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早川理恵子博士
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第7回太平洋島サミット2015年福島開催決定 [2013年10月31日(Thu)]
先般東京で開催された太平洋・島サミット第2回中間閣僚会合(the 2nd PALM Ministerial Interim Meeting : MIM2)で、第7回太平洋島サミット2015年が福島で開催される事が発表された。
会議の総括は外務省のウェッブで確認できる。(下記にリンク)

議事録を読むと海洋関係では
ー Rio+20に関連させ、Pacific Oceanscapeや他の太平洋の海洋政策の重要性が指摘。漁業資源管理への日本の貢献も期待。
ー 民主主義、人権、法による秩序に則った透明性、予測可能生、信頼性の醸成に関連し、UNCLOSを含む国際法を遵守しつつ、maritime security, maritime safety, 漁業資源管理、平和的紛争解決を含む海洋秩序の推進する事を確認。

以上の2項が確認できる。全体の議事録の中で多くを占めているとは言えないが、共同記者会見のニュースを見ると海洋の法的秩序が強調されている。過去の太平洋島サミットで「海」の問題がこれだけ明確に浮き彫りされた事はなかったと思う。

また、ツイッターやニュースの取り上げられ方を見ると、福島での開催という方に注目が集まっているようである。太平洋島嶼国は核実験の犠牲者でもある事を多くの日本人は忘れて、もしくは知らないのだろうか。
それに、日本の原発政策=戦後の対太平洋島嶼国政策という見方もできる。即ち、80年代の核の海洋投棄案と90年代から始まったプルトニウム輸送だ。

議長総括(骨子(PDF)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000018143.pdf
仮訳(PDF)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000018144.pdf
英文(PDF)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000018145.pdf
琉球大学主催「島と海」のシンポジウム [2013年10月30日(Wed)]
先のブログでご紹介した通り、10月27,28日と琉球大学主催「島と海」のシンポジウムに参加する機会をいただきました。
参加というのはコンセプト作りから、参加者の選定、しかも自分の発表までも含み、結構大変な作業になりましたが、海洋政策研究財団の寺島常務のご指導をいただきつつ、勉強させていただく貴重な機会でした。

琉球大学の大城肇教授とは、笹川太平洋島嶼国基金が90年代半ばに開始した、八重山、宮古を含む沖縄、奄美諸島との交流事業をきっかけにご指導をいただいております。
大城肇教授はこの4月に学長に就任され、大学の新たな方向性について、日本財団笹川会長、笹川平和財団羽生会長、海洋政策研究財団寺島常務との協議もされ、島嶼研究と海の課題が上げられていました。

今回のシンポジウムを総括する立場ではないので詳細は差し控えますが、当日は大城学長からご挨拶があり、元海洋研究所所長・元大気海洋研究所所長の西田睦副学長は終日御参加いただきました。
西田副学長とは立ち話ではありましたが島嶼研究に海洋問題は外せないのではないか、というようなお話もありました。西田副学長は研究戦略ご担当で、大学の新たな研究分野を開拓されるお立場です。

それから海上保安庁の方も数名参加いただき、鋭いご質問もいただきました。
第11管区海上保安本部は先にご紹介したOISTと海洋実験事業で協力関係もあるそうです。


大型台風が2つ同時に近づいて、どうなる事かと思いましたが、沖縄滞在は天気にも恵まれました。パラオ、ハワイ、オーストラリアからの参加者とは多くの話ができ、寺島常務とは海に関する面白い話をたくさん伺う事ができました。まだ消化しきれていませんが、少しずつここに書いていきたいと思います。

最後に藤田教授、豊見山和行教授はじめ、琉球大学国際沖縄研究所の皆様に大変お世話になりました。ありがとうございました。
OIST - SOEST 沖縄ーハワイを結ぶ海洋科学 [2013年10月29日(Tue)]
琉球大学主催の「島と海」のシンポジウム参加のために沖縄に来ています。

国際沖縄研究所の藤田陽子教授の依頼でコンセプト作りからお手伝いしましたが、実際は海洋政策研究財団の寺島常務のご指導をいただきなから、進めてきました。
寺島常務のアドバイスの一つが沖縄に2011年に開設された沖縄科学技術大学院大学- OISTとの連携。
OIST海洋生態物理学ユニットの御手洗教授と連絡が取れましたが、今回のシンポジウムには日程のご都合で聴衆者としてご参加いただきました。

