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早川理恵子博士
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青蓮院のトトロの木 [2012年08月26日(Sun)]
京都に滞在するカリフォルニアの友人からメール届いた。
「青蓮院の前の大木の名前知っている?お寺の人に聞いたらkutzuと言われたわ。靴の木、みたいね。トトロの出て来る木みたいだから”トトロの木”と呼んでいるの。」
クツはきっと「楠」だろうと思って調べたらそうだった。友人の想像も大当たりで、トトロに出て来る大木は楠だそうだ。
「ビンゴ!あれはトトロの木よ。クツではなくてクスです。ウィキペディアによれば薬から来ているらしいけど。」

京都東山の青蓮院とその隣に知恩院。実は因縁の関係である。
天台宗の三門跡寺院である青蓮院は皇室との関係が深い。豊臣から徳川の時代に、ほぼ全域を取り上げられ、それが今の知恩院である。
皇室と武家の歴史の大きな流れの一つであろう。が、そこら辺の詳細はまだ知らない。

徳川家康の孫、後水尾天皇に嫁いだ東福門院の存在が青蓮院の運命を定めたようだ。
東福門院の二人の息子は夭折している。殺されたのかもしれない。
13世紀に移植されたという青蓮院のトトロの木ー楠は時代に翻弄された人々の姿をじっと見つめていたに違いない。

青蓮院と知恩院のちょうど境に花園天皇陵がひっそりとある。土日は門が閉ざされており、観光客お断り、という暗黙のメッセージのようにも思える。一度入らせていただいた事があるが、領地を奪われた皇室の怨霊が蠢いているような気がして再度訪れたいと思わなかった。

知恩院は法然上人800年大遠忌を迎え、大規模な改築が行われている。
他方青蓮院は楠に護られひっそりとしている。
ところで、知恩院の石段は映画「ラストサムライ」でトムクルーズが明治天皇に会いに行くシーンに使われている。これは隠されたメッセージ?皮肉?それとも単なる無知?
枝垂れない、しだれ桜 [2012年08月23日(Thu)]
ここに越した年に、キッチンの窓からの景色にしだれ桜が合うと思い、生まれて初めて桜の植樹を行った。
桜は神が降りて、その年の豊作を占う木である。

しかし、植えてから数年はあまり元気がなく、花も少ししか咲かない。
枝の下の方から新しい枝が生えて来たので、何回も切ったのだが、またすぐ生える。
きっと新らしい枝を伸ばす理由がこの桜にあるのだろうと、思いそのままにしておいた。

新しい枝はぐんぐん伸びて、あっという間に元の幹より太く、高く伸びてしまった。
先ほど庭に出たら、この幹から伸びた小枝に小さな木の芽が山ほど芽吹いていた。
花なのか、葉なのか。

問題は、しだれ桜のハズなのだが、新しい幹は全て天に向かって勢いよく伸びており、全く枝垂れる様子がない事である。

何はともあれ春が待ち遠しい。
PACOM [2012年08月22日(Wed)]
PACOM - ペイコム と読む。最初聞いた時は何かのオンライン決済かと思った。
さて、いよいよPACOMにも乗り込む事になった。

250px-United_States_Pacific_Command.png


世界最強の米国軍には統合軍(Unified Combatant Command: UCC)というのがあり、現在世界に下記の6つが展開している。その一つがPACOM - Pacific Commandである。

アメリカ北方軍(USNORTHCOM)- 北米担当
アメリカ中央軍(USCENTCOM)- 中東担当
アメリカアフリカ軍(USAFRICOM)- アフリカ担当
アメリカ欧州軍(USEUCOM)- 欧州担当
アメリカ太平洋軍(USPACOM)- アジア・太平洋地域担当
アメリカ南方軍(USSOUTHCOM)- 中南米担当

PACOMはハワイのキャンプスミスにある。創立年は一番古く1947年1月1日だ。同年3月15日にEUCOMがドイツに設置されている。(wikipediaより)

上記の6つの地域別統合群の他に下記の3つの機能別統合群もある。

アメリカ特殊作戦軍(USSOCOM)- 特殊作戦担当
アメリカ戦略軍(USSTRATCOM)- 核兵器と宇宙軍を統括
アメリカ輸送軍(USTRANSCOM)- 戦略輸送を担当

