分が告知されたとき。 つまり私たちは がんというものの片側しか知らないことになる。 それで判断している。 これは恐ろしいことです。 データがないということは、 「完全放置したらどうなるか」は、 がんになったとき自分で確かめるしか ないわけです。 が、 これも恐ろしいよね……。 ◇ こんな現状のなか、 「あなたはがんです」と言われたからといって あわてることはない、 "無治療・様子見" も立派な対処法だ、 と主張するのが、 近藤誠医師です。 今月は、この人の本をいっしょに読んでいきましょう♪ ◆まとめ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「あなたのがんはこれからこうなります」 と医師が言うときは "何らかの医学的処置をほどこした場合は" と言っている。 つまり情報の半分しか渡されずに判断を迫られる。 (つづく) ◆ 編集後記  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ![]() 「どうする」って言われてもな。 ◆このブログはメールマガジンの記事をアップしたものです。 最新の記事は、メールでお送りしています。 >> 無料購読するにはこちらから |