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温暖化交渉と海洋問題 [2017年03月25日(Sat)]
「京都議定書が外交上の大失策であったことは、政府関係者の間では共通認識である。だがその原因を一つに絞ることはできない。日本人の大半が京都という美名に酔いしれ、議定書は国際政治上の道具でしかないという当たり前の事実が、目に入らなかったのだ。」

気候変動の事は殆ど追っていないが、トランプ政権が関連の予算をカットしていること、島嶼国にとっては死活問題である事等からどうなるのか気になっていたところに、東京大学客員教授・米本昌平氏が産経のウェッブに下記の記事を掲載していた。

「トランプ大統領の一撃で温暖化交渉の理想主義は剥落した 京都議定書は日本外交の稀にみる大失敗であった」 東京大学客員教授・米本昌平
http://www.sankei.com/column/news/170323/clm1703230007-n1.html

1992年のリオの背景にドイツ統一に対する近隣諸国の懸念があったこと。日本だけが排出枠を途上国から5千億円位買い取ったこと。始めて知る事ばかりであった。

そして米本氏は特徴として下記の3点を上げている。
第1に「予防原則」に立っていること。
第2に、京都議定書は事実上の産業活動であるCO2の排出削減を国際法によって義務づける、異端の国際合意であったこと。
第3に、外交の形態に革命が起こり、交渉過程が全てオープンになって、議論全体が環境NGO寄りの価値観の上に組み立てられていること、である。

来週から開催されるBBNJの第3回準備会合はどのような結果になるのであろうか?
もし現在の国際政治が反映するとすればどの部分か?上記の3点目は避けられないであろう。

FBFの方が同じく1992年のリオの結果として熱帯林に関しても同様なコメントがマレーシア政府から出されている事を紹介されていた。

「地球規模での環境悪化と環境保護の認識の高まりに追従して、熱帯林諸国は過激な NGOs と環境運動の攻撃の的になってきた。しかし無秩序な林木伐採、過度な開発、生物多様性の喪失そして森の民の虐待、と彼らは言い張るが、彼らの説は事実と状況の誤報、誤解から生じたもの、ということが稀ではない。」
「国際化時代の森林資源問題」(有木 純善著)の中で紹介されているらしい。

まさに伝統的知識と公海やEEZの海底資源開発を繋げて議論している様子と変わらないのではないか?昨日紹介したPacific Youth Councilに、なぜ海底鉱山試験採掘が犯罪なの?と聞いたところ、結果もわからない実験は核実験と同じであり、他の地域が許可しても太平洋地域では許可しない、という回答であった。

トランプ政権の新たな海洋政策がここ数ヶ月の間に開催される国連の海洋関連の会議にも影響を与えるのではないだろうか?

外務省の証拠隠滅工作か?(追記あり) [2017年03月24日(Fri)]
実は来月政治家の方達に太平洋の海洋問題をお話する機会をいただき、パラオのシーシェパードリーガルを外務省が放置していた事をきちんと指摘しようと、資料をまめようとしたところ、在パラオ日本大使館のウェッブからその記述が消えていた!

パラオのシーシェパード、日本大使館の対応に疑問
http://blog.canpan.info/yashinomi/archive/1924

今頃証拠隠滅したって半年も放っておいたんだから逆効果である。
外務省、水産庁、私たちはオールジャパンで学び、対応作を練る必要がある!

1.外務省、水産庁は、パラオのSSに関しては過去の失態があるので、絶対大統領府に乗り込まない事。高野豆腐にだしが染み込むようにジワーと圧力をかけましょう。私も既に各方面から情報提供しています。例の豪州のベルギン博士のペーパーはお薦めです。
http://blog.canpan.info/yashinomi/archive/1902

2.シーシェパードがPEWが何者か、大洋州課の職員はよく勉強する事。水産庁や内閣海洋総合本部との情報交換を心がけること。このブログも参考にして下さい。

3.このような結果になったのはパラオの海洋政策への支援が行き渡っていないからである。小島嶼国は支援してくれるのであれば悪魔とも手を組むのだ。これは議員の方達にも訴えたい。途上国、特に海洋管理しきれない島嶼国の法律の部分の支援を日本は早急に、できれば次回の太平洋島サミットへむけ検討していただきたい。(そうしないとシーシェパードリーガルが入り込む)

