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早川理恵子博士
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ミクロネシア連邦新大統領はポナペから [2015年05月11日(Mon)]
ミクロネシア連邦の大統領、副大統領、議長が本日決った。

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Presidency Peter Christian, (Pohnpei State)

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Vice. President Yosiwo George (Kosrae State)

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Speaker Wesley Simina (Chuuk State)
FSM連邦政府, ポンペイ州知事を刑事訴追 [2015年05月04日(Mon)]
ミクロネシアを襲った超大型台風メイサークのニュースを探していた時に見つけたニュースである。
在ミクロネシア、日本大使館が発行しているミクロネシア情勢(2015 年 3 月分)。

連邦政府がポナペ州知事を「司法妨害及び国家侮蔑」のかどで刑事訴追した、というのだ。
ポンペイ港湾公社内の水産加工施設使用権を巡る係争で、連邦政府の指示を州政府が無視したのが理由のようである。
すぐに頭に浮かんだのが、昨年末日本のニュースにもなった日本のカツオ漁船拿捕の話だ。スキリング司法長官の行き過ぎた取り締まりによって、漁船が全くミクロネシアに寄り付かなくなり、ポナペ州の港湾収入だけでなく、経済全体がガタガタになってしまっているのだ。
ポナペ州知事の連邦政府の怨念を想像しないわけにいかない。

例外的な長期政権を握ったモリ大統領。この5月で退任のはず。
最後はモリ大統領出身地のチューク州分離独立運動だけでなく、台風メイサークの被害まであった。
日本のカツオ漁船の裁判は確か4月の予定だったと思うが結果はどうなったのであろうか?


- - - - - - - - ミクロネシア情勢(2015 年 3 月分) から- - - - - - - -
連邦政府,エーサ・ポンペイ州知事を刑事訴追

ポンペイ港湾公社内の水産加工施設使用権にかかる中国企業ルエン・タイ社
とポンペイ州政府を当事者とする民事訴訟は,2013 年 2 月以降係争中であった が,16 日,ポンペイ州政府側はポンペイ港内のルエン・タイ社関係者を閉め出し,関連施設の錠前を全て別の錠前に付け替える措置をとるに至った。
2013 年 1 月 9 日,ポンペイ州政府は Miju Mulsan 社(韓国系)にポンペイ漁業公社の水産加工施設を引き渡すよう書面により指示,同加工施設の使用権を主張するルエン・タイ社側と法廷での争いとなっていた。
最高裁判所側は,連邦政府警察当局の同水産加工施設への立ち入りを指示, 係争中の事案が終結するまで現状維持を確保するよう手配済みであったが,エ ーサ州知事が,「連邦政府警察がポンペイ港に立ち入ることを許可しない」とのメモを州警察側に出していたことから,連邦政府とポンペイ州政府との関係に亀裂生じていた。 かかる状況下で,最高裁判所はエーサ州知事に司法妨害及び国家侮蔑のかどで証人としての出頭を正式に命じ,12 日裁判所内で陳述を行うこととなったが, エーサ州知事が代理法廷人の指名手続きに時間を要しているとして一時延期さ れた。
パラオ海洋保護区の進捗 [2015年05月01日(Fri)]
レメンゲサウ大統領が掲げる「海洋保護区」しかも100%の商業漁業禁止を目指している。
政権発足と共に御旗に掲げ、世界のセレブ、ビリオネラー、プロパンガンダ環境組織を味方に前進してきた。
パラオ議会が一向に審議に入らないのに業を煮やして、若者の支持を集め、いよいよ国民投票で決める、と大統領言い出したようだ。

"Palau President prepared to call referendum on marine sanctuary plan"
Updated 20 April 2015, 17:40 AEST
http://www.radioaustralia.net.au/international/radio/program/pacific-beat/palau-president-prepared-to-call-referendum-on-marine-sanctuary-plan/1438684


ところが事態は意外な展開に。

漁業資源管理地域組織のPNAトップが、始めて正式なコメントを、パラオ政府の要請を受け発表した。
商業漁業禁止にした場合パラオに割り当てられているVessel Day Scheme (VSD)を他国に販売する事は理論的に考えられない、としている点は、今までレメンゲサウ政権が国民に説明してきた内容と異なる。

パラオの海洋保護区案に対するPNAの回答
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/1176


本件について、パラオのジャーナリストの下記のコメントでは、レメンゲサウ案は世界の国が支持してきた、と述べているのだ。
これは違う。PNA, FFA以外にも日本政府を始め関係諸国、支持はしていない。
支持しているのはPEWとお金持ちとセレブだけだ。(それと軍需産業関係者。)