クリントン長官の太平洋の世紀、パネッタ長官の太平洋シフトのステイトメントの以前より、PACOMの増強、拡大は展開していた。
このPACOMも巨大な組織なようだ。今回の面談者は9つある組織の9番面、Pacific Outreachに所属する。PACOM自身もまだどれだけ拡大するのか、見えない部分が多いらしい。

J0 Special Staff
J1 Manpower and Personnel
J2 Intelligence
J3 Operations
J4 Logistics
J5 Strategic Planning & Policy
J6 Communications Systems
J7 Training & Exercises
J8 Resources & Assessment
J9 Pacific Outreach


ハワイには米国連邦政府の主要な機関が2つある。このPACOMとハワイ大学内にある東西センターである。オバマ大統領とクリントン長官のハワイ訪問には必ずこの2つの組織が入っている。
 
ハワイ大学内にある東西センターは毎回訪ねており今回も訪ねた。ハワイ大学の研究所、と誤解している人が多いようだが国務省が管轄している。クリントン長官の太平洋政策の拠点である。そしてケネディの、冷戦の遺産でもある。
クリントン長官の指名で新たな理事が指名され、5名のうち2名が太平洋島嶼国専門家となった。冷戦終結後、同センター内での島嶼部門は冷遇されてきた。大きな変化である。

PACOMに乗り込む前に、実は2年前キャンプスミスにに拉致された経験がある。今度はこの事を書きたい。
笹川会長の親戚か、羽生会長の? [2012年08月21日(Tue)]
ポジション、というのをあまり気にした事がない。
20代で国際機関の事務局長とか、全国組織の副会長、と言ったポジションに就かせていただいたせいかもしれない。面白い経験だったが結構大変な思いをした。

今回の米国出張で米国連邦政府とSPFUSAの方から「あなたはどのようなポジションでミクロネシア海上保安事業に関わっているのか?」と聞かれた。
なにやら日本当局から、あいつは笹川会長の親戚か何か、羽生会長とは特別な関係にある、と米国連邦政府に伝わっているらしい。

「んんん、笹川ファミリーとは6万年前にアフリカ大陸で血がつながっていた事は間違いありませんが、ここ数百年、数十年の親戚血縁関係はない、と思います。」
「特別な関係とは”ガールフレンド”とかでしょうかあ?評価されるのは美貌のせいか、と自分でも悩んだ事はありますが、どうも違うようです。愚夫にも確認したところ明確な返答をもらえませんでした。羽生会長からは仕事ができると褒めていただいておりますが、当方の知らないところで批判している、と親切な方が教えくださいました。特別といえば、特別かもしれません。しかし業務目的もなく出張に出すほど財団に予算的余裕はないと思いますが。」

以前、産經新聞の論説委員で笹川太平洋島嶼国基金運営委員もしている千野境子さんからアドバイスを受けた事がある。「自分がやっている事は言わないで、全て上司の手柄にしないさい。」
それであまり言わないようにしていたが、あまりの唐突な質問に適切な答えが見つからず、焦って自分の業績を洗いざらいバラしてしまった。

「島嶼国基金では第1次事業ガイドライン以来自分が作成してきました。過去20年で延べ150件位の事業をこなしてきました。最近は大学生用の教科書も書いたんですよ。ミクロネシアの地域協力枠組み形成は2つ目の修論に書いた結論の一つなんです。本事業をミクロネシアの枠組みで立ち上げたのは当方の意見です。大統領サミットを活用することも当方の意見です。さらに元首相のカードを使う案も当方の意見でした。意見だけでなくそのように動くよう利害関係者との調整もやっています。日本だけではありません。USCGのアレン前司令官に本事業を支持するコメントを出させたのも当方なんですよ。豪州の動きをきちんと把握し、利害調整をしているのも当方です。今年の島サミットの議案に米国と海洋問題を入れるよう提案したのも当方です。
 この事業は船を支援する事が目的ではありません。日本が太平洋の安全保障にどのように関わるか、特に太平洋を巡る日米同盟が、豪州も加えた形でどのように展開する事ができるか。戦後の日本の歪んだ安全保障体制のChallenge for Changeなんです。2008年にPACOMのキーティング司令官のコメントに反応した笹川会長の太平洋共同体論がfoundationなんです。もっと言うと、APEC創設者の一人大平首相はOcean Communityと言っていたんです。でも今まで日本はOceanやislandsに真剣に取り組んで来なかった。」
「わかった、わかった。まあ、そこまで考えは及ばないが。」
「目の前の事業を進めるために遠くにビジョンを置く事は必要ですヨ!」
他国の政府職員を叱咤激励した。

