(協働推進フォーラム 地方共助社会づくり懇談会in宮城@のつづき)
深尾氏の基調講演後には、
県内外で活躍するNPO法人4団体をお招きし、
パネルディスカッションが行われました。
コーディネーターは
当法人杜の伝言板ゆるる代表理事/内閣府 共助社会づくり懇親会委員の大久保朝江氏。
「多様な主体の連携による共助社会を目指して」をテーマに
ディスカッションが繰り広げられました。
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NPO法人 全国コミュニティライフサポートセンター(以下CLC)
理事長の池田昌弘氏からは
「生活支援員の研究と支え合う地域づくりの可能性」についてお話頂きました。
CLCでは「だれもが地域で普通に」暮らし続けられる地域社会の実現を目指し、
地域のケアや支え合い事業を行っています。
池田氏は、様々な介護支援や支え合いができるようになってきた。
これからも今の環境を維持していきたい。
と意欲的に話されました。
その中で、今、重点を置いている取り組みが「生活支援員」の活動。
仮設住宅への訪問活動、生きがいづくり、住民間のコミュニティづくりなど、
今まで福祉に携わったことのない人が、専門家よりも志高く活躍されているそうです。
最後に、2015年4月に改正される介護保険制度については、
「市町村の自治体には、ぜひお金の使い方を工夫してもらいたい」
と切なる想いを述べられました。
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NPO法人 FOR YOU にこにこの家の小岩孝子理事長からは、
取り組まれている、地域福祉ネットワーク
「ほっとネットin東中田」についてご紹介頂きました。
今、問われている地域のコミュニティ。
だからこそ、地域のつながりを大切にしようと、
様々なイベント等を通して、地域を元気にする活動をされています。
東中田地区の福祉関係19団体のネットワークを持つ「ほっとネットin東中田」は、
子供も大人もお年寄りも、病気や障害を持っていても、
全ての人が安心して生活できる地域を目指されています。
東中田地区にある施設や団体を
地域住民に知ってもらおうと始まったネットワーク。
今や児童館や学校、市民センター、町内会等とつながり、
ますます協働の輪が広がっているそうです。
東日本大震災後は、その教訓や生きる希望を伝えていこうと
この横のつながりを活用して、防災活動にも力を入れられています。
地域と「共に」、課題や想いを「形」にすることを志し、
これからも地域の元気を発信していきたいと笑顔で語られました。
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NPO法人 あきた地域資源ネットワークあきた専務理事の鐙啓記氏からは、
秋田県の地域資源を活用した協働推進についてのお話。
楽しい地域づくりを目指す鐙氏は、
秋田県を舞台に様々なコミュニティビジネスに取り組まれています。
その鐙氏が秋田県で進めている協働プロブラムをご紹介頂きました。
1.男鹿半島・大潟を始めとしたジオパークの推進
商工会や観光協会などと協働で男鹿の魅力を発信。
新しい事を拒む土地柄も根づくなか、県外から入ってきた女性達を新たな担い手として、
ともに男鹿の美しさを発信していきたい。
2.魚醤(しょっつる)や地魚のブランド力向上
3.災害に強い男鹿の地域づくり
4.秋田市の町中飲み歩き「アキタ・バール街」
5.コミュニティ・ビジネスの推進
6.焼き畑の復活と特産品づくり、ツーリズム
7.舞踏の聖地・秋田で国際舞踏・舞踊フェスティバル
8.秋田県のフリーマガジン「のんびり」の制作と若手育成
秋田県ならではのプロジェクトは、魅力的で、ユニークな取り組みばかり。
鐙さんの地元愛が伝わるお話でした。
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「円卓会議」の取り組み事例からお話頂いたのは、
NPO法人 茨城NPOセンター・コモンズ常務理事・事務局長
/内閣府 共助社会づくり懇親会委員の横田能洋氏。
企業、行政、金融、NPOなど多様な立場の関係者が集い、
どのように協働し、地域課題解決につなげていくかを協議する場として、
全国各地で行われています。
始めは意欲的でなかった行政も回を重ねるごとに
情報収集や交流の場として受け止めてくれた。
互いの考えや取り組みを知り、共有できる場になったと言います。
単体では難しい課題も、共助により可能になる。
東日本大震災の時も「円卓会議」メンバーの横のつながりがあったお陰で、
メール一本で様々な支援活動ができたそうです。
当日配布された横田氏の資料の一文。
「NPOは制度の狭間にいる人に寄り添い、
課題解決のための事業をつくったり、社会に発信できる。
それにより見えなかった課題が周りに伝わり、
寄付やボランティアなど共助の機会を増やすこともできる。
当事者とともに活動していく中で、心の壁や制度の壁をなくしていければ、
共助社会に近づくだろう」
横田氏が共助社会について論じた新聞記事の中のメッセージの一部です。
横田氏の想いが詰め込まれているように感じました。
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4名のパネリストから
多様な「協働」の事例、現状がお聞きできました。
協働とは、個性、役割、分野の違う人たちが、
それぞれの持つ力を活かし、互いに協力し合い、
同じ目標に向かって進んでいくこと。
様々な社会問題や課題が取り巻く現代で、その必要性は高まっています。
今回のお話を聞いて、ちょっと視野を広げてみれば、
身近なところに「協働」「共助」のきっかけが待っているのかもしれないと
改めて感じました。
「NPO等と行政による交流会」へとつづく。