2日でトラウマが治る!? [2014年12月08日(Mon)]
◆続・クローン病中ひざくりげ(100)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 過去の体験をいろいろ思い出したが、私が思い出していることは、あくまでも思い出せる範囲のもので、すでに思い出せなくなっているものもあるだろうし、おそらくそっちのほうが、より深刻な影響を私に与えているはずである。 トラウマは、1つや2つではなく、過去の無数のできごとが複雑に絡(から)みあって形成されている。それらをカウンセリング等で1つずつ思い出して解きほぐしていくことは、ほとんど不可能なのではないか? 忘れてしまっているからこそ、脳も肉体もいつまでも怯(おび)えたままでいるのだ。 ならば、記憶している、していないに関係なく、溜(た)めこまれた恐れを解放していくTRE(トラウマ・リリース・エクササイズ)は、すばらしく理にかなっている! いや、でも、ちょっと待て。緊張を解くために体を震えさせる必要があるのなら、スポーツなりエアロビなり、好きなやり方で体を動かしたらいいようにも思えるが……なぜ、TREでないといけないのか?(以下は引用) ◇ TRE (トラウマ・リリース・エクササイズ=トラウマ解放体操)は、体を震わせて平時の状態に自分自身を戻す自然の能力を引き出すためのものです。 ストレス軽減のためのエアロビクスと震えを起こす運動には、次のような違いがあります。エアロビクス運動は脳の大脳皮質、つまり意識的に体をコントロールする能力を私たちに与えている脳の部分の直接支配下にあります。そのために、エアロビクスを行う時、私たちは自分の頭が許す範囲のことしかできません。また、頭が許すところまでしかリラックスすることができません。 東洋には心拍数や血圧を意識的に下げることができるヨギ(ヨガ行者)がいると言われていますが、この部分を司っている脳(大脳辺縁系)を私たちのほとんどは意識的にコントロールできません。つまり、意思の場である大脳皮質によって影響を与えることはできないのです。 ここに震えの利点があります。震えは脳の大脳辺縁系から起こるために、私たちの意識的なコントロール下にありません。言い換えれば、震えを起こす運動は思考する脳を素通りして、無意識の脳幹に直接達することができるのです。 これは他の方法ではできない変化を私たちにもたらします。震えは、意識的なコントロールもストレスを解放しているという意識もなしに、HPA軸を遮断することによって体をリラックスさせ、ストレスを軽減してくれるのです。 (デイヴィッド・バーセリ『人生を変えるトラウマ解放エクササイズ』) ◇ 知れば知るほどすごい理論だ。なるほど〜。ただやみくもに運動すりゃいいってもんじゃないのね。思考する脳をスルーして脳幹に届くやり方でないと、トラウマ解放エクササイズにはならないわけか。 そのエクササイズがTRE(トラウマ解放エクササイズ)だそうだが、実際、その効き目はどれほどのものなのだろう? こんな話が紹介されていた。―― ◇ 2001年9月11日に起こったニューヨークの世界貿易センタービル(ツインタワー)崩落の1年後、(中略)消防隊員は背中の痛み、首の痛み、肩の痛み、胃や食道の不調などに苦しんでいました。腰の筋肉について研究してきた私は、こうした症状がみな、大腰筋の慢性的な収縮の結果であることを知っていました。 そこで隊員たちにTREを2日間、やってもらいました。1日目、私は彼らに体の姿勢について説明し、救援活動をしていた時の彼らの動きについて話しました。つまり、前かがみこなる、持ち上げる、這いつくばる、うずくまる、などです。このような動きをする時、大腰筋はきつく収縮します。死の恐怖も伴っているために、こうした姿勢は感情的な負担も抱え込みます。その結果、この緊張した状態に筋肉を保つために作られた神経回路のパターンが、生きるか死ぬかという状況によってさらに強められていたのです。 TREを2回行っただけで、この人々の大腰筋は緩みました。(同) ◇ なに〜! に、2回でゆるんだ〜っ? おれ、カウンセリングに何日費やしたと思ってるのよ。 なぜTREはこんなに即効性があるのか? 続きを読んでみると――。 ◇ この運動がこれほど早く効果を見せるのは、マッサージなど外部から施して筋肉をリラックスさせるものとは違い筋肉の内部からの震えが慢性的な緊張を解放するからです。 横隔膜の筋肉もまた、緊張を腰に与えます。「大腰筋と腸筋と横隔膜の連結部は重なっています。3人の歩兵のように、これらの筋肉は一体となって働きます」とある研究者は言っています。この3つの筋肉は「筋肉の鎖」を作っているのです。この鎖は体の中でもっとも大きな交感神経の交差点でもあります。この交差点は太陽神経叢、または「腹部の脳」と呼ばれています。この太陽神経叢は下腹部の骨盤のところにある神経の集合体です。ここには体のどこの部分よりも多くの交感神経が含まれています。(同) ◇ でた! 免疫の重要キーワード、交感神経。 交感神経とは、自分の意志ではどうにもならない「自律神経」の一つだ。ちなみにもう一つが副交感神経。 免疫は、リラックスして副交感神経がオンになると動くが、緊張して交感神経がオンになると止まる。交感神経がいつまでもオンになりっぱなしだと免疫は止まりっぱなしになり、ついには難病を引き起こし、かかった難病はいつまでも治らない。 だから交感神経の緊張を解くことは難病を治すための必須条件なのである。 その交感神経が最も多く存在する骨盤を、TREは緩(ゆる)める。それでこんなに即効性があるのだ! この本、期待していたレベルを遙(はる)かに上回ってるぞ……。 (つづく) ◆ 編集後記  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ![]() ◆このブログはメールマガジンの記事をアップしたものです。 最新の記事は、メールでお送りしています。 無料購読するには今すぐここをクリック |