◆子機つき電話の電磁波ってどうなの?
◆電磁波特集 4章
あふれる家の中の電磁波
〜家電ってどうなの?(14)
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無線LAN(Wi-Fi)さえ使わなければ家の中が電磁波だらけにならない、かというと……もうひとつ、無線を使っている家電があった。
子機つきの電話だ。
これってどうなの?
(以下は引用)
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【子機つき電話】
子機付き電話や子機付きファックス・電話などに関して、「子機を使わなければ電磁波の影響はないだろう」と思い込みがちだが、そうではない。子機を使わなくても、親機から、2.4GHzなどの強い電磁波が放射されている。電磁波の強さは機種によってまちまちなので、まず、計測器を使って測ってみることだ。居間に電話の親機があり、長い間、その傍らで過ごすような場合には、健康被害も深刻になる。「無線」のものは全て電磁波を放射しているので、命を守るためには、「有線」に換えることが一番の対策だ。
オーストリアのザルツブルク州では、2005年、公衆衛生局が、「学校や幼稚園では、無線LANやデジタル式コードレス電話の使用をやめるよう」公式文書で呼びかけている。また、フランスなどでも、学校や予備校の無線LANを有線に換えているところは多い。
(古庄弘枝『見えない汚染「電磁波」から身を守る』)
ハーデル博士の研究チームは1997年から2003年12月の間に脳腫瘍と診断された患者(症例群)2159人と、非患者(対照群)2162人を対象に調査した。これにはハーデル博士が治療した患者や他の病院の患者も含まれたが、一つの研究機関による携帯電磁波の疫学調査としては参加者の数でも、10年以上の長期使用者の数においても最大規模だ。
この調査結果でまず注目すべきは、携帯電話とコードレス電話の10年以上の長期使用者の間でほぽ一貫して腫瘍リスクの高まりがみられたことだ。
たとえば、神経膠腫(しんけいこうしゅ)の調査では1年以上の使用者のリスクは1.4倍(携帯電話を押し当てる側に限ると2.0倍)だが、10年以上では2.7倍(同3.3倍)に増加。コードレス電話でも1年以上の使用者のリスクは1.4倍(同1.8倍)だが、10年以上の使用者では2.5倍(同5.0倍)となった。(中略)
コードレス電話使用と脳腫瘍の関連についての調査データをまとめたのはハーデル博士が初めてだが、携帯電話の場合と同じように長期使用者の間で著しいリスクの高まりがみられた。
一般的にコードレス電話の電磁波の最大出力は、携帯電話のそれよりかなり小さいとされる。ところが携帯電話は通常最大出力よりずっと小さい電波で通話できるようにつくられているので、結局、携帯電話とコードレス電話の通話中の曝露量はあまり変わらなかったりするという。しかもコードレス電話の通話料金は通常、携帯電話より安いこともあり、コードレス電話の子機を耳に押し当てて長時間話す人は少なくない。また、最近のDECT(欧州通信規格協会が策定したコードレス電話の規格)と呼ばれるデジタル・コードレス電話の親機は一般に通話時以外でもつねに電磁波を発している。DECTのコードレス電話を寝室のベッドのそばに置く人は、寝ている間ずっと電磁波に曝露していることになるのだ。(中略)
次に聴神経腫のリスクをみると、1年以上の携帯電話使用者では1.7倍(携帯電話を押し当てる側に限ると1.8倍)だが、10年以上では2.9倍(同3.0倍)とほぼ倍増。(中略)髄膜腫に関しては携帯電話使用者にあまり変化はみられなかったが、コードレス電話の10年以上の使用者では1.8倍(同3.0倍)となった。
(矢部武『携帯電磁波の人体影響』)
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……無線LANよりもこっちのほうが危なくね?
うちの電話も子機つきなんですけど。この親機がいつも電磁波を出しているのね。今も。なんだか急に気になりはじめたぞ。
有線の電話に戻そうか……。でもそれはそれで有線のネット以上に不便だな……。
うーん、どうしよ。
ま、これだけほかの電磁波に気をつけてるんだから、トータルでよしとしますか。なにもかも完璧にやるんじゃなくって、できるところに対策をすれば。
「健康のためなら死んでもいい」というジョークがあるけど、あまり窮屈になっても、ストレスでDNAが切れそうだもん。
(つづく)
◆ 編集後記
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1日生きれば1日死ぬので、究極的には生きてることじたい体にわるいわけですから、どう命を使っていくかが問題なのでして、無線にしたほうが1秒でも時間を節約できるならそのほうが命の使用効率がいいとも考えられます。ウーンむずかしい。