それから、パネラーとして推薦させていただいた参加者の一人がハワイ大学海洋地球科学技術学部 - SOESTの学部長補佐クリス•オストランダー氏。
2008年にミクロネシア海上保安事業を立ち上げた際、米国の太平洋の動きを把握しておく必要があると思い、ウェエブ見つけたのがPacIOOSで、彼は当時この事業の責任者。今回のシンポジウムでは米国の海洋政策を話してもらいましたが海洋科学も彼の専門です。

昨日クリスを連れてOISTを訪問。噂には聞いていましたが、すごい建物です。

御手洗教授は、クリスが5年前に立ち上げた海洋モニタリングデータシステムPacIOOSの開発をまさに進めている最中で、スタッフの皆さん異常な熱気でクリスの2時間近い説明に聞き入っていました。
5年前、私がハワイを訪ね始めて説明を受けた時「ヘーすごい」と思っただけでデータの意味もわからず放っておいた事を何か罪深く感じてしまいました。

海洋科学分野はOISTの中でもっと進めなければいけない分野であると学長、副学長も普段から主張されているそうで、クリスは改めてOISTに招聘される事に。そしてOIST海洋生態物理学ユニットからもSOESTにスタッフが研修に行く事が協議されました。


島と海の問題は外からの視点、海外との協力やネットワークが必要、とこれも寺島常務のアドバイスです。
沖縄とハワイの海洋科学分野の協力、しかも対象は沖縄とハワイだけでなく、太平洋島嶼国もカバーした事業に発展する可能性も十分ありそうです。
OIST海洋生態物理学ユニットの皆さんには2015年に福島開催が決まった太平洋島サミットの主要議案は「海洋問題」である事をしっかりお伝えしておきました。
パラオと台湾 急接近? [2013年10月24日(Thu)]
パラオのニュース、インターネットのおかげで現地にいるがごとく入手できる。

一時、中国と台湾が太平洋島嶼国の奪い合いで大合戦を繰り広げていた時期があった。
馬政権になってから下火になった。

<参考>
知本温泉的南島考<台湾主催の島サミット延期>
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/13

で、現在太平洋島嶼国で台湾と外交関係があるのは下記の6カ国。
Kiribati
Marshall Islands
Nauru
Palau
Solomon Islands
Tuvalu

今月、パラオの大統領及び閣僚が台湾を公式訪問。
台湾から、通信インフラと遠隔医療の支援を受ける事なったようである。
日本がパラオに南洋庁本庁を置いた理由は、先に統治が進んでいた台湾との関係もあった想像する。
ミクロネシア3国、マーシャル諸島も台湾と外交関係を結んでいる。ミクロネシア連邦は一貫して中国本土である。

Palau President Takes Official Trip To Taiwan


Palau Partners Up With Taiwan To Upgrade Telecommunication


New System To Provide Real-Time Medical Assistance For Patients In Palau
http://www.oceaniatv.net/2013/10/17/new-system-to-provide-real-time-medical-assistance-for-patients-in-palau/
『南太平洋における 土地・観光・文化』白川千尋著 [2013年10月23日(Wed)]
フィールドワークを予定しているバヌアツの、同国政府からの許可がやっと取れ、今度は自分の大学の倫理委員会の審査に臨む事となった。ヤレヤレ。長い道のりだ。

それで思い出したのがずっと以前に購入した『南太平洋における 土地・観光・文化』
著者白川氏が過去協力隊で入っていたバヌアツの村に、再度伝統医療の研究で入ろうとした際、拒絶されたという経験を元に文化とは誰のものか、ということを議論した本。

笹川太平洋島嶼国基金は長年バヌアツの遺跡保護管理事業を支援してきたので、この本を購入した記憶がある。同事業の事が少し触れられている。
ほんの数行。その事業を実施したバヌアツ文化センターの動きは国に影響を与えていない、と記述してある。いったい何を根拠に、どのように影響を与えていなのか書いていないので、無責任な記述のようにも思える。
この本は日本語だが、英語で書かれていればバヌアツを知る学者に読まれ、某かの批判を得る事であろう。