<追記>
外務省が証拠隠滅する前のウェッブを記録されていた方から連絡をいただいた。
http://katabire.blog64.fc2.com/

シーシェパードリーガルは、シーシェパードと関連性がありません、という記述が削除されたのは3月22日でまさに当方が指摘した同じ日である。流石にまずいと判断されたのか。しかし、それより重要なのは放っておいた半年間でどのような進捗があり今後どのような対応をするか、オールジャパンで検討すべきでは。

私も2011年パラオのシーシェパード対策を担当しなれけば、シーシェパードがどんな組織が認識できず、パラオ日本大使館のような迂闊な対応をしていたかもしれない。

ここは足を引っ張り合わず協力しましょう。
海洋問題ー太平洋島嶼国のプロパガンダとレトリック [2017年03月23日(Thu)]
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太平洋青年協議会の面々。海底鉱物開発の犯罪をストップさせよう!一体どこからこのような発想を得たのか?



およそ太平洋島嶼国の伝統的知識や文化と関係のないEEZとその外の公海の管理に関して、当該地域の政府地域機関の太平洋諸島フォーラム(以下PIF)が政治的レトリック、プロパガンダまがいの情報を発信している。(下記のブログに書いた。)
6月の国連海洋会議へ向けて、また来週のBBNJ第3回準備会議に向けて太平洋島嶼国の動きが急に活発になってきた様子だ。

「BBNJへ向けた太平洋島嶼国の戦略」
http://blog.canpan.info/yashinomi/archive/1917


PIFが発信したのは彼らの意見ではなく、プロジェクトシンジケートの記事だ。執筆者はコスタリカ元首相JOSÉ MARÍA FIGUERES、WTO元事務局長Pascal Lamy(仏人)、クリントン政権の大統領首席補佐官だったJOHN D. PODESTAの3名。

The fight for ocean health
https://www.project-syndicate.org/commentary/un-sdg-14-ocean-regeneration-by-jose-maria-figueres-et-al-2017-02

2030年までに30%を海洋保護区にすること。気候変動と海洋の関係から、気候変動問題の解決。特に資金調達のコミットメント。そして魅力的な数字を上げている。こんな数字を島嶼国のリーダー達が見たらアンフェアに思うだろう。筆者はそれを狙って書いたのではないだろうか?

・世界のGDP の 5% に当たる$2.5 trillionが海洋から得られている。このGDPは世界7位の経済に相当する。
・大きな雇用を生み出し30億人の生計を支え、26億人の食糧を提供する。

そして、経済以上に重要なのは海が空気を、気象をそして平和と繁栄を生み出している事だ。海は我々の未来である。だから海の為に闘おう!と書いている。何をどう闘うのか?記事には資金調達と30%保護区のことしかない。


もし海洋問題を真剣に学ぶ人であれば30%の海洋保護区は何の科学的根拠のないどころか、逆に海洋保護から離れてしまう事は知っているはずだ。PIFは海洋専門家がいないのである。本当は日本が助けてあげなければいけない。
しかも便宜置籍船で違法操業を展開しているのは太平洋島嶼国である。便宜置籍船大国のマーシャル諸島とバヌアツはBBNJ協議に消極的である。
繰り返すが、EEZやABNJの生物多様性資源や海底資源の開発は凡そ太平洋島嶼国の伝統的知識と関係ない。先進国の開発側は大きなリスクや地道な努力の下に行うのである。
太平洋青年協議会は「海底資源開発は犯罪である」と言い出している始末だ。この組織笹川平和財団の助成で設立した。私が担当したので、この状況は嘆かわしい。(上記写真)

しかし、パラオのレメンゲサウ大統領の立場になって考えてみよう。広大なEEZとそこに繋がる公海を持って誕生した太平洋島嶼国はその恩恵を受ける事ができないのだ。EEZ80%を商業漁業禁止にして保護区信託基金設置する。私が大統領であれば同じ事をするだろう。
海洋問題、やはり南北問題、開発の問題であるように思う。



