商店主のような国民性 [2018年10月18日(Thu)]
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ナポレオンは、イギリス人のことを「商店主のような国民性」と評したそうです。それは、本当にぴったりとした表現です。 「イギリスの植民地支配を可能にしているのは軍事力である」という見解を否定するガンディーの話の続きです。「ここで、どうしてナポレオンが?」と思う人がいるかもしれませんが、この後を読めばきっと彼の意図が分かると思います。 ナポレオン(ナポレオン=ボナパルト、1769-1821)は、もちろんあの有名なフランスの軍人・政治家です。彼はフランス革命後の混乱を収拾して皇帝となり、さらには周囲に遠征を繰り返してヨーロッパ大陸の大半を支配するに至りました。しかし、結局はイギリスに敗れて2度の流刑を受け、最後は大西洋の孤島で死んでしまいます。つまり、彼にとってイギリスは宿敵だったのです。 そのナポレオンのイギリス評は、実利の追求を何よりも優先するイギリス人の気質を軽蔑的に述べた表現と言えるでしょう。ガンディーも、「イギリスの人々は他国民よりもいくらか利己的な傾向を持っている(50)」とか、「イギリス人は、自国が損失を蒙るようなことを決して許さない(180)」とか、「道徳上の疑義があるからと言って他国の紛争に介入することを躊躇したりはしない(255)」とか 言っていますね。 さて、イギリス人にはそのような国民性があると述べた上で、・・・ |