ここまで言うと相手はぐうの音も出なくなり、そうか、そうだったのか、と納得してくれたようだ。
「血縁」と「美貌」の誤解は解けたようだ。
とは言え、今のところ誰も完全否定していない「美貌」も少しは役に立っているかもしれないという希望は捨ててはいない。

第2節 公海における生物資源の保存及び管理 [2012年08月12日(Sun)]
UNCLOS - 国連海洋法条約にありました。
米国の79隻を含む140隻がWCPFCの旗で公海の違法操業を管理する拠り所。
島嶼国のEEZはシップライダーズ協定でカバーするので、これで太平洋のEEZと公海はPACOMが、いや米国が完璧にカバーする事になる、という話だと想像しています。

メモとして下記にペースとしておきます。


第2節 公海における生物資源の保存及び管理

第116条  公海における漁獲の権利
 すべての国は、自国民が公海において次のものに従って漁獲を行う権利を有する。
a 自国の条約上の義務
b 特に第63条2及び第64条から第67条までに規定する沿岸国の権利、義務及び利益
c この節の規定

第117条  公海における生物資源の保存のための措置を自国民についてとる国の義務
 すべての国は、公海における生物資源の保存のために必要とされる措置を自国民についてとる義務及びその措置をとるに当たって他の国と協力する義務を有する。

第118条  生物資源の保存及び管理における国の間の協力
 いずれの国も、公海における生物資源の保存及び管理について相互に協力する。2以上の国の国民が同種の生物資源を開発し又は同一の水域において異なる種類の生物資源を開発する場合には、これらの国は、これらの生物資源の保存のために必要とされる措置をとるために交渉を行う。このため、これらの国は、適当な場合には、小地域的又は地域的な漁業機関の設置のために協力する。

第119条  公海における生物資源の保存
 1   いずれの国も、公海における生物資源の漁獲可能量を決定し及び他の保存措置をとるに当たり、次のことを行う。
a 関係国が入手することのできる最良の科学的証拠に基づく措置であって、環境上及び経済上の関連要因(開発途上国の特別の要請を含む。)を勘案し、かつ、漁獲の態様、資源間の相互依存関係及び一般的に勧告された国際的な最低限度の基準(小地域的なもの、地域的なもの又は世界的なもののいずれであるかを問わない。)を考慮して、最大持続生産量を実現することのできる水準に漁獲される種の資源量を維持し又は回復することのできるようなものをとること。
b 漁獲される種に関連し又は依存する種の資源量をその再生産が著しく脅威にさらされることとなるような水準よりも高く維持し又は回復するために、当該関連し又は依存する種に及ばず影響を考慮すること。
 2   入手することのできる科学的情報、漁獲量及び漁獲努力量に関する統計その他魚類の保存に関連するデータは、適当な場合には権限のある国際機関(小地域的なもの、地域的なもの又は世界的なもののいずれであるかを問わない。)を通じ及びすべての関係国の参加を得て、定期的に提供し、及び交換する。
 3   関係国は、保有措置及びその実施がいずれの国の漁業者に対しても法律上又は事実上の差別を設けるものではないことを確保する。