次は産経に掲載されていた下記の記事の通り、トランプ政権で化けの皮が剥げた京都議定書とリオ1992の結果として過剰な森林保護の動きを、じっくり調べていないのだが、軽く触れておきたい。

「トランプ大統領の一撃で温暖化交渉の理想主義は剥落した 京都議定書は日本外交の稀にみる大失敗であった」 東京大学客員教授・米本昌平
http://www.sankei.com/column/news/170323/clm1703230007-n1.html
パラオのシーシェパード、日本大使館の対応に疑問 [2017年03月22日(Wed)]
ま、まじで在パラオ日本大使館大丈夫だろうか?
下記の記述を同大使館の2016年10月のサイトに見つけた。シーシェパードと名前を出して、しかもワトソン君が発案者のシーシェパードリーガルが、あのシーシェパードと関係ないってわけないよね。
外務省大洋州課大丈夫だろうか?
私は、在パラオ日本大使館は気づいていてもうまく対処できていない、位に思っていたが「関係性のない団体」というのを鵜呑みにしているのだろうか?きっと私が何か誤解してるんですね。
http://www.palau.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000107.html

・パラオ国家海洋保護区事務局,シーシェパード・リーガルからの司法訓練を受講予定
パラオ国家海洋保護区事務局は,海洋保護に献身する法律家で構成された非営利組織であるシーシェパード・リーガル(Sea Shepherd Legal)から司法訓練を受ける。受講時期は未定であり,パラオ弁護士会(Palau Bar Association)とパラオ国家海洋保護区事務局によると,シーシェパード・リーガルはシーシェパードとは関係性のない団体とのこと。
パラオ海洋保護区の行方 [2017年03月22日(Wed)]
海洋保護といより資金メカニズム、即ち新たな環境税と信託金設置を目的としたパラオのメガ海洋保護区。ここに来て環境税が議会で却下となった。

Palau Senate Panel Throws Support behind Tourists Fee Repeal
March 21, 2017
https://www.pacificnote.com/single-post/2017/03/21/Palau-Senate-Panel-Throws-Support-behind-Tourists-Fee-Repeal

それでカジノをという話がでたのであろうか?下記の2つの資料はじっくり読みたい。


しかし、そもそもどのように海洋保護をする計画だったのか?
多分ピューが中心となって作成したMONITORING, CONTROL, AND SURVEILLANCE,
The Next Five Years 2016–2021 というレポートがある。下記からアクセスできる。日本からは外務省、笹川平和財団の参加したワークショップの成果のようだが、パラオ国内で協議されたのであろうか?
https://scripps.ucsd.edu/sites/scripps.ucsd.edu/files/communications-content/field_attachment/2016/Palau%20MCS%20Plan.pdf


こちらが海洋保護区法
RPPL No. 9-49 Palau National Marine Sanctuary Act
http://www.paclii.org/pw/legis/num_act/msrn9492015252/
Amendment
http://www.paclii.org/pw/legis/num_act/atmparn9502015398/
頼もしい台湾のパラオ支援 [2017年03月22日(Wed)]
2013年大型台風ハイアンがパラオを襲ったとき、軍艦を派遣し災害支援をしたのは自由連合協定を締結する米国でも、友好国日本でもなかった。台湾である。

独立以来台湾との外交関係を一貫して維持するパラオ。最近の中国と台湾の緊張関係の影響もあるのだろうが、最近の台湾からのパラオ支援が頼もしい。

下記のニュースは、台湾とパラオは人身売買対策に共同して取り組むという内容だ。現在30名のネパール人が人身売買でパラオにいるという。クアルテイ外務大臣は米国のパラオへの関心が薄まる中、台湾との協力関係を歓迎している。他にも台湾とのワーキングホリデー協定を、数ヶ月前にクアルテイ外務大臣は締結した。

本当に台湾、頼もしい!

Palau and Taiwan join forces to combat human trafficking

March 20, 2017 (Koror, Palau) Republic of Palau and Republic of China (Taiwan) signed an accord on Friday agreeing to cooperate on immigration matters and on prevention of human trafficking.

“Palau is used as a weaker link into United States and many are finding it as easier access and taking advantage of it,” stated Minister of State Billy Kuartei, who signed the agreement for the Republic of Palau.

