12月12日(月)に「YouthVisitonCafe第22回」を開催しました。
ゲストは、シチズンシップ共育企画代表の川中大輔さん。
ユースビジョン事務所にて行い、カフェ・交流会あわせて28名の方にご参加いただきました。
はじめに、どんな人がこのカフェに参加しているのか
参加者、スタッフを含め自己紹介と「どんな話を聞きたいのか?」参加の動機を話します。
その後、川中さんご自身の「ボランティア」という言葉に捉え方の変遷を横軸に、幼少からのライフストーリーをうかがいました。
小学校時代、川中さんが通う学校では、毎年テーマが決められ、そのテーマにかかわることをさまざまな教科で学びながら、テーマを深めていく「総合学習」の授業が行われていました。ブラジル・リオデジャネイロで開催される「地球サミット」を翌年に控えた1991年、川中さん5年生のときのテーマは「環境問題」。
「総合学習」の時間に近所の川の水を採取し、理科で水質を調べ、社会科では公害について学び、家庭科では使用済みの油から石けんを作り、国語では富山和子氏著作の「川は生きている」を読むなど、テーマと個々の授業が関連づけられていました。その過程で、川を汚している原因が一般家庭からの生活排水であることが分かります。「私たち市民が変われば川や海をきれいにすることができる」と気づいた川中少年は、友だち3人で「海を守る会」を設立し代表に。学園祭で大人相手に洗剤の良し悪しや廃油石けんの作り方などについて講義しました。
進学した“普通”の中学校は、川中さんにとって、小学校の授業とのギャップから「授業がおもんない!」うえに、意義の分からない校則がたくさんあります。納得のいかなかった川中さんは、さまざまな意見や“政策”の提言をタイプライターで打ち込み、神戸市や教育委員会に送りつけるという運動を展開。先生から「頼むから止めてくれ」と言われると、子どもの権利条約12条を持ち出して、意見表明権を主張するような中学生でした。こうして日本の教育の現場を変えるため、教員を志すようになります。
その後、山一證券の経営破たん、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、神戸連続児童殺傷事件など、これまで当たり前であったことが崩れていき、「自分」が問われる時代の中で過ごした高校生活。安定などないと感じながら「混乱の中でしか社会は変えられない、この時代に生まれたことには意味がある」と考えるようになります。そして、生徒が自主的に予算を動かし作り上げていく文化祭の企画・運営に携わることで、運動だけでなく、実践することの大切さを実感したそうです。
高校3年から大学にかけて、先輩の立ち上げた組織Brain Humanityを通じて、子どもたちが自分の中にある新しい感性に気づくためのキャンプのリーダーや、学びたいのに学校に行けない不登校児の教育に携わるうちに「先生じゃなくてもできる教育がある」ことに気づきます。そして、不登校児教育のための教育セミナーに出席したことが、はじめてのワークショップとの出会いでした。
2000年にBrain Humanityで初の学術イベントの責任者をつとめると、大学2年生にして、NPO法人格取得した同団体の副理事長に就任。また同団体にインターンとして来日した米国NPOスタッフから、教室で“学ぶ”ことと、ボランティアなど社会的活動の現場で“動く”ことをつなげたサービスラーニングについて知らされます。
これまでうさんくさいと考えていたボランティアこそ、社会変革の担い手となりうると思い直した川中さん。そして、日本の教育を変えるには、ワークショップやボランティアによる現場での実践が必要だと考え、お互いの理解を促進するファシリテーションについて学びたいと思い立ちます。当時の日本にファシリテーションにかかわる本はほとんどなかったので、自分が「この人はすごい」と思える人について勉強するようになり、ボランティア国際年にあたる2001年ファシリテーターとしてデビューしました。
その後、教育の研究のため、そして「広い世界を見る」ため、東京の大学院に進学しますが、そこでもさまざまなNPOの仕事を任されます。そのうちNPO業界の集まりや催しではどこに行っても同じ顔に会う「この業界の狭さ、ええんかな?」と危機感を感じ、次の担い手を育成するため、2003年シチズンシップ共育企画を設立。高校生へのユースACTプログラムなどを通じて、市民に「する」教育ではなく、市民に「なる」機会を提供しています。
続いて、大学コンソーシアム京都でのご経験や、大学教員、ファシリテーターとしてのさまざまなNPOやコミュニティの支援など、まさに八面六臂のご活躍を駆け足でお話しいだきました。こうした多彩なお仕事を「おもろいか」「社会に必要とされているか」どうかで受けていくという川中さん。今後のご活躍にも期待がふくらみます。
カフェ終了後の交流会では、
参加者同士の交流もたくさん見られ、日付が変わってもなかなか終わらない会をなりました。
このように、YouthVisionCafeではこれからも、社会に対する思いを持った人とのつながりを築ける場、ゲストや参加者の話を聞いてこれからの取り組みにいかせる場として、開催していきたいと思います。
次回も楽しみにしていてください。