あれ? リンパ球どこいった? [2015年09月18日(Fri)]
◆続・クローン病中ひざくりげ(123)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「それはクローン病が悪化したんです」 エレンタールの副作用が出るようになったと医師に告げたら、そう言われてしまった。 「副作用が怖いという考えはわかりますが、症状が悪化しているときに飲めば、どんな栄養剤でも下痢や腹痛はおきるものなんです。エレンタールが悪いのではなくて、松井さんのクローン病が悪化してきているということなんですよ」 うーん、そうきたか。 「とにかくエレンタールをやめて様子をみたいんです」 「そういうことよりも、そろそろ根本的にやり方を変える時期にきていると思います。まえから言っていますが、レミケードといういい薬があるのですから」 「……」 「まあエレンタールをやめるのはかまいませんが、やめるならば何かで栄養をとらないといけませんよ。エレンタールがいやなら、別の栄養剤を試してみてはどうですか?」 それは、考えていたことなのであった。 エレンタールほどひどい食品添加物を使ってさえいなければ、よいのだ。それに栄養剤が変われば、免疫が異物として認識するようになるまでに時間がかかる。しばらくは食品として吸収できるだろう。エレンタールも飲み始めはそうであったようにだ。 「では、それでお願いします」 けっきょく、お試しということで“エンシュア・リキッド”なる栄養剤を2週間ぶん出してもらい、飲み終えたら経過を報告しにくることになった。 「でもこれで体重が増えるかどうかはわかりませんよ」 では増やしてみせますので、まあ見ていてください。 ◇ ちなみにこの日の血液検査は――。 CRP 1.9 やっぱりだ。炎症が軽くなっている。良くなったのだ。 じゃあリンパ球はどうだ。 あれ? リンパ球の項目が……ない。 削除されてる! いままではあったのに、どうして? 免疫力とはリンパ球の数である。この数値を追っていくことが治療経過をみるには欠かせない。病気に最も関わる項目を検査対象から除くとはどういう……あっ! もしや……。信じたくはないが……。 ◇ その日の午後に松本先生と電話でお話しした。 「どう? いま調子はいいの?」 「はい。いまは、いいのですが、先生、わたしエレンタールよくなかったです。エレンタールをやめたらよくなりました」 「それはなんでだと思う?」 「エレンタールに抗体をつくるようになったからだと思うんですが……」 「そうだね。エレンタールにも化学物質は入っているからね、そういう人もいる。それは、わかっていたんですよ。エレンタールは、狭窄(きょうさく)がある人にいいんでね、それですすめたんだけど、きみは手術はやったのかな」 狭窄とは腸がせまくなることである。いちど腸を切ると、これができやすくなってしまう。 「いえ、していません」 「うん、それだったら、エレンタール飲まなくても栄養とれるんだったら、飲まなくていいですよ」 よかった〜! 「ところでリンパ球のデータが古いのは?」 先生に指示されて血液検査の結果をファクスしたのだが、かんじんのリンパ球の値が出ていないから、わかっている最後(3月)の値を手書きで加えておいたのだ。 「あ、それは、さいきん白血球の内訳が検査項目から除外されてしまったんです」 「それはなんでだと思う?」 「免疫を抑えていることがバレるからだと思うんですが……」 「そういうことや」 (つづく) ※松本医院での診療を希望される方は 松本医院ホームページ http://www.matsumotoclinic.com を 熟読のうえにも熟読されてからになさいますよう、 お願いいたします。 ◆ 編集後記  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 西洋医療を受ける唯一のモチベーションが……。 ◆このブログはメールマガジンの記事をアップしたものです。 最新の記事は、メールでお送りしています。 無料購読するには今すぐここをクリック |