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師走の風 [2006年12月11日(Mon)]

坂出市での地域交流会テーマは“教育”写真は、提案者の錦さん


 彼女の提案で、子育て支援、いじめの深刻な状況を早くから提唱して立ち上がっていたカウンセラー集団を中心としたNPO、日本には数少ない質的音楽療法を行っているNPO、子ども会関係者、元青少年育成センター職員、元教員、地域コミュニティ協議会の方々、飛び入りでひとり自警団で有名になった元ボクサーの吉川さんなど、様々な立場の人たちにご参加いただいた坂出地区の地域交流会の意見はこういうものでした。

 子ども達が夢を持てない社会、その背景にある、ゆとりの無い大人達の生活の実態をなんとかしないと駄目。
 関われる人間から懸命に関わって、子ども達の命を、私たちも命がけで守ってあげるよという安心感を与えてあげられるようにしたい。

 けれど、都心部と地方、大企業と中小・零細、正規雇用者と非正規雇用者、働く場の無い人たち、働きながら生活も苦しく、仕事はきつく、救いの無いワーキングプアを生み出している社会の中で、ゆとりを持って暮らしていける層は本当に一握りに過ぎない。

 ここで上がった様々な課題を解決するには、大人社会を取り巻く複雑で多様な問題を同時に解決する必要があるのです。そして当然、その中には、個別に個人や市民組織が対応していけるものと、そこでやっぱり噴出してくる、それを持続し、底支えをしていくための公共システムの再構築に関する問題があります。

 「公共の中での行政と市民の役割と機能」
 「新たな地域社会システムの在り方」
 やっぱり、こういうテーマは外せないんですね。
 システムと、個別課題解決のあり方を両輪で動かしていく必要が、私たちにはあるということです。

 で、当然のことながら、活動やシステムを実行し、維持・存続するための財源の問題も浮上する。

 必要なのはわかっているけれど、財源が無いから無理。
 「行政」「NPO」「コミュニティ」いずれの方々からも聞かれる“合言葉”?
 そうでしょうか?本当に???

 公共事業財源に関する話題は、もっぱら現状の事業に関する権限と財源の分配の話。市場化テストもPPPもみんなそこから始まっていては、多分どうしようもないかもしれません。


この方は、国会議員を目指しながら、起業家・事業家育成支援もしている玉木雄一郎さん。


 我々が主催する市民リーダー育成講座の中で、彼は、「民が担う新しい公共性」というテーマを掲げ、こう言いました。

 「今ある公共事業から始まるのではなく、一回、ニュートラルに戻して、何も公共サービスが無かったらどうするのか?という議論から始める必要がある」

 そして、もうひとつ。
「新たな公共事業財源としての寄付市場の創出が重要だ」

 そうそう、そのとおり!


そして、この方は、連合香川の政策センター長の国方 勲さん。


「労働組合のはじまりは、そもそも、孤独な労働者が、居酒屋のおやじのところに集まって、お互いを支えあう生活協同組合的なものだった。労働組合の機能は、そもそも“経済的”“相互扶助的”“政治的”という三つの機能だった筈だ」

「これからの連合は、経済・社会の目指すべき方向性を示しつつ、時代の変化への対応を迫られていると同時に、そうした課題の中で、閉じられた組織の中ではなく、日本国民の8割を占める生活者としての動労者すべての人の拠り所となる運動を展開していくべく開かれた組織にならねばならない」

 そして、地域経済を限られたパイの取り合い、財源が無いから、あれもやれない、これもやれないというマイナスのスパイラルから、労働者(=消費者)を元気にし、ゆとりを持った暮らしに向けて、地域住民としての役割も果たせるようになれば、経済システムはプラスの循環へと転化し、持続する相互扶助のしくみの復活も成り立ち、ゆとりある大人社会の中で、今のような、自分とは違うものを阻害し、家族が殺し合い、自らの命を絶たねばならないほど追い詰められるような人間は減るに違いないというようなお話でした。

 先週は、高齢者による高齢者のための仕事起こしと生きがいづくりを掲げて動いている“高齢者生協”の宮崎さんも講座に顔を見せてくれました。福祉の世界で同じことを考えて立ち上がった福祉生協かがわの森さんも加え、これまでのような自助組織という枠を超え、高齢者、障害者の仕事起こしから各々の社会化へと向かう流れは、ここで以前ご紹介をしたNPO法人ひかりエコエンジニアリングも同じ目的。ついでに言うと、女性達のキャリア形成の現場でも、同じ仕掛けが始まっています。

 それぞれが、与える側と受ける側から、地域社会の循環の構造の中で、社会の担い手として息をし始めました。そして、そこに緩やかな超党派の香川の市民活動ネットワークを形成しようとしつつあるのです。

 様々な視点で、地域社会を見つめ直し、単なる講義の場ではなく、各々が自らの活動や職場での課題を解決する手がかりを得、人脈を得ながら、次のアクションへと踏み出すことを願って、今回のリーダー育成講座を開きましたが、その成果が、少しづつ見えてきたようにも思えます。

 次は、「地方自治の中での、公と共」についての話が、県庁職員で、香川のNPOの仕掛け人でもある松下さんから。それを受けて、年明けには、私が、私益、共益、公益をどう結び合わせながら新たな公共の場を形成していくのかという話をします。そして、最後に、そうしたシステム論を背景にした、環境、男女共同参画というテーマ別課題という、より具体的な議論の場へと講座は進んでいきます。

 タイトルや話し手の立ち居地は違っても、地方自治の中での新たな公共システムを構築する上で、無関係な話、無駄な話はひとつもありません。

 国方さんも言っていましたが、我々は、みんな、歴史の流れの中で、いつからか「地域社会」「公益事業」を唱えていながら、全く社会化されない内向きの活動や運動をしていたに過ぎず、そのツケが、今、我とわが身に降りかかって来ているのだと思います。

 市民社会の担い手となる人間は、社会を正しく識る必要があります。そのためにも、異なる立場、異なる意見に耳を傾け、その中で、自らの立ち居地や活動、運動を見極めながら進むための指針を持つことが重要なのだと、改めて思う訳です。

 今年の師走の風は、少し温かい。
 リーダー育成講座に、今からでも、是非みなさんも立ち寄って頂きたい。
 自画自賛するようですが、本当に、いい講座ですよ。
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