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松井 二郎
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セカンド・オピニオンを言えない医師 [2021年04月21日(Wed)]




 いざ、がんを宣告されたら? 
という内容でお届けしております。

 まずは冷静になる。
いいですか。
まずは冷静になるんですよ。
冷静。
冷静。

 だけれども。
「自分は冷静になれる」とは思って
おかないほうがいい。

 イヤなひとにイヤなことを言われたとき
怒らないように
怒らないように
と努めてもむだですよね。
怒ってしまうものは怒ってしまうので、
そういう自分なんだと
冷静になるんです。

「怒らない自分になれる」と考えるのは
うぬぼれです。
怒ってしまう自分なんだという前提で対策をする。
そういう意味で冷静になる。


 がんの宣告なんて、自分は動揺しないぞ! 
と思っていますが、むりです。
宣告されると一種の興奮状態になるので
マヒしているだけですし
「動揺なんてしてない!」
と思っている時点で動揺しています。

だから、医師の話を聞くときは
同伴者をつけることが大切。

 あとは、時間が解決していってくれます。
人間の気持ちは、よくも悪くも続きませんので。
だから
録音しておいて、あとで聞くことが大切。

 つぎに情報量が勝負を分けます。
 石油ショックは情報が足りずに混乱がおきた。
北朝鮮が怖いのも、なんかようわからん国だから。
いまならコロナがそう。
なんかようわからんけど危機らしい、
という状態で人間は自滅します。

なので
いま起きていることを正確に把握する。
がんはどんなものか。
自分のがんはどんなものか。
手術、抗がん剤、放射線とはどんなものか。
ひとに講義できるくらい熟知する。


 ここまで、いいですか。
 落ち着かない自分を情報量で上回った。

 さあ、そしたら、
自分の体をどうするのか、
自分で決めなければなりません。


 「手術を受けよう」と決めた場合、
どこをどれくらい切るのか確かめ、
他の医者にも確かめてみて
同じことを言っていれば、
医者の人となりを見て
命をあずけるかどうかを決めましょう
と近藤医師はすすめます。

 では、
「手術はするまい」と思った場合、どうするといいのか?


       ◇

 「さて、手術以外の治療法に関心が湧いたら、是非、別の
医者の意見を聞きましょう。
これを第二の意見という意味で、『セカンド・オピニオン』
といいます。

それにはどのようにしたらよいか、参考になるエピソードが
あります。

数年前、子宮頸がんと診断されたA子さんが遠方から私の外来
を訪れ、『放射線治療は可能でしょうか』と尋ねました。
患部を診察したあと、私は、
『放射線で治療可能です。手術より後遺症が少なく、治る率は
同じだから、放射線治療のほうがベターでしょう。
あなたの地元に、B医師という腕のいい放射線科医がいるから、
彼にやってもらったらどうか』
と説明し、病院名を伝えました。

するとA子さんは、『私、その医者に会って診てもらいました。
でも、放射線治療はできないそうです』と言ったのです。


私は、おかしいなと思いました。
もし手術となると、子宮のみならず骨盤内リンパ節までごっそり
取る広汎(こうはん)子宮全摘術です。
それでは合併症・後遺症がひどいので、放射線治療が妥当な場合
です。

どうして彼は放射線治療ができないと言ったのか、と怪訝な顔を
したら、A子さんが話を続けました。

なんでも、その病院を訪ねたところ、婦人科医に広汎子宮全摘術
をすると申し渡された。
それは嫌なので、『放射線治療では駄目ですか』と聞いたら、
婦人科医は外来にB医師を呼びつけ、彼女の目の前で『放射線
治療の対象じゃないよな』と問い、
B医師は『はい』と答えて、すぐ帰ってしまったとのこと。


 私は、B医師の心中を思い、胸が塞(ふさ)がりました。

つまり他科の医者が患者の主治医である場合に、放射線治療の
ほうが妥当だと主張すると、
主治医は立腹し、次から患者を放射線科に紹介しなくなる恐れが
あるのです。
それでは、将来の患者たちのためにならないので、言いたいことが
言えなくなるわけです。

患者の目前で、自分の考えと正反対の返事を強要されたB医師に
同情しました。

私はA子さんに、
『それは病院内での力関係が言わせたことで、彼の本心では
ないから、紹介状を書いてあげましょう。
あなたが放射線科の外来を直接訪ね、放射線治療をしてください
と言えば、
B医師は婦人科医の思惑を気にしなくてよくなり、きっと治療を
してくれますよ』
と励ましました。

彼女はそれを実行して放射線治療を受けることができ、
がんは消失し、今も元気にしています。


 このようにセカンド・オピニオンは、同じ病院内の医者から
得ても、医者同士のつながりや遠慮があるため、
正直な意見を聞けないことが多いのです。
(略)
セカンド・オピニオンは、病院を替えて、そして診療科目を
異にする医者に聞くのが原則です」

(近藤誠『がん治療総決算』
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4167620073/jironosyosai-22/

      ◇


 ちなみに私は
こんな話をきくと腹が立ってしょうがないんですが、
その感情を仕事に向ければいいと思って
メルマガ書いてます。
腹立つ! と書かずに
腹が立っている内容を
役に立つ内容に変える。
これなら腹を立てた甲斐もあるってもんだ。


  ◆まとめ
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  手術以外の治療法に関心がわいたら、セカンド・
  オピニオンをきく。
  ただし、病院内の力関係があるので、同じ病院内
  では正直な意見がきけない。
  病院を替え、診療科目を異にする医者にきくべき。


 (つづく)




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 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 腹立つと役立つをかけたんですが、気がついていただけましたでしょうか。





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