「開発戦略の変遷と援助の有効性について」石井菜穂子著 [2013年07月22日(Mon)]
パラオのレメンゲサウ大統領が進める、全EEZ商業漁業禁止地区制定案。
課題の一つがその資金メカニズムである。 商業漁業を禁止すると、今まで得ていた年間約3億円の漁業権の収入がなくなる。 それに加え、法制度の整備、監視の強化等々、余計な資金が発生してくる。 これらの資金をどうするか。 一つの可能性としてGEF - Global Environment Facilityの活用が検討されている。 GEF、聞いた事はあるがその内容は知らない。 ウェッブサーフィンしていたら、昨年トップに日本人女性の石井菜穂子さんが就任したとのニュースを見つけた。 石井菜穂子さんは元財務省副財務官。WB, IMFでの経験が長い。 環境保護ー経済成長ー財政 の協力可能性を探っていくという。 それから「開発戦略の変遷と援助の有効性について」というペーパーも拝読した。 http://www.mof.go.jp/pri/publication/financial_review/fr_list3/r54/r_54_068_103.pdf これ面白い。一機に読んでしまった。 個別事業支援に前に制度・政策改革を、という話は聞いていたが今までそれに関する文献は読んだ事がなかった。私はUSPNet支援を通してその必要性を確信していた。 「ミクロネシア連邦国家ICT電信電話政策」 https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/722 制度・政策改革なくして開発援助は成り立たないのである。このペーパー、参考文献も多く、開発関係者必読です。2001年のペーパーだが、開発サークルの皆さん読んでいるのだろうか? さて、ミクロネシアの海上保安事業と全EEZ商業漁業禁止地区制定案に戻る。 これこそ、パラオの、ミクロネシアの、そして太平洋島嶼国の、海洋ガバナンスにおける政策・制度改革に他ならないのである。 |