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松井 二郎
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ホメオパシーが効く理由、効かない理由 [2015年04月08日(Wed)]

 こんにちは。松井二郎です。
 前回の記事にはたくさんのメールをいただきました。みなさんこぞって、
 「よかったですね」
 「涙が出ました」
 と、まるでご自分のことのようによろこんでくださって……ううう、

また泣かす気ですか!(マジありがとう)

 では連載の続きを、……の前に、きょうはお知らせから。
 電子書籍『クローン病中ひざくりげ』最新刊が発売になりましたァーっ!

  『クローン病中ひざくりげ 7』
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/B00V2D46W2/jironosyosai-22/

  『クローン病中ひざくりげ 8』
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/B00V2D4C12/jironosyosai-22/

 このまえの5巻、6巻に、こんなレビューをいただいています。
 ↓


> あらゆる病気を治したいかたへ!! 2015/1/17
> 投稿者 キャロル
>
> これは、大変すばらしい本です。
> 患者が自分の体を自分で治していく行程が、
> 大変参考になります。
> 私が一番大切に思っているメルマガが
> 本になったものです。
> あらゆる病気の方に参考になると思います。

 (アマゾンレビューより)


 「私が一番大切に思っている」って……あンれヤダな照れるっぺよ!!(松井をじゃなくて、松井のメルマガをだぞ)


 では連載の続きです。




 ◆続・クローン病中ひざくりげ(109)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ところで、すすめられるまま“ホメオパシー”を試したが何も起きなかった、と以前に書いた。
 ホメオパシーとは、そのひとの病気と同じ症状をひきおこす毒(クローン病ならば水銀)を、害のない濃度に希釈して摂取するというもの。
 なぜこれが、効かなかったのか?
 松本仁幸先生がホームページにご意見を掲載されたのだ。

 (松本医院ホームページ「なぜホメオパシーと減感作療法で花粉症が治らないのか?」
 http://www.matsumotoclinic.com/column/column_42.pdf

 要約すると――ホメオパシーは減感作(げんかんさ)療法と同じで、たとえばスギ花粉症の人に弱いスギ花粉エキスを投与するようなものであるが、いつも苦しんでいるものと同じアレルギーの元(抗原)を入れるのだからいつものアレルギー症状がひどくなるだけで、まったくの無駄である。また、ホメオパシーの薬にはこの花粉エキスのような物質が1個の分子も含まれていないものもあり、その場合は何も手を下していないのと同じなので、西洋医学で免疫をめちゃくちゃにするよりはマシなだけ。――とのことである。
 なるほど、どんなに世話になっている人からでも、勧められたらやればいいってもんじゃないねえ……。

          ◇

 しかし、そうなると一つ疑問がわく。ではなぜホメオパシーで治る人がいるのか?
 この謎を、松本医学にのっとって、わたしなりに解いてみた。
 まず考えられるのはプラシーボ効果である。すなわち、「あなたは一生治りません」と医者に言われ自らもそう信じ絶望していたのに、「これで治ります」「治った人がいます」と言われたら、それだけでどれほどすさまじいストレスから解放されるか。
 これだけでも免疫力が高まるうえ、ホメオパシー(に限らず、民間医療すべて)をしているあいだは西洋医学の薬を一切やめる人が多い。これによってさらに免疫力が高まる。
 そしてとりわけ大きいのがカウンセリングだ。ホメオパシーは投薬よりもむしろ患者からの聞き取りに重点を置く。ここにおいて生まれて初めて幼少から抑えこんできた怒りと悲しみをぶちまける人もあるだろう。じっさいわたしが読んだホメオパシー解説書の著者がそうであった。免疫を高めるために最も重要な心の回復がなされるのだ。
 こうなれば、免疫さえ抑えなければ、つまり西洋医学の薬をやめたままにしておけば、あとは時間の問題で治ってしまう。
 つまりホメオパシーは一貫して自分の免疫で病気を治す助けをしているのである。
 これで治る人は、漢方・鍼灸に頼らずともストレスを除くだけで独力で免疫を元に戻せる力が残っている人、言葉をかえれば、まだそれほど遺伝子が損傷されていない軽症の患者に限られる。
 すでにクローン病は治ることを知っていたわたしが、ましてカウンセリング抜きでホメオパシーの薬だけ飲んでも、無意味だったわけである。
 うむ、これで、すっきりした。