バヌアツに限らず、太平洋島嶼国、アジア諸国でも調査に入る前にその国の政府、もしくはそれに準ずる機関(例えば博物館とか研究所)の許可を必要とする。

現地調査の倫理規定が厳しくなったのは、主に医学調査で血液やDNAを採取し、時に現地の人に被害を与えたり、採取したデータで新薬を開発し大きな利益につなげたり、と言った事が問題として取り上げた事がきっかけだったと思うが定かではない。

文化人類学は、そもそも西洋の植民地支配の延長線にあったという歴史を背負っている。
学問が発達し、「未開の野蛮人」は一方的な視点でしかく、相対的な視点が養われても、そこには某かのバイアスがかかってしまうだろうし、多くの伝統文化が違ったコンテクストで語られる事の危険は避けられない。

それを避けるには日本語だけではなく、広く読んでもらえる記述で、多くの批判を受けられるようにするしかないような気がしている。

特に小さな島国では、人類学者の記述が村や国に大きな影響を与えてしまう事もある。


『愛するということ』エーリッヒ・フロム [2013年10月22日(Tue)]
昔、心理学者の友人に薦められて買ったエーリッヒ・フロム著『愛するということ』
一度読んで、あまり印象に残らず本棚にあった。
フロムは『自由からの逃走』の方が印象に残っていつも自由について考える時に思いめぐらした。

アドラー心理学の本を探していたら本棚にあった『愛するということ』を見つけ、思わず週末の友にピックアプ。
今回は読み出したら止まらなかった。
読了後、友人数人に読め読め、と薦めている。

老荘思想が出てくるのだ。荘子と老子がアリストテレスと対極ある論理として引用されている。
フロムは鈴木大拙を招いてワークショップも行っている。

アリストテレス以来、西洋世界はアリストテレス哲学の論理に従ってきた。
その論理とは、同一律、矛盾律、排中律。
例として、以前このブログでも取り上げた「郡盲象を撫でる」が出て来る。
「正しい思考が究極の真理ではなく、したがって救いの道でもないとしたら、自分とは違う原理に到達したほかの人々と争う理由はない。」

西洋が宗教戦争で容赦なく殺し合いをしてきた歴史がなんとなく説明できるような気がしてきた。日本が、真言宗、天台宗、浄土宗と別れても殺し合いをするまでの教義の不寛容さはない。
そこには老荘思想がある、と知れば納得できるような気がする。

”何も知らない者は何も愛せない。”
パラケルスス

愛とは知る事。= Philosophy 
今年もKURUKURUの季節がやってきた [2013年10月19日(Sat)]
FFAからのニュースで今年もKURUKURU*の季節が来た事を知った。
(* KURUKURUはソロモン諸島で鳩の意味。下記参照)
http://www.solomontimes.com/news/what-is-the-kurukuru/2487


Forum Fisheries Agency.ソロモン諸島にある漁業資源管理を目的とした地域機関である。
フォーラム、とついているように、1977年South Pacific Forum(現PIF)のPNGの会議で、UNCLOSのadaptationと共にその設置が協議された事に始まる。翌年の1978年、ニウエにおけるSPF会議で設置が決定。1979年にソロモン諸島に設置された。
(参考文献 Albert Carlot, Peacesat Operations Coordinator Leslie J. Allinson, Computer Services Manager, The Regional Tuna Fisheries Information Service Using The Peacesat Network Presented, FFA Report 92/08, presented at Peacesat Policy Conference, Sendai, Japan, 25-29 February, 1992

70年代後半UNCLOSIIIの議論の中で小さな島国が広大なEEZを確保できるかどうか、という議論がされていた重要な時期である。


メンバー国もフォーラムとほぼ同じで豪州、NZが入っている。しばらく組織の長は暗黙の了解として豪州NZが交代で勤めていたが、島からの批判もあり、最近は島出身者が長でナンバーツーがオーストラリア人、といった形のようだ。

さて、このFFAの行う漁業管理。KURUKURUをはじめとする、Regional Surveillance Operationsが一つの目玉。
現在下記の5つのRegional Surveillance Operationsが実施されている。これを実質主導しているのが豪州海軍 − Royal Australian Nevy.
そしてこれを支える国際協力体制が豪NZ仏米のクアドの枠組み。(米は沿岸警備隊)

Operation Kurukuru,
Operation Bigeye,
Operation Island Chief,
Operation Rai Balang
Operation Tui Moana.