情報が、明らかに操作されているとしか思えない。

Palau President not prepared to let PNA boss derail marine sanctuary scheme
Updated 27 April 2015, 11:24 AEST
http://www.radioaustralia.net.au/international/radio/program/pacific-beat/palau-president-not-prepared-to-let-pna-boss-derail-marine-sanctuary-scheme/1440598
ミクロネシアメイサーク台風災害と日本の支援 [2015年04月29日(Wed)]
2015年3月27日から4月2日にかけて、ミクロネシアのチューク州とヤップ州の離島を襲った台風メイサークの被害は日本で殆ど報道されていないと、聞いています。

大型サイクロンの被害を受けているバヌアツに比べ、出て来る情報が極めて少ないのですが、Facebookの方で少しずつ、継続して情報をアップしています。

ミクロネシア台風Maysak情報局
https://www.facebook.com/groups/355700391307393/




その中で気になったのが日本の支援。
浄水器55台 と ポリタンク870個

重要な支援とは思いますが、「地味」では?と余計な心配をしていました。
しかし、米国政府の支援物資が本格的に動く中で、それを運んでいるのが日本が供与した船であることを昨晩発見し、これは日本・ミクロネシア連邦の関係にとっても、また日米協力という視点からも重要なので,もっと大々的に広報してよいのではないかと思いこのブログにも書かせていただきます。

下記の写真は、在ミクロネシア連邦の米国大使館FBからです。
USAIDと書かれた支援物資の後ろに控えている船「Caroline Voyage 号」は1998年に日本のODA(約10億円)で供与されたものでした。

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しかも、日本政府は供与しただけでなく、フォローアップもしています。
あまり書きたくありませんが、島嶼国では海外から供与された船舶のメンテが必ずしもしっかりできていません。だからこそ、日本財団が供与した監視艇は10年の燃料費とメンテ付きという画期的内容で、米豪に舌を巻かせました。

JICA donates over USD $500,000 in Materials to the FSM Government for the MS Caroline Voyager
http://www.fsmgov.org/press/pr10221a.htm



加えて、4月24日には、日本のODAで2隻目のミクロネシア連邦を結ぶ貨客船 MV Four Windsが寄贈され、ポナペでセレモニーが行われました。

Mariana Varietyにその記事があります。
坂井大使が「FSM憲法前文にある”人々を結びつける”という精神を、日本は、またこのMV Four Windsが支援したい。」と語っています。これは昨今のチューク州分離独立の動きを知っていると非常に意味の重いコメントです。

"Japan turns over sea vessel to FSM"
Mariana Variety 29 April 2015
http://www.mvariety.com/regional-news/76305-japan-turns-over-sea-vessel-to-fsm

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パラオの海洋保護区案に対するPNAの回答 [2015年04月23日(Thu)]
パラオの海洋保護区案に対するPNAの回答。
かなり手厳しい内容だと思うが、ちょっと専門家の意見を伺ってからコメントしたいと思います。

が、
ポイントは全面商業漁業禁止にした場合、その収入はどうするのか?という問いに対し、今まで通りVDS(Vessels Day Scheme)を販売できる(実際はパラオEEZ外で操業)と説明していたが、PNAはそんな非論理的な事はありない、と書いてあるのだと思う。

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オバマ大統領タスクフォース違法操業・不正水産品撲滅行動計画発表 [2015年04月08日(Wed)]
バヌアツのサイクロンPAM、チューク、ヤップの台風Maysakを追いながら、はやりパラオの件は気になっていた。

そんな中、「オバマ大統領タスクフォース違法操業・不正水産品撲滅行動計画発表」の記事が3月15日付けで出されているのを見た。
これを受けて、ミクロネシアの米国大使館やUSCGが動き出しているのだ。

Combating Illegal, Unreported, and Unregulated Fishing and Seafood Fraud
DIPNOTE, POSTED BY DAVID A. BALTON
MARCH 15, 2015
http://blogs.state.gov/stories/2015/03/15/combating-illegal-unreported-and-unregulated-fishing-and-seafood-fraud

太平洋にメガ海洋保護区を制定すると昨年発表したオバマ大統領。まさかここにも海洋保護区が入っているのだろう?とドキドキしながら読んだが、海洋保護区の「か」の字も書いていない。
昨年のケリー長官の様子を見ると、国務省もデカプリオまでもがPEWに丸め込まれているようだったので少々不思議に思ったがこのタスクフォースには商務省も入っているのである。

記事には
 − a win for fishers, fish, and consumers. ー
漁師、お魚、そして消費者の勝利を目指して!