Acting Director of Immigration Flavin Misech reported that as of this year, they have two refugee cases, a Syrian family of three and an Iranian. There are about 30 Nepalese who are here as result of human trafficking.

Under the agreement, the two countries will work together to strengthen information sharing, personnel exchanges and training. These exchanges will boost capacity of Palau in combating human trafficking and other immigration issues.

“This MOU is a symbol of strong friendship between our two countries,” stated Minister Billy Kuartei.
トンガ、バヌアツに延びる中国の大型箱モノ支援と軍事進出 [2017年03月22日(Wed)]
バヌアツに中国が軍事基地建設を検討しているとの噂が耳に入りニュースをチェックしてみた。

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バヌアツには中国の支援で16億円位の巨大なコンベンションセンターが昨年完成していた。建設したのは中国のJiangsu Provincial Construction Group Ltd.

New National Convention Centre signifies strong ties between Vanuatu, China
BY: Rita Narayan May 17, 2016
http://www.loopvanuatu.com/content/new-national-convention-centre-signifies-strong-ties-between-vanuatu-china#.WNGmW4vyneo.facebook



そして、2月のニュースで中国がバヌアツにmilitary vehiclesを支援というのを見つけた。
バヌアツ警察はMobile Forceというパラミリを保有しておりそこに14のmilitary vehiclesと備品、そしてユニフォームも支給されるという事だ。
バヌアツの治安は主に豪州が支援してきた。豪州は中国の支援が軍事基地建設なる可能性を懸念している、とこれはバヌアツ研究の専門家から聞いた話だ。来年は島サミットだし少し注意してフォローしたい。

China donates military vehicles to Vanuatu, 28 February 2017
http://www.radionz.co.nz/international/pacific-news/325541/china-donates-military-vehicles-to-vanuatu



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最後にバヌアツではないが、トンガ王国で首相官邸、財務国家計画省が入る建物が、これも中国の支援で予定通りこの7月完成とのニュースである。
25millionパアンガ、約12億円のこの建物は中国からのプレゼント。2012年先の国王ツポウ5世がアレンジした援助、とのこと。

St George Palace construction nears completion
Tuesday, March 21, 2017
http://matangitonga.to/2017/03/21/st-george-palace-construction-nears-completion


トンガの軍事支援に関するニュースも色々出て来る。
2015年には中国軍代表団がトンガを訪問している。
太平洋島嶼国の中で軍隊を持つのはトンガの他にフィジー、パプアニューギニアである。

China Military Friendship Delegation Visits Tonga 2015/05/15
http://to.chineseembassy.org/eng/tjjs/t1264097.htm
『提携国家の研究ー国連による非植民地化の一つの試み』五十嵐正博著(番外編) [2017年03月20日(Mon)]
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戦後小国が誕生した背景として国連決議1514(植民地独立付与宣言)と1541が重要であることは何となく頭にある程度の理解である。『提携国家の研究ー国連による非植民地化の一つの試み』にも一節が割かれている。もう一冊これに関する事が議論されている博士論文を元した書籍『ミクロネシア信託統治の研究』(矢崎幸生著、お茶の水書房、1999)を持っていた事を思い出し頁をめくってみた。

誰がどのように1514決議を導いたのか?
2つの本には詳細がなかったのでウェッブサーチしたところYearbook of United Nations 1960に詳細な記述があった。

Declaration on the Granting of Independence to Colonial Countries and Peoples
United Nations General Assembly
https://en.wikisource.org/wiki/Declaration_on_the_Granting_of_Independence_to_Colonial_Countries_and_Peoples


「はじまりのレーニン」ならぬ、「はじまりのフルシチョフ」であったのだ。

"The matter was initially proposed for inclusion in the agenda of the Assembly's fifteenth session by the Chairman of the Council of Ministers of the USSR, Nikita S. Khrushchev, during his address to the General Assembly on 23 September 1960".