Operation Kurukuru,が先週17日まで10日間に渡って開催されたとのFFAからのメディアリリースである。
実施中 1042の船を確認。 (怪しい?)111に乗船。 そのうち1隻が違法船で、後はまだ調査中、とのこと。太平洋、全くの無法地帯なのだ。越境犯罪、いくらでもしてください、みたいな状態。

期待できそうなのは、豪州のPPBPが継続され、米国の予算は気になるものの太平洋への回帰を声高々に示している事。日本は?日本財団と笹川平和財団が進める「ミクロネシア海上保安事業」しか今のところない。だから米国海軍も米国沿岸警備隊も、最近は日本外務省も、高く評価しているのだ。

フランスの動きはどうか?仏領のニューカレドニアとタヒチに小規模ながら軍隊を置いている。
また、世界にちらばる仏領の島々は同国のEEZの97%近くを形成している。
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/280
フランス軍の興味深い資料もあったのでこれもサイトだけペーストしておく。
http://www.pecc.org/resources/doc_download/1918-maritime-surveillance-naval-and-air-surveillance


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FFA MEDIA RELEASE


Embargoed until Friday 18th October 2013, 8pm.

National participation key to success of fisheries surveillance operation: Kurukuru 2013 ends

FFA HQ, Honiara, SOLOMON ISLANDS, Friday 18th October 2013 – National surveillance efforts remain the key to the success of the region’s largest annual sweep of fishing vessels in Pacific waters. That’s been the major finding of Operation Kurukuru 2013, which this evening completed its tenth and final day since its launch on October 8th.

Operation Kurukuru 2013 resulted in a record 1042 vessels being sighted, 111 boardings, and one infringement so far, while others are pending ongoing investigation.

12 national Pacific class Patrol Boats, five military aircraft, and the 17 member countries of the FFA were involved in Operation Kurukuru 2013. The aircraft flew a total of 71hours and together with the patrol boats covered an area of 1,130,000 sq. nautical miles surveying the Exclusive Economic Zones (EEZs) of many of the Pacific Island Countries as well as adjacent high seas areas.

“As in previous years, we continue to rely on the Monitoring, Control and Surveillance efforts by individual FFA member countries in committing their resources to Kurukuru and sub-regional exercises,” says FFA Director-General James Movick.

“Air and sea support from Australia, France, New Zealand and the US provide a multi-million dollar essential backup to the surveillance operation that substantially increases our capacity to protect fisheries resources and complement very well the time and resources our own nations are prepared to put in.”

All FFA-member countries can access an FFA edited, web-based Regional Surveillance Picture via a secure log-in. It contains fishing vessel contacts, satellite data, surveillance flight plans and vessel patrol plans and indicators highlighting vessels of interest across the whole western and central Pacific region. This equips national headquarters with information and data to determine where best to send their patrol boats to; or where FFA-RFSC can provide backup aerial and surface surveillance support during the operations exercise.

Over time, information provided by FFA-RFSC in helping countries identify suspicious activities or vessels in their waters has vastly improved – but a key challenge is ensuring countries are able to make the most of the information provided and play their role in helping build the regional surveillance picture.

“We thank all those whose active participation and commitment in these exercises make it possible for us to send the strong message to vessels fishing in Pacific waters that they must adhere to their license rules,” says Movick. He noted the standout participation of smaller island FFA members such as Tuvalu in Kurukuru 2013; and the higher numbers of inspections in national ports during this year’s operation.

While the operation winds down today and tomorrow across the dateline, some patrol vessels already at sea will continue with their patrol plans before returning to their headquarters next week.

Kurukuru 2013 covered an area of approximately 30 million square kilometres - including the EEZs of Cook Islands, Federated States of Micronesia, Fiji, Kiribati, Marshall Islands, Nauru, Niue, Palau, PNG, Samoa, Solomon Islands, Tokelau, Tonga, Tuvalu and Vanuatu. Fisheries surveillance and enforcement staff from all of these countries worked together with their Quadrilateral Defence Cooperation counterparts from Australia, New Zealand, France and the United States over the two weeks of round the clock surveillance, data analysis, reporting and information-sharing. Australian Fisheries Management Authority and NZ National Maritime Coordination Centre also provided analysts to aid the operation in the Surveillance centre and ship-riders to work with Marshall Islands and Solomon Islands patrol boats.