とある。

PEWではないのだ。即ち環境保護原理主義者の姿が消えている。
カワイイ鮫さん、鯨さん、海豚さんを守りましょう、ではないのだ。

記事には米国水産業が2013年には5.5 billion USD、およそ6千億円の利益を生み出し、5千万人以上の雇用を世界で生み出し、 さらには数十億の人々の食料となっている事を強調している。
これもPEWのプロパンガンダ路線とは全く異なる。

米国も流石にプロパガンダに気づいたか?



では、メガサンクチュアリでなくどのようにして漁業資源を守るのか。

TPPを含む国際協定やPort State Measures Agreement ー寄港国措置協定強化の2点をあげている。
シツコイようですが、メガサンクチュアリではありません。

加えて不正取引を防止するためのトレイザビリティーの強化も。

これであれば、日本の水産行政とも一致し、日米の協力分野が多くなるであろう。
私は島サミットの事を言っているのである。

そして、このタスクフォースの行動計画を受けて、ミクロネシア諸国の関係者を集めた会合が米国大使館や沿岸警備隊、米国海軍も含めキックオフされたのであろう。
そして、これが本来のミクロネシアと米国の自由連合協定の関係であるようにも見れる。

On March 17, 2015, a multi-lateral conference was held on Guam regarding increasing Illegal, Unregulated and Unreported...

Posted by US Embassy Koror on 2015年4月7日


台風Maysak ミクロネシアの被害状況 [2015年04月01日(Wed)]
バヌアツのサイクロンばかりに気がとられていましたが、
ミクロネシアにバヌアツを襲ったパムと同じ規模のマイサークMaysakが通過。
チュックでは80−90%家屋崩壊、5名の死者、とのニュースもある。

しばらくFacebookの方で公開にして追っていきます。
海上保安庁巡視船「あきつしま」パラオ入り [2015年03月05日(Thu)]
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海上保安庁巡視船「あきつしま」が現在パラオに入っているとのニュースである。
日本のメディアでは、天皇皇后陛下パラオ訪問に「あきつしま」が利用される可能性が書かれていたが、このニュースでもう確実と言う事であろう。

- - - - - - -
Japan CG vessel deployed to Palau in preparation for imperial visit
Island times
WRITTEN BY JOSE RODRIGUEZ T. SENASE
MONDAY, 02 MARCH 2015 23:34
“Akitsushima” is among biggest, most-advanced coast guard vessels in the world
One of the most modern vessels of the Japanese Coast Guard (JCG) has been deployed to Palau in preparation of the coming visit of Emperor Akihito and Empress Michiko of Japan.
The imperial couple is expected to visit Palau from April 8 to 9, 2015. The imperial couple will visit Palau to mark the 70th anniversary of the end of World War II.
Reached by phone, Presidential Chief of Staff Secilil Eldebechel said the vessel, which is named “Akitsushima”, arrived in Palau last week.
“It is part of the advance team. The ship is conducting security operations in coordination with the police and the Division of Marine Law,” he said.
Eldebechel said the vessel will stay in Palau waters for several more days before heading back to Japan.
“It will come back again two weeks prior to the actual visit of the emperor and his wife,” he said.
A Super Puma helicopter carried by the vessel has been observed flying around the island nation since last week.
The “Akitsushima” is among the largest coast guard vessels in the world and is equipped with next-generation technology and equipment.
Commissioned in November 2013, “Akitsushima” is the second member of the Shikishima Class of Patrol Vessels built for the JCG.
The vessel incorporates a mono-hull design offering a large deck area. it is equipped with anti-air capabilities, unlike other coast guard vessels of Japan. The long-range cruising capability combined with its superior firepower makes the vessel ideal for long-range patrols and escort missions.
The primary missions of the “Akitsushima” are maritime patrol, search-and-rescue, anti-piracy, border control and environment protection.
The ship has a long-range cruising capacity, making it a valuable asset for the Coast Guard. It can make voyages from Japan to Europe, for example, without the need to refuel.
The vessel frequently sails to south-east Asia to bolster international efforts against piracy in the Strait of Malacca
The vessel has a length of 150m, beam of 17m, and draft of 10m. The gross tonnage of the ship is 6,500t. The vessel Class can carry a maximum of 140 crew, including the ship company and air crew. Accommodation facilities are provided for the crew members.
The “Akitsushima” is armed with two JM61 20mm Gatling guns and two 35mm twin Oerlikon anti-aircraft guns. The vessel can also carry two 12.7mm M2 machine guns. The twin 35mm cannons are equipped with two optronic directors.
The vessel comes equipped with a JMS 1596 navigation radar, JMA 8303 surface search radar, JMA 3000 helo control radar and a Mitsubishi Electric OPS-14C two-dimensional air-search radar.
It also carries two AS332 Super Puma helicopters that are deployed in search-and-rescue missions.
The AS332 Super Puma is a four-bladed, twin-engine, medium-size utility helicopter developed and marketed by Aérospatiale and Eurocopter (now Airbus Helicopters). It is an enlarged and re-engined version of the original Aérospatiale SA 330 Puma
The “Akisushima” is presently homeported at Yokosuka, Japan.
パラオの海上保安 [2015年02月25日(Wed)]
以前お伝えした「謎の中国船、パラオで廃棄か?」は、まだ、パラオの海に浮いているようだ。
しかし、その全貌は段々明かされてきた。