第120条  海産哺乳動物
 第65条の規定は、公海における海産哺乳動物の保存及び管理についても適用する。

− - −
第六十三条 二以上の沿岸国の排他的経済水域内に又は排他的経済水域内及び当該排他的経済水域に接続する水域内の双方に存在する資源
1 同一の資源又は関連する種の資源が二以上の沿岸国の排他的経済水域内に存在する場合には、これらの沿岸国は、この部の他の規定の適用を妨げることなく、直接に又は適当な小地域的若しくは地域的機関を通じて、当該資源の保存及び開発を調整し及び確保するために必要な措置について合意するよう努める。
2 同一の資源又は関連する種の資源が排他的経済水域内及び当該排他的経済水域に接続する水域内の双方に存在する場合には、沿岸国及び接続する水域において当該資源を漁獲する国は、直接に又は適当な小地域的若しくは地域的機関を通じて、当該接続する水域における当該資源の保存のために必要な措置について合意するよう努める。

第六十四条 高度回遊性の種
1 沿岸国その他その国民がある地域において附属書1に掲げる高度回遊性の種を漁獲する国は、排他的経済水域の内外を問わず当該地域全体において当該種の保存を確保しかつ最適利用の目的を促進するため、直接に又は適当な国際機関を通じて協力する。適当な国際機関が存在しない地域においては、沿岸国その他その国民が当該地域において高度回遊性の種を漁獲する国は、そのような機関を設立し及びその活動に参加するため、協力する。
2 1の規定は、この部の他の規定に加えて適用する。

第六十五条 海産哺乳動物
この部のいかなる規定も、沿岸国又は適当な場合には国際機関が海産哺乳動物の開発についてこの部に定めるよりも厳しく禁止し、制限し又は規制する権利又は権限を制限するものではない。いずれの国も、海産哺乳動物の保存のために協力するものとし、特に、鯨類については、その保存、管理及び研究のために適当な国際機関を通じて活動する。

第六十六条 溯河性資源{溯にサクとルビ}
1 溯河性資源{溯にサクとルビ}の発生する河川の所在する国は、当該溯河性資源{溯にサクとルビ}について第一義的利益及び責任を有する。
2 溯河性資源{溯にサクとルビ}の母川国は、自国の排他的経済水域の外側の限界より陸地側のすべての水域における漁獲及び3(b) に規定する漁獲のための適当な規制措置を定めることによって溯河性資源{溯にサクとルビ}の保存を確保する。母川国は、当該溯河性資源{溯にサクとルビ}を漁獲する3及び4に規定する他の国と協議の後、自国の河川に発生する資源の総漁獲可能量を定めることができる。
3(a) 溯河性資源の漁獲は、排他的経済水域の外側の限界より陸地側の水域においてのみ行われる。ただし、これにより母川国以外の国に経済的混乱がもたらされる場合は、この限りでない。排他的経済水域の外側の限界を越える水域における溯河性資源の漁獲に関しては、関係国は、当該溯河性資源に係る保存上の要請及び母川国のニーズに妥当な考慮を払い、当該漁獲の条件に関する合意に達するため協議を行う。
(b) 母川国は、溯河性資源{溯にサクとルビ}を漁獲する他の国の通常の漁獲量及び操業の形態並びにその漁獲が行われてきたすべての水域を考慮して、当該他の国の経済的混乱を最小のものにとどめるために協力する。
(c) 母川国は、(b) に規定する他の国が自国との合意により溯河性資源{溯にサクとルビ}の再生産のための措置に参加し、特に、そのための経費を負担する場合には、当該他の国に対して、自国の河川に発生する資源の漁獲について特別の考慮を払う。
(d) 排他的経済水域を越える水域における溯河性資源に関する規制の実施は、母川国と他の関係国との間の合意による。
4 溯河性資源{溯にサクとルビ}が母川国以外の国の排他的経済水域の外側の限界より陸地側の水域に入り又はこれを通過して回遊する場合には、当該国は、当該溯河性資源{溯にサクとルビ}の保存及び管理について母川国と協力する。
5 溯河性資源{溯にサクとルビ}の母川国及び当該溯河性資源{溯にサクとルビ}を漁獲するその他の国は、適当な場合には、地域的機関を通じて、この条の規定を実施するための取極を締結する。