Since its inception Operation Kurukuru has been planned, hosted and coordinated by the Pacific Island Forum Fisheries Agency Regional Fisheries Surveillance Centre (FFA-RFSC) at FFA HQ in Honiara, Solomon Islands.

Highlights of Operation Kurukuru 2013 include:

The establishment of a regional Analysis cell within the FFA-RFSC, to capture, analyse, process and disseminate vital intelligence to aid national HQs in better targeting;

The use of military reporting protocol to allow for accurate and timely delivery of the Regional Surveillance Picture to Defence HQs, aircraft and ships, and the return delivery of contacts back to the FFA-RFSC;

The performance of Tuvalu national HQ and their Patrol Boat TE MATAILI, who boarded every vessel within their 200NM Exclusive Economic Zone and met every reporting target, keeping the FFA-RFSC fully informed. –ENDS

ABOUT FFA:
The Pacific Islands Forum Fisheries Agency (FFA) strengthens national capacity and regional solidarity so its 17 members can manage, control and develop their tuna fisheries now and in the future. Based in Honiara, Solomon Islands, FFA's 17 Pacific Island members are Australia, Cook Islands, Federated States of Micronesia, Fiji, Kiribati, Marshall Islands, Nauru, New Zealand, Niue, Palau, Papua New Guinea, Samoa, Solomon Islands, Tokelau, Tonga, Tuvalu and Vanuatu. Since 1979, FFA has facilitated regional cooperation so that all Pacific countries benefit from the sustainable use of tuna – a multi-billion dollar resource important for many people’s livelihoods in the Pacific.

ABOUT REGIONAL SURVEILLANCE OPERATIONS:
In support of national and bilateral patrolling of vessels in Pacific waters, Operation Kurukuru is the largest of four major operations planned and run from the FFA Regional Fisheries Surveillance Centre each year, to help protect the region’s most precious commodity from poachers and illegal activities. All surveillance operations are planned and coordinated months in advance by a high-level team leader, Royal Australian Navy Commander Mike Pounder. The FFA-RSFC provides support 24 hours, seven days a week to FFA members’ national headquarters and the Australian, New Zealand, French and US surveillance headquarters to work collaboratively against Illegal unreported and unregulated fishing activities.
CSISのパラオレポート [2013年10月17日(Thu)]
先週、ワシントンD.C.にあるシンクタンクCSISから下記のレポートが出て、一瞬パラオが話題になったようである。色々な人から「読んだか?」とメールをいただいた。

Pacific Partners Outlook: Prioritizing Palau: Why the Compact Budget
Volume III | Issue 10 | 10th October, 2013
By Elke Larsen
http://csis.org/publication/pacific-partners-outlook-prioritizing-palau-why-compact-budget-matters

このブログをお読みの皆さんには、米国が多くの自国民を犠牲にして日本から勝ち取ったミクロネシア諸国を、過去ウン十年、少なくとも冷戦終了後の20年、その存在すら忘れていたような状態である事は重々ご存知と思います。

なので上記レポートに書かれている内容より、米国大手のシンクタンクがパラオの事を取り上げたという事の方が意味が大きい、と考えている。


ところで、政府機能が麻痺していた米国は本日10月17日、妥協案をまとめたという。
これがパラオに、自由連合協定を締結するミクロコスモス3国に、また米領のグアム、サイパン、米領サモア等々に(南極にも影響しています。)どのような影響が出るのか、わからない。

やっぱり、米軍迎撃ミサイル基地のあるマーシャルはともかくとして、少なくともパラオ、ミクロネシア連邦は日本との共同の自由連合協定を締結するのがよいと思うが。
Elke Larsen女史に提案してみよう。
元の木阿弥 PPBP [2013年10月12日(Sat)]
元の木阿弥* PPBP

今回のパラオ出張では、米豪の太平洋への動きを始め多くの貴重な情報を得ることができた。
その中で、豪州のPacific Patrol Boat Programの最新情報を豪州国防省からヒアリングでき、この情報はオープンであるとの確認が取れたのでこのブログで紹介したい。
多分このブログがPPBPを唯一フォローしているのではないか、と思う。問い合わせも多くいただくし。。