 (つづく)




 ※松本医院での診療を希望される方は
  松本医院ホームページ http://www.matsumotoclinic.com
  熟読のうえにも熟読されてからになさいますよう、
  お願いいたします。




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 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 アマゾンに掲載した『ひざくりげ』の表紙画像が、なぜか横にひしゃげて表示されてます。わたしのパソコンが悪い? やりかたが悪い? うーん、わからない。





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心の回復が体の回復 [2015年04月18日(Sat)]

  ◆続・クローン病中ひざくりげ(110)
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 2014年2月(治療開始から3年9ヵ月)。

 「えっ、うそぉ?」
 夜中、いつもどおり便意で目をさまし、時計をみると、さっき目がさめたときから……よ、4時間もたっているゥ!
 おいおい。これっていつ以来だ? ずっと1時間ごとにトイレに起きていたのに。すごいじゃないか!
 もしかしてこれ……トラウマが解消できてきてるってこと? その影響がさっそく出てきたってことなのか?

 そんな日が、ふた晩つづいた。このままずっと、こんなにたくさん眠れるようになってくれれば……!
 そう期待したが、残念ながらそれはなかった。やはり1時間に1回くらいは便意に叩き起こされる。しかし、続けて3時間ほど眠れることは、よくあるようになった。これまではそんな日が一日でもあったら大よろこびしていたのに。
 そろそろ、人間らしい生活に戻れるだろうか?

          ◇

 「えっ、うそぉ?」
 久しぶりに体重計に乗ってみると、い、1.6キロも増えているゥ!(それでも42.7キロだが)
 トラウマ解放エクササイズがいい筋トレにもなっているのだろう。なんて一石二鳥な、すばらしいエクササイズだッ!
 そして、それよりも何よりも――父との、心の交流が、こうして体の回復にあらわれているのかもしれない。

          ◇

 2週間して、もういっぺん乗ってみた。さあ、どうだ。43キロこえちゃってたりしてなあ。ふっふっふ。
 「はえっ?」
 よ、42.4キロ……。
 減ってますやん!
 って、これはコップ一杯の水で増減する目方。誤差の範囲だ。増えてもなし減ってもなし、停滞した、ということか。
 がちょん!

 あの手紙のやりとりのあと、みるみる治った! となればエンディングとしては最高だったのだが。
 ま、そうテレビドラマのようなわけには、いきませぬて。

 (つづく)




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 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 体重計といってもWii Fitだが。





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出動せよ! レギュラトリーT細胞 [2015年04月28日(Tue)]

  ◆続・クローン病中ひざくりげ(111)
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 2014年3月(治療開始から3年10ヵ月)。

 「んで、いまいちばんつらいのは何〜?」
 電話の向こうの松本先生はいつも闊達(かったつ)だ。
 「痔瘻(じろう)です。針で刺すように痛いです」
 れいの、肛門のまわりにいくつもあいちゃった穴である。
 「最後まで残るのが痔瘻やで〜。わしゃ痔瘻もヘルペスや思うとるのや」
 「えっ!」
 「せやろ。だって、針で刺すような痛みなんて、まさにヘルペスやと思わんか」
 そういわれれば!

