イギリスはインドの手本ではない。 [2018年06月11日(Mon)]
第5章 イギリスの状態
(135) <読者> お言葉から察しますと、つまりイギリスの政治は望ましいものではなく、ぼくたちは決してそれを手本にすべきではないということでしょうか。 ここから突然、新しい章に入ります。今までは第4章「自治(スワラージ」とは何か?」で、自治についてのガンディーと若い読者の対話が続いていたのでした。 しかし、自治に関する議論が一段落したというわけではありません。元々は若者がガンディーに「自治についてのあなたの見解を聞かせてください」と頼んだのに、ガンディーは反対に若者を質問攻めにして、挙句は「あなたが自治(スワラージ)と呼んでいるものは本当の自治ではない」と言った所で前回は終わっていたのです。つまり、自治についてのガンディーの見解はいまだにはっきりと述べられてはいないのです。 ただし、対話の中で彼の問題意識はいくらかは示唆されていたと言えるでしょう。そこで若者は、「あなたの考えは間違っている」と批判されても決して自分が侮辱されたなどと立腹したりはせず、「自分はイギリスの政治は議会制民主主義の手本とすべきだと評価しているが、この人の考えはどうも違うらしい」と冷静に推察したのです。 というわけで、ここから話題は「イギリスの政治の(20世紀初頭における)現状」についての考察に移るのです。 これに答えてガンディーは・・・ |