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異なる世界語で会話する [2007年01月11日(木)]
 「リンガ・フランカ」って、ご存知でしょうか。これは、「世界語」とか「共通語」を意味する言葉です。相手が外国人だと思ったときに、とりあえず「ハロー」って言うでしょ?日本人にとっての英語に当たる言語です。
 世界中、「リンガ・フランカ」が同じだと楽ですね。でも、異なっていることで、かえって会話を楽しめることもあります。そんな体験をウズベキスタンでしました。

世界遺産ヒヴァ、バザールの屋台で昼食。
シャシリク(串焼き)をつまみに、昼から酒盛り。(2006年5月)
 東西冷戦中にしか学校教育を受けたことのない方は、ウズベキスタンがどこにあるか、正確にはわからないかもしれません。なぜなら、かつてはソビエト連邦の一部だったからです。
 そのため、ウズベキスタンでは、「世界語」はロシア語になります。公用語はウズベク語ですが、もちろん、私が話せるわけありませんし、相手だって、こいつがウズベク語を話せるとは思いません。
 そこで、まずはロシア語で話しかけてきます。しかし、残念ながら、私はロシア語もわかりません。英語で話してくれればわかるのですが、こんどは逆に、相手が英語をよく話せないのです。

 本当に困ってしまいますが、それでも何とかなるから面白い。繰り返しロシア語を聴いているうちに、何となく理解できる単語が見つかります。
 ウズベキスタンでは、まず「ルスキー」という言葉が耳に入ります。最初は、「ウイスキー」に聞こえていて、「なんでいきなり酒の話をするのだろう?」と思っていましたが、それが「ロシア語」の意味だと、しだいにわかってきました。つまり、「ロシア語はできるか?」と聞いていたのです。そこで、残念ながら、「ノー。オンリー、イングリッシュ」と答えると、相手も理解してくれます。
 すると、次の質問は、「コリア? キタイ?」に変わります。「国籍のことだな」というのは、「コリア=韓国」でわかります。しかし、「キタイ」って一体?北東アジア史が好きな人はわかりますね。そうです、「契丹」のことなのです。さすがは、シルクロードの要衝であったウズベキスタン。中国のことを、いまだに、遊牧民族「契丹」(国名は「遼」)の名称で呼んでいるのです。う〜ん、ユーラシアだなあ。
 再び「ノー」を繰り返すと、ようやく「ハポーニャ?」。韓国、中国の後塵を拝しているのは、現地の公共事業などで日本企業が遅れをとっているからですね。でも、何とか日本人ということは伝わりました。そして、続く質問は、「トウキョー? オオサカ?」。さらに、なんと「ヒロシマ? ナガサキ?」。おおー、やっぱり日本と言えば、被爆国なのだな、と妙に納得して会話は一段落するのでした。

夜の散歩で迷い込んだメドレセ(神学校)でも酒盛り。
ウズベクでは、モスクやメドレセのなかは、商業施設になっている。

 会話に詰まると、次に来る話題は……、やっぱり「ウォッカ?」、で・す・よ・ね。「待ってました!こんどこそ、正真正銘の酒!!」。こうして、ウズベキスタンのおいしい生野菜(キュウリ、トマトは絶品)を塩でいただきながら、世界最高の共通語、「酒」で楽しく打ち解けては、愉快に歌うのでした。
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