 炎症のひどさを示すCRPの値は劇的に下がったのに、痔瘻、腹痛、下痢はおさまっていない。となるとクローン病の症状はほとんどがヘルペスということになる。なるほど〜。全貌がみえてきたぞ〜。
 ならば、どんどん抗ヘルペス剤を飲んで、免疫がヘルペスウイルスを神経節へ封じこめるのを助けねばならぬ。これが早く片づくほど、クローン病の完治が近づくはずである。
 問題は……医療費だ。

 なけなしの軍資金をどう運用するか? つねに頭を悩ませる命題であるが、保険がきかないことばかりやっているので、なにしろお金がかかる。
 そこで、泣く泣く“プロタンディム”を削ることにした。12時間に1錠飲んでいたのを、段階的に18時間に1錠へ、さらに24時間に1錠とした(減らしたといってもこれが標準量)。
 松本医学で治そうとしているのであるから、それ以外のものはあくまでも援護射撃、資金は可能なかぎり松本医学に傾注し、援護のために主力を削るべきでないと考えた。
 ほんとうは、こんなこと、したくない。なにせ、長年この仕事をしていて初めて「飲み続けたい」と思えたサプリメントなのである。
 やれやれ、潤沢な資本があればこんなことで悩まずともよいものを、難病は長くやっていると金欠病にもかかるのである。

          ◇

 抗ヘルペス剤1日4錠。抗生物質フラジール2錠。プロタンディム1錠。これだけ飲むとだいぶ体調が安定することがわかった。下痢と腹痛がちょっと和らぎ、夜は確実に3時間は途中で起きずに眠れている。まる一日仕事ができる日も増えてきた。
 こうなってくると、次回の血液検査が楽しみである。
 そういえばしばらく血液の数値を書いていなかった。まとめて記録しておこう。

  <2013年9月>
  CRP 1.35
  白血球数 6100個/μl
  うちリンパ球の割合 11.6%(707個/μl)

  <11月>
  CRP 2.1
  白血球数 6940個/μl
  リンパ球 12.0%(832個/μl)

  <2014年1月>
  CRP 2.7
  白血球数 5680個/μl
  リンパ球 12.5%(710個/μl)

 さあ、これが、どうなっているか?

          ◇

 2ヵ月ぶりの検査日だ。採血後、診療室で担当医といっしょにパソコンのモニターをみる。

  CRP 1.6
  白血球数 5420個/μl
  リンパ球 12.4%(672個/μl)

 お! CRP(炎症のひどさ)が下がったぞ! いったん1まで下がって大よろこびしていたのが、またじわじわ上がってきていたので、どうなることかと思っていたのだ。これはうれしい。
 うっ。でもリンパ球数は横ばいか……。
 リンパ球は血液1マイクロリットルあたり1800個は必要なのだが、700個しかなく、4割に満たない。これじゃぜんぜん足りない。このままではレギュラトリーT細胞が動きださないぞ。

 免疫寛容をおこすには、“レギュラトリーT細胞”を動かさなければならない。これはリンパ球の1種である。
 リンパ球にもいろいろある。そのなかの“B細胞”というやつはミサイル(抗体)をつくって
 「異物は皆殺しだオラオラオラ」
 と撃ちまくる戦士タイプの兵隊だが(風邪から難病まで、これを「発病した」という)、彼らは止まることを知らない。よくいえば猪突猛進、わるくいえば単純バカである。
 そこで、敵が全滅するか(細菌・ウイルスの場合)、戦っても戦ってもキリがないとわかると(化学物質の場合)、
 「戦いは終わった! 終わったんだー!」
 と攻撃をやめさせてまわる伝令役の兵隊が現れる(これを「完治した」という)。そう、彼らがレギュラトリーT細胞なのである。
 彼らの出現条件は、B細胞が
 「燃えたよ、燃えつきた、おっつぁん」
 と言うまで暴れること。だから何はともあれ、まず、これら兵隊の頭数を揃えにゃ、どうにもこうにも始まらんのである。

 それなのに、わたしのリンパ球は松本先生いわく「死にかけの老人の値や」。つまり少なすぎ。よく生きていますな、という数。
 原因はトラウマによるストレスのせいだが、材料となるタンパク質が足りていないのも大きいだろう。
 さて、どうしたものか。

 (つづく)




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 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 B細胞はボム細胞とおぼえました(ほんとうは Bone。骨から生まれるから)。





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