新聞はしばしば嘘をつく。 [2018年07月18日(Wed)]
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<編集長> イギリスの有権者にとって、各自の購読している新聞こそがまさに彼らの聖書なのです。 彼らは新聞から得られる情報によって自分の政治的立場を決めています。しかし、その新聞がしばしば嘘をつくのです。 イギリスの議会制民主主義についてのガンディー(編集長)と若い読者の対話の続きです。ガンディーの政治家批判を聞いた後、若者は「今度はイギリス国民について話してほしい」と要望します。そこで、ガンディーは一上のように語り始めるのです。 この本が書かれたのは20世紀初頭(1909年)です。アメリカで世界初のラジオ試験放送が行われる(1906年)のと同時期です。ラジオ局による広域的な放送が行われるのは20年くらい後のことです。もちろん、テレビはありません。無論のことですが、インターネットもありません。というわけで、人々が社会情勢についての情報を得る情報源はほとんど新聞報道だけだったのです。 「新聞に限らず、メディアというものは事実を報道するのだから、どの新聞を読んでも人々が得る情報には大差がないのではないか?」と思う人もいるかもしれません。しかし、同じ事実にしても、それをどう伝えるかは新聞によって違います。そもそも、「何を伝え、何を伝えないか」という情報の取捨選択や編集が行われます。 さらにガンディーは、「新聞はしばしば嘘をつく」とさえ言うのです。 それはどうしてかと言うと・・・ |