"Palau government grappling with abandoned Chinese cruise ship"
http://www.radioaustralia.net.au/international/radio/program/pacific-beat/palau-government-grappling-with-abandoned-chinese-cruise-ship/1415911

昨年のPIF総会パラオ開催の際に、総会参加者のホテルが足りないという話になり、レメンゲサウ大統領に船の提供の話があった。持ち主は米国市民の中国人(しかもブッシュ氏の友人)。最終的にパラオ政府はこの申し出を断った。しかし、なぜかこの船が総会終了後の数ヶ月後に突如パラオに現れてしかも乗り捨てられた。現在持ち主と交渉中との事だが、持ち主は引き上げるにしてもクルーがいない、とか言って、期限をズルズル延ばしている。

海の事はよくわかりませんが、どこからともなく、EEZではない領海にこんな大きな船が勝手に入る事は許されるのでしょうか?しかも乗り捨て。
日本だったら海上保安庁がしっかり対処しますよね。


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2013年にパラオに流れ着いたバージ


不審船だけではない。巨大バージがどこからかパラオに流れ着くのだ。
写真は一昨年流れ着いたパージで、無事牽引し大事には至らなかった。今は、パラオ南部のソンソールの環礁に他のバージが乗り上げてしまっているという。

"Origin Of Grounded Barge In Palau’s Southwest Islands Uncovered"
Vessel from Indonesia continues to damage pristine environment
KOROR, Palau (Island Times, Oct. 28, 2014)
http://pidp.eastwestcenter.org/pireport/2014/October/10-28-14.htm

日本だったらどうであろうか?
バージが流れてきたらやっぱり海上保安庁が対処するであろう。
環礁に乗り上げるまで放っとくような事はないのでは?


人口2万人のパラオ。EEZどころではない、領海さえも護れないのである。
パラオを馬鹿にしているのではない。そもそも25人の海上警察ではその領海さえ管理するのは不可能だ。
豪州の連邦警察はミクロネシアから引き上げてしまったというが、日本がパラオの法執行を支援する可能性はないのであろうか?
日本の南洋統治では多くの日本人警察官が派遣され、島の秩序と安全を保つ努力がされていた。


パラオ海洋保護区案未だ保留中 [2015年02月24日(Tue)]


パラオのOceania TVのニュース。
レメンゲサウ大統領が提案している海洋保護区が未だに議会で保留されているとの事。
パラオ憲法には入漁料の事が述べられており、海洋保護区案は憲法改正が必要と、同案に反対する一人でFFAディレクターもつとめたTalobak Victorio Uherbelau氏がアンガウル州、カヤンゲル州と共に意見書を提出。
現在大統領府で回答を準備中とのこと。

これが憲法の条文

Article XII, Section 6(c)
(c) All revenues derived from licensing foreign vessels to fish for highly migratory fish within the jurisdictional waters of Palau shall be divided equitably between the national government and all the state governments as determined by the Olbiil Era Kelulau.


下記のニュースでは海洋保護区の大統領案をモナコ皇太子始め世界のセレブが支持している、という内容。

Prominent International Personalities Support Palau Marine Sanctuary
Queen Noor of Jordon, CNN’s Ted Turner among others applaud effort
http://pidp.eastwestcenter.org/pireport/2015/February/02-20-06.htm

でもこのセレブたち、魚の事も海の事も、安全保障体制も、そして肝腎のパラオの事を知らないし、なんの具体的支援をするわけではない。
パラオの人は現実を知っている。多分大統領も気付いている、と思います。
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