2018年12月22日(土)に、ラムサール条約第13回締約国会議(COP13)報告会を日比谷図書文化館(日比谷コンベンションホール)で開催しました。74名が参加しました。 報告会では、ラムサール条約COP13の概要についてと新規登録・拡張された3箇所のラムサール条約登録湿地の紹介があり、その後4団体のNGOからの活動報告がありました。 最後に、質疑応答の時間が設けられました。 〜報告会開催レポート(作成:ボランティアスタッフ畠)〜 会場の様子 ●ラムサール条約COP13の概要 市川智子さん(環境省自然環境局野生生物課) 全体会合において25項の決議がなされた一方で、次の開催地の決定には至らなかったことに驚きました。 ●新規登録・拡張された湿地の紹介 1. 「志津川湾」 阿部拓三さん(宮城県南三陸町農林水産課) 海の森である藻場を中心に志津川湾の多様性や重要性、また登録によって地域振興にもつながることついて知ることができ良かったです。 2. 「葛西海浜公園」 坂下智宏さん(東京都港湾局臨海開発部) 地域のNPOや住民、市民団体、来園者など様々な人とともに保全活動・ワイズユースを行っており、自然体験の場が限られている都市部において貴重な場所であると思いました。 3. 「円山川下流域・周辺水田」 兵藤未希さん(兵庫県豊岡市コウノトリ共生課) 住民が中心にコウノトリの野生復帰できるように周囲の環境を整えているというお話を聞きました。生物に対して配慮しながら生活を送っている住民の生物に対する意識の高さを感じました。 ●NGOからの報告 1. 中村玲子さん (ラムサールセンター) ラムサール条約の変遷をシンボルマークから考察しており、そのような手段で物事の変遷をたどるのは面白いなと思いました。 2. 柏木実さん(ラムサール・ネットワーク日本) 湿地の現場の声を発信するために、COPに関連した活動やサイドイベントなど行っていることが分かった一方で、条約の中で繰り返し強調されてきた事項が実施されないなど課題を抱えていることを知りました。 3. 佐藤琢磨さん(ユースラムサールジャパン) ユースだからこそ情熱や新しいアイディア・時間などがあります。持続可能な社会であるためには、次世代も湿地保全の必要性を考え、発信できる環境が重要であると思いました。 4. 名執芳博さん(日本国際湿地保全連合) 日本における防災・減災のための都市の湿地の在り方を考える上で、海外の事例を多く知ることがまずは必要となってくるのだと思いました。 感想 報告会では、ラムサール条約COP13の概要だけでなく様々な団体の活動内容を知ることができました。新規登録・拡張されたラムサール条約登録湿地は、地域の特性を生かしつつ、ラムサール条約の3つの柱(保全・賢明な利用(ワイズユース)・CEPA)を行い、ラムサール条約に登録することをゴールとして捉えていない印象を受けました。 また、今回参加しなければ知ることのなかったことを様々な団体の活動報告を通して知ることができたので、とても勉強になりました。今後に生かしていきたいです。 畠伽奈 |