第六十七条 降河性の種
1 降河性の種がその生活史の大部分を過ごす水域の所在する沿岸国は、当該降河性の種の管理について責任を有し、及び回遊する魚が出入りすることができるようにする。
2 降河性の種の漁獲は、排他的経済水域の外側の限界より陸地側の水域においてのみ行われる、その漁獲は、排他的経済水域において行われる場合には、この条の規定及び排他的経済水域における漁獲に関するこの条約のその他の規定に定めるところによる。
3 降河性の魚が稚魚又は成魚として他の国の排他的経済水域を通過して回遊する場合には、当該魚の管理(漁獲を含む。)は、1の沿岸国と当該他の国との間の合意によって行われる。この合意は、種の合理的な管理が確保され及び1の沿岸国が当該種の維持について有する責任が考慮されるようなものとする。

US Pacific Shift - US protect our fish? [2012年08月07日(Tue)]
 今回の米国出張は、パネッタ長官のシャングリラダイアローグやUNCLOSに関連するスピーチが実際にどのように太平洋の海洋安全保障に反映しているのか、いないのか、というクエスチョンを用意していた。
(以前クエスチョンを疑問と訳して書いたら、防衛大学の教授さんに「疑問」をネガティブな意味で理解されメールをいただいた。当方が漁業監視への軍事介入にネガティブな意見を持っていると誤解されたようなので、クエスチョンのままにしておきます。海軍の役割については後述。)

 このブログには断片的にしか書けないが、HSB&Iという監視制度に大きな動きがあったので書いておきたい。
 HSB&Iって知ってますか? High Sea Boarding & Inspection の頭文字である。
 誰のモノでもない公海の管理、というのがUNCLOSで確か唱われているハズである。(要確認)確か国際機関が、国際協力で行う、といような内容であった、と記憶しています。
 当方が米国に足を踏み入れたとたん、キャンベル国務次官補はまたアイランドホッピングの旅に出かけるし、米国沿岸警備隊は”新たに59隻”のHBS&Iの船舶をWCPFCに登録。米国の「太平洋シフト」ーここぞとばかりに見せつけられたような思いであった。

 面会相手はこの分野のプロである。当方が「へっ?」という顔をしていると、「しょうがねーなー」という表情でHSB&IがHigh Sea Boarding & Inspectionであること、つい数日前に米国が新たに59隻追加申請した事。しかもその船籍名はWCPFCのリストにあるけどどんな船か(海軍か沿岸警備隊か、マリーンか)名前だけなので一見わからないんだよ、と教えてくれた。太平洋のUSCGが所有する船舶は7−8隻しかない。つまり90%が軍の船舶である可能性もある。

 ホテルに戻ってウェッブで探すとありました。下記の表とグラフにまとめてみました。
 

HSBIWCPFCtable.png

HSBIECPFCgraph.png

Both table and Graph made by R. Hayakawa based of WCPFC website.
http://wcpfc.int/high-seas-boarding-inspection


これから勉強しなければならないクエスチョンズ。
1.HSB&Iとは何か。これはグリーンピースの花岡先生にお聞きしたい。多分WCPFCの事を日本で一番理解していらっしゃる方、だと思います。
2.公海の管理について。どうやら米国は公海でのお魚管理を口実にPacific Shiftをしている様子が見受けられる。
3.「北太平洋における公海の漁業資源の保存及び管理に関する条約」というのがあって、今のところ米国だけが署名しているのだそうだ。
4.上記の表とグラフを見ていただきたい。今回米国が申請した船が59隻。60日後誰からも文句がなければ59隻は行動可能となる。先に20隻が登録してあるので全部で79隻。全体の140隻中79隻というのは大きい。56%だ。
5.中国の船が一隻もない。なぜか?中国政府に聞け、と言われたのですが、もし中国政府の方、もしくは関係者がこのウェッブをご覧になったらご教示ください。
6.NZ豪、仏が船をたくさん出すのは理解できる。台湾の登録数がこの3カ国に並んでいる。なぜか?
7.日本はたった2隻。やっぱりお魚を守ろう、なんて意識はないのだろうか?水産庁次長 宮原正典氏はかつて監視船をパラオに出す案を持っていらしたが。
8−1。米国の太平洋シフトってお魚を守るって話かしら?それって軍事行動のための口実?それとも海軍のメタモルフォーゼ?
8−2。50対50が60対40の割合で米国の軍事力がシフトされる。でも太平洋に戦争の火種は今のとことないから海洋資源管理を口実にしているのでは?
8−3。それでクリントン長官とパネッタ長官が急にUNCLOS推進派になって「UNCLOSを批准すると儲かりまっせー。」と言い出したのだろうか?数年前にホワイトハウス主導で作成されたオーシャンポリシーの立役者、NOAAのルブチェンコ長官は干されているらしい。
8−4。漁業監視が口実ではない理由として海軍とは何か?というクエスチョンをどこかで議論しなければならない。かつて海軍は軍事だけでなく、外交、商務、法執行、科学(天文学から文化人類学まであらゆる分野)とマルチタレント軍団であった。フランシスドレイク等エリザベス女王の僕であった海賊もいる。(詳しくは拙著『ラテンアメリカ・オセアニア (世界政治叢書) 』をご参照ください。)海軍が軍事に特化したのはいつごろからであろう?
8−5。ポッセコミテタスが鍵。これを知っている日本人は多分数人しかいない。安全保障専門家なる人に聞いても誰も知らないのだ。違法操業取締で運行される船舶が軍隊のものである場合、この市民戦争(南北戦争)の遺産としてできた法律によって、必ず沿岸警備隊かNOAAの法執行官が乗船する事になっているそうである。

