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市民に厳しい日本社会 [2011年08月15日(Mon)]
みなさん、こんにちは。
本日事務所で考えさせられる出来事がありましたので皆様にもお伝えいたします。

今日の正午頃、1人の若い女性が「NPOの人と話がしたい」と事務所を訪ねてきました。
ひと目見ただけで、普通ではないと感じるような様子の女性は、ミニスカートにはだけたシャツを着て、疲れ果てた顔で座り込み話し始めました。

内容は詳しく書きませんが、家庭の問題や精神病を抱えているということでした。
皆さんご存知の通り、私たちは中国雲南省で少数民族に教育支援を行っているNPOです。残念ながら、彼女の家庭の問題を解決する手段やアドバイスが出来る知識を持ち合わせておりません。

話のつじつまが合わなかったり、黙って泣き出してしまったりする女性をどうすれば助けられるかわからず、専門の団体に相談しようと思い、女性の話を元にインターネットで彼女の状況に合う団体や役所などを検索し電話をかけました。

ところが、ここからが問題でした。

まず、相談窓口へ連絡すると、

「本日は担当が休みなので予約をして後日来てください。」

との回答。お盆休みの時期とはいえ、こんなに簡単に断られると思っていなかったため戸惑いましたが、別の団体を教えていただき、そこへ連絡をすることにしました。

ところが、またしても

「都の管轄なので、都内在住の方に限ります」

との回答。相談に来た女性が都内在住の方では無いという理由で、相談にのれないということでした。

その後も、次から次へとたらい回しにされ、団体や相談窓口、役所など5〜6箇所に連絡をすることになり、最後に連絡したところからは、

「過去に相談していたところがあれば、
そこへ行くのがベストだと本人に伝えてください。」


と言われました。


雲南省で教育支援をしている私たちが、その女性に対して専門的な何かをして助けることは出来ないため、せめて専門の団体、NPO、役所、相談窓口などを紹介しようと思ったのですが、こんな簡単な事がどうしてこんなに難しいのでしょう。

その女性に必要な助けが出来るようなところは調べられただけで5〜6箇所ありました。
ですが、その全ての回答が女性の受け入れに対してNO!を出しました。

彼らは一体なんのために存在しているのかと腹立たしくなり、同時に何も出来ない自分の無力さに悲しくなりました。

「出来ない」「出来るけどしない」はまったく違います。
日本の社会は「出来るけどしない」という傾向が多くあるように思います。
たとえ、ルールや規則があっても、助けを求める人に手を差し伸べることが最優先であるべきです。担当がいないからとか、都民じゃないからとかで片付けてしまうのはあまりに残酷です。

助けを求める人は何も考えずに助けを求めているわけではありません。助けを求めるには「勇気」が必要です。勇気をだして出した信号を拾うべきところがきちんと拾ってくれなければ、二度と勇気を出せないかもしれません。

NPOやNGOに限らず、近年企業にもCSR部が立ち上がり、多くの人、会社、団体などが世界が平和になるように、みんなが笑顔になるように、と同じ方向に向かって歩いていますが、今日は日本の冷たい社会を垣間見て、とても悲しくなりました。

日本にはたくさんの施設や団体が整っているにも関わらず、きちんと機能していないということを今日思い知らされました。3.11の震災でも、募金や物品は集まったのに必要なところへ届かないということがありました。被災地の方々も日本社会への不信感を強く抱いているでしょう。

長くなりましたが、今日の出来事を通して、色々なことを考えさせられました。
雲南少数民族への教育支援はもちろん大切です。しかし、同じ日本で困っている人や助けが必要な人がいます。これからは、いちNPOとして協会は自分たちが住んでいるこの日本にも目を向け、微力でも助けが必要な人の支えになれるよう努力していこうと思います。