<元の木阿弥>
結論は、2008年頃からあーだこーだと、豪州政府内で議論して来たPPBPは元の姿のまま、ということだ。
1.燃料も人手も足りなく、ほとんど使用されていなかったパシフィックボートは、寿命が来たら廃止ではなくて、新たな同じ大きさの船に差し替える。もちろんコストエフェクティブ且つ最新整備にして。
2.ベルギン博士提案のリジョナルコーディネーションセンターは、ソロモン諸島のFFA内にセンターではなく、リジョナルコーディネーション機能を強化する形で設置する。例えばサモアのパトロールボートがメンテ中で使用でいない時、サモアの違法操業監視を隣国のパトロールボートで実施できるようなコーディネーションを強化。ニウエ条約の強化ですね。
3.上空からの監視はF-35 Joint Strike Fightersみたいなのではなく、現地の民間飛行機会社と契約し、実施する。一日2−3千ドルで済むそうだ。
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/758
4.権限を国境警備局に移行させようとしたのはとうとうあきらめて、結局国防省が管轄する。

この情報をいただいた国防省の方に、「元の木阿弥ですね」と言いたかったがこの英語を知らないので、go back to where it has started, と思わず返してしまった。


<パラノイアなダウンアンダー>
PPBPを巡る豪州政府の過去5年の経緯を、隅々まで知っている当方にとっては、感慨深い。
省庁間の縄張り争いは日本だけの事ではないんだなー、とか、多々学ばせていただいた。

2008年5月羽生会長がマーシャル諸島で太平洋の海洋安全保障をやるぞ!とのろしを上げたと同時、豪州海軍はPPBPなんてやってられません!海軍はお魚を守るためにあるのではありません!というレターを政府に出していた。後にこのような判断は国防省がするものではありませんでした、ごめんなさい、とのレターも出している。
まさにその時、笹川平和財団が太平洋の海洋安全保障に乗り出した、との噂がインターネットで即時に太平洋全域に流れ、日本が太平洋を乗っ取ろうとしている、という話になった。嘘みたいだけど本当の話。これ、豪州のパラノイア的リアクションを見た初めての経験。ダウンアンダーの豪州にとって日本て脅威なんです。いや世界第3位の経済大国が動く、というのはどこにとっても「脅威」なんだと思う。日本人にその認識がない事の方が問題のようだ。
しかし、肝腎の当方は、まだ何をやればいいのかも、何が現地で起っているのかも、皆目検討がつかない状況だったのだ。なんせ「走りながら考えよう。」の羽生式で始めたのだから。

羽生会長も私も米国の裏庭とばかり思っていたミクロネシア地域。冷戦終了後は豪州が唯一人で守っていた。仁義は米国に切ればいいだろうと思っていたのが大間違い。米国が豪州がウンと言わなきゃ了解できない、と言い出したので、慌ててキャンベラに仁義を切りに行ったのである。それからキャンベラ通いが始まった。

怪我の功名、とでもいうべきか、笹川平和財団が動き出したせいで、豪州政府の方向性が180度変わってしまった。PPBPは続けないけど新たな形で太平洋の海洋安全保障に関与して行きます、ということで、国境警備局を中心にスタディグループができたのである。


<軍事執行か、法執行か>
2009年頃、豪州国防省は太平洋の海上安全保障は法執行分野で、国防省は関与しない、と明確に述べていた。それで法執行を行う国境警備局にスタディチームができたが、国境警備局、国内の警備の経験はあっても海外経験ゼロ。国防省からも一人派遣されていたが、チームのあまりのひどさに彼は政府を辞めてしまうほどの深刻な状況であった。
それからキャンベラ訪問中の忘れられない経験。この国境警備局とアポを取って訪ねたところ、呼んでもいない豪州外務省が同席。そのうち当方の存在を無視して豪州の役人さんたちだけで侃々諤々とやり出したのだ。2−3時間は続いたと記憶している。他国の省庁間の争い、そんな簡単に傍聴できるもんじゃあない。貴重な経験でした。
その後国境警備局ではやりきれない、との判断が、多分外務省辺りからあって、国防省に主導権が戻された。それでも、国境警備局や連邦警察を前面にし、法執行を重点にという話だったと理解しているが、今回の情報では、もう国防省が行う、という事になったようである。
*1豪州国防省が法執行を行使する事の正統性は下記の"Fisheries Management Act 1991"を参照せよと国防省の方からご教示いただきました。