クエスチョンズは尽きない。
このテーマは順次勉強し、逐次ブログにアップさせていただきますのでよろしくご指導、ご教示くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
キャンベル国務次官補、再びアイランドホッピング [2012年08月04日(Sat)]
キャンベル国務次官補が再びアイランドホッピングの旅に出かけている。
今回は国務次官の他にPacific Fleet Commander Admiral Cecil Haneyの2人が代表。他にJeff Prescott, Special Advisor for Asian Affairs at the Office of the Vice President, Gloria Steele, USAID Mission Director for the Philippines and the Pacific Islandsが同行。
 8月1ー7日の予定である。
 2回目となった米国連邦政府の合同チームの太平洋島嶼国訪問は年次行事であり、米国と太平洋島嶼国の持続的、繁栄で平和な未来へのコミットメントである。

 トンガ、キリバス、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、パラオ、パプアニューギニア、ソロモン諸島を訪問し、リジョナル及び2国間で対処すべき、安全保障、気候変動問題等グルーバルな課題を含むテーマを議論する。
 一行は第2次世界大戦70周年記念行事の参加。各国で行われている米国の支援活動(医療支援、環境保護、女性のエンパワーメント)も視察し、8月7日にワシントンDCに戻る予定。

以上、国務省のプレスリリースより。
Travel to the Pacific Islands
Media Note, Office of the Spokesperson, Washington, DC
July 27, 2012
http://www.state.gov/r/pa/prs/ps/2012/07/195616.htm
パラオオリンピックへ [2012年08月03日(Fri)]
ジェニファーさんは初戦敗退。
でもカッコイイ。

早くパラオに帰って、再開したい、というメールをいただきました。

Anson falls quickly to Mongolian
Aug. 1, 2012、Guam PDN
http://www.guampdn.com/article/20120801/SPORTS/208010319/Anson-falls-quickly-Mongolian?odyssey=nav%7Chead
軍隊がお魚を護る意味(2) [2012年08月03日(Fri)]
先に掲載した「軍隊がお魚を護る意味」について、うっかり忘れていた”越境犯罪”について追加した。
違法操業の漁船を監視する意味は、不法にお魚を獲っている事だけではない。こういった漁船があらゆる越境犯罪の基地、温床になっているのだ。

これに関するPACOMの興味深い活動を示すパワーポイント資料を発見!
米国もお魚は軍隊が護る様になるのだろうか?
米国のEEZは沿岸警備隊、との事であったが。

USPACOM Environmental Security Program
Environmental Security Conference
Kansas University
Chris Sholes, Environmental Specialist, U.S. Pacific Command
April 2012
http://www.continuinged.ku.edu/programs/environmental_security/presentations/pdfs/2012-04-23-0920-Sholes-PACOM.pdf