しかもこのフルシチョフ、この決議の議論の過程で靴で机をバンバン叩いて怒りを表した話が有名らしい。これが本当かウソか、見た、見ないという両方の証言があって確定していないようだが、とにかくすっごく怒る狂ったのだ。
このビデオは靴持っていないが、怒っている様子、周囲が笑っている様子など興味深い。
Nikita Khrushchev and the UN Shoe-Banging Incident
https://www.awesomestories.com/asset/view/Nikita-Khrushchev-and-the-UN-Shoe-Banging-Incident


フルシチョフの発言で気になった箇所がある。下記の文章のstrategic basesの箇所だ。

"In a later statement, the USSR representative contended that the colonial powers had always objected to the discussion of questions relating to the political development of the Non-Self-Governing Territories. In the case of the "great colonies," where there was a developed national liberation movement, the colonialists were trying in every way to postpone the granting of political independence and to guarantee for the future the position of European minorities in those countries. In the case of the smaller territories, he said, they were maintaining them as bases for colonialism by merging them with the metropolitan countries, a line which was adopted by all colonialists. They were trying to use such territories as strategic bases and points of support for suppressing liberation movements and for exerting pressure on neighbouring countries".
(下線は当方)

米国の戦略的信託統治地域といえばミクロネシアの事である。即ちフルシチョフはミクロネシアの独立を主張したのではないか?色々な文章でミクロネシアの独立をソ連が要請したと書いてあるのを読んで来た。フルシチョフとミクロネシアで検索すると原水禁の下記のサイトにぶつかった。

一、戦後世界の核軍拡競争
http://www.peace-forum.com/gensuikin/about/undou/01.html

ここにもまた興味深い記述を見つけた.
ソ連の”水爆の父”といわれるアンドレイ・D・サハロフ博士が1957年ころからフルシチョフ首相に核実験停止の勧告や働きかけを始めた。
「1958年からソ連は全面的な平和攻勢に転じた。この年の3月には核実験の一方的停止を宣言し、米英への同調を求めた(但し実際には不成功)。さらに59年9月にはフルシチョフが自らアメリカにのり込み、アイゼンハワー大統領とキャンプ・デービット会談を行ない、次いで国連総会で“四年間で軍備を全廃する”提案を行なった。」

1960年の1514決議の背景は米国が行ったマーシャル諸島での水爆実験に対するソ連の対策であったのではないか?
上記のYearbook of United Nations 1960には東西緊張のイデオロギーを避けるため、アジアアフリカ諸国がソ連と別に提案書を作成した、とある。

" He stressed that the sponsors did not want the colonialism question to become an ideological struggle "within the framework of the one in which East and West vie against each other."


自決権を理解するには、フルシチョフも勉強せねばならないのだろうか?
国連がどんな小さな地域であろうと独立を促進する結果となったのは、即ちマイクロステート問題を生み出したのは、ソ連の上記に引用した発言が原因だったのではないか?この発言から推察すればこの小地域(多分ミクロネシア)こそがソ連に圧力をかける戦略的地域として米国に利用されたからなのであれば、なおさらである。
『提携国家の研究ー国連による非植民地化の一つの試み』五十嵐正博著(3) [2017年03月20日(Mon)]
『提携国家の研究ー国連による非植民地化の一つの試み』3回目。後番外編で終わりにします。

同書7章で提携国家の対外的権能として条約関係の項で国連海洋法を取りあげている。クック諸島の例である。(同書284−290頁)

1975年のカラカスの国連海洋法会議ではクック諸島はオブザーバーとして参加。
1977年にはクック諸島議会は領海及び経済水域法を制定。
1979年のニューヨークの会議でニュージーランドがクック諸島、ニウエが条約当事国になることを提案。
そして下記の通り提携国家の国連海洋法条約への署名について、同条約305条1, cと dで規定された。

第17部 最終規定
第305条 署名
1 この条約は、次のものによる署名のために開放しておく。
c.他の国と提携している自治国であって、国際連合総会決議第1514号(第15回会期)に基づいて国際連合により監督され及び承認された自決の行為においてその地位を選び、かつ、この条約により規律される事項に関する権限(これらの事項に関して条約を締結する権限を含む。)を有するすべてのもの
d.他の国と提携している自治国であって、その提携のための文書に基づき、この条約により規律される事項に関する権限(これらの事項に関して条約を締結する権限を含む。)を有するすべてのもの

