仮に、私が大麻の常習者だったとしましょう。 [2018年10月03日(Wed)]
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仮に、私が大麻の常習者だったとしましょう。そうすれば、必ずそれを私に売ろうとする人が現れるでしょう。 この場合、責められるべきは大麻を売る人でしょうか? それとも、大麻を吸う私でしょうか? 「インドがイギリスに植民地化されたのは、イギリスの力がインドに勝っていたからではない。インド人がインドをイギリスに与えたのだ」((240)〜)と主張したガンディーは、続いてこのように話を展開します。たとえ話は、彼が非常に得意とするレトリック(修辞技法)なのです。 「大麻の常習者」とは、イギリスの商品を欲しがったりイギリスに商品を売りたがったりしたインド人のことです。(244)大麻を吸う人がいるからそれを売る人がいるのであって、根本的な責任は大麻を売る人ではなく吸う人にある。それと同じように、イギリスによる経済的進出を許した責任はイギリス人との取り引きに喜んで応じたインド人の方にあるとガンディーは言いたいのでしょうね。 このたとえ話はさらに続きます。 ・・・ (つづく) |