その背景には豪州の法執行局の海外経験の弱さの他に、米国の動きもあるのだと想像する。さらにその背景にある中国の台頭も。
キャンベル国務次官補のアイランドホッピングに随行したPACOMの司令官は太平洋島嶼国の海洋安全保障とは違法操業監視である、と喝破している。
米国ネービーが違法操業を取り締まるのである。加えてロックリア司令官は気候変動が最大の脅威とも言っている。
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/755
2011年には米豪同盟60周年を迎え、米豪協力も様々な形で過去数年強化されているし、状況は刻々と変化する。


<PPBPとUNCLOS>
このPPBPが立ち上がった背景には、太平洋島嶼国がUNCLOSを批准し、広大なEEZを保有した事がある。
1987年パプアニューギニアに最初のパトロールボートが供与されたのを皮切りに10隻のボートがフォーラムメンバー国に供与された。その後米国の裏庭のはずのミクロネシア諸国にも供与。
豪州のPPBPは太平洋島嶼国のEEZをどのように守るか、という議論の元祖的存在なのだ。
それから豪州が太平洋の違法操業取り締まりの基地としているのがソロモン諸島のFFA。FFAにはQuadの枠組み、即ち豪NZ仏の国防と米国の沿岸警備隊の4者協力体制もある。
日本がここにどのように関与していくか。肝腎の太平洋島嶼国の海洋領有権のあり方、主権の行く末も気になる所である。

*1  "Fisheries Management Act 1991"
http://www.austlii.edu.au/au/legis/cth/consol_act/fma1991193/index.html#s106
 Specifically you want to look at PART 6-SURVEILLANCE AND ENFORCEMENT
Section 83 - Appointment of Officers; and
Section 84 - Powers of Officers



*元の木阿弥
戦国時代の武将筒井順慶が、幼い時に父の順昭が病死した。
父の遺言によりその死を隠し、顔や声がよく似た木阿弥という盲人を薄暗いところに寝かせ、順昭がまだ寝床にいるかのように見せかけた。
その死は順慶が成人するまで敵に知られずに済んだが、順慶が成人した折に順昭の死を公表したために、木阿弥は用済みとなりもとの庶民に戻されたという故事によるものとされている。
http://kotowaza-allguide.com/mo/motonomokuami.html より
Media Coverage : Drone in Palau [2013年10月06日(Sun)]
先月末、パラオで行われた無人機による違法操業監視のデモンストレーション。
徐々にメディアに出て来ている。
この試みが良いか悪いかは別にして、小さな島国が、先端技術を、しかも海洋資源保護を目的に使用する試みは、少なくともニュース、ではある。
無差別殺人のイメージが強いドローンのイメージを変える可能性もある。



Palau Conducts UAV Demonstration Project
Oceania TV

Pacific’s Palau mulls drone patrols to monitor waters
Posted date: October 05, 2013
The Borneo Bulletin
http://borneobulletin.brunei-online.com.bn/index.php/2013/10/05/pacifics-palau-mulls-drone-patrols-to-monitor-waters/


Pacific's Palau mulls drone patrols to monitor waters
by Staff Writers
Koror, Palau (AFP) Oct 04, 2013
Terra Daily
http://www.terradaily.com/reports/Pacifics_Palau_mulls_drone_patrols_to_monitor_waters_999.html


Palau ends drone patrol tests to deter illegal fishing
Updated 5 October 2013, 0:40 AEST
By Sean Dorney for Australia Network
ABC Radio Australia
http://www.radioaustralia.net.au/pacific/2013-10-04/palau-ends-drone-patrol-tests-to-deter-illegal-fishing/1200348


Palau Ends Drone Patrol Tests To Deter Illegal Fishing
Updated: 09:56:06 PM, Thu 03 October 2013 America/Los_Angeles
http://www.news.net/article/542533/Health+%26+Science/


Palau Witnesses Unmanned Drone Demonstration
Drones hoped to help Palau conduct marine surveillance
By Aurea Gerundio-Dizon
KOROR, Palau (Island Times, Oct. 2, 2013)
http://pidp.eastwestcenter.org/pireport/2013/October/10-03-02.htm
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