1982年ジャマイカの会議でクック諸島サー・デイビス首相が国連海洋法条約に署名。
これを五十嵐氏は「クック諸島にとってばかりではなく国際法上の提携国家の歴史にとっても画期的なことであった。」(289頁)と記している。




上記に内容とは全く異なる記述で国連海洋法に関する箇所が記憶に残った。
パラオと米国の自由連合協定協議の課程である。パラオは非核を条件としたため米国との協議が長引き、他のミクロネシア諸国に比べ遅れて独立した。1994年である。米国がウンと言わなかった理由が他にもあった事をこの本で始めて知った。国連海洋法との矛盾である。

群島理論に従った隣接水域に対する主権及び管轄権の主張が国連海洋法条約と矛盾していたのだそうである。そして米国は「その憲法が国際法及び交渉された自由連合の概念に矛盾する政府と自由連合に入り得ないと宣言した。」とある。(211頁)

現在パラオ政府が採択したメガ海洋保護区も国連海洋法条約に矛盾しているが米国は何も言っていないどころか、オバマ政権ではピューのアレンジもあり賛同しているのだ。これは一体どういうことだろう?



『提携国家の研究ー国連による非植民地化の一つの試み』五十嵐正博著(2) [2017年03月20日(Mon)]
『提携国家の研究ー国連による非植民地化の一つの試み』には、クック諸島、西インド諸島、そしてミクロネシア連邦が、提携国家、即ち自由連合の道を歩む詳細が書かれている。

2度読んで強く印象に残った箇所。
クック諸島の自決権が、クック諸島の人々から出て来たものでなく、1960年の国連決議、即ち1514と1541決議、加えて非植民地化を進める24カ国委員会設置がニュージーランドのGotz議員の心に何等かのパニックを引き起こしクック諸島の完全自立を(独立は非現実的)進める事になった、という記述だ。(54−56頁)
さらにクック諸島から24カ国委員会設置にクック諸島の独立を請願したのは、クック諸島に住む2人のヨーロッパ人であったとある。請願書の一つは当時クック諸島は4人のヨーロッパ人とニュージーランド人の独占果物輸入業会社が絶対的権威を握っている事を批判、即ちヨーロッパ人の間の確執であって、クック諸島の人々は何の不平もなかった、「国内自治のいかなる要求もなかった」(55頁)というのだ。(58−59頁)

西インド諸島に関しては背景を知らず、よくわからないので省略するが、再読した際にまとめたい。


そしてミクロネシアも1960年の国連議決をきっかけに、国連監視団が派遣され外からの自決権の要請が最初であった。(185頁)さらに1962年に、サモアの独立を支援したデビドッソン教授とミクロネシアのリーダー達の出会いが自由連合という道を示した。(190-194頁)
自由連合協定案が作成される複雑な詳細が書かれているのだが当方が興味をもったのが、(多分ミクロネシアに住む)自己推薦のアメリカ人の助言者達の一団に強く影響された、とある箇所だ。(200頁)。即ち米国が出して来た自由連合協定案に強く反発し、より独立に近い方向を目指した動きがあった事が書かれている。

五十嵐氏は最終章で、「当初はむしろ植民国家である母国によって動機づけられたものであり、一方ではその従属地域の母国に対する政治的な独立の要求と、他方では経済的及び社会的な従属との間の妥協の結果あった、」と議論している。
しかし実際は母国の動機とは即ち東西緊張であり、現地のアメリカ人やヨーロッパ人の影響が大きかったのではないか?
そうであればクック諸島、ミクロネシアの人々にとってなんための自決権だったのか?
五十嵐氏は「自らのアイデンティティをもち、他のものに従属せず、自らの名において行動したい、という願望は十分理解しうることである。」と続けている。同書では植民とは何かとの議論がないので、もう少し深く検討したい箇所である。例えば日本の八重山諸島、若しくは沖縄は独立、もしくは自由連合になればアイデンティティをもち、従属せず、自らの名において行動する事になるのか?現在はアイデンティティを剥奪さて、従属し(どのように?)、自らの名において行動できていないのか。

次回は海洋問題と提携国家の記述をまとめます。
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