異なる意見を持つ人物も尊重すべし。 [2018年03月12日(Mon)]
(46)
新聞の中には、彼を侮辱し貶めるようなことを書いているものもあります。しかし、私たちはこのような記事には抗議を申し入れなければなりません。 ゴーカレー教授のような人々こそがインドの自治を支える柱なのだ。私たちはこのように思うべきです。 この対話も、ガンディーが南アフリカで発行していた新聞紙上で発表されたものなのでした。当時、インド本土及びインド人たちの移民先で多種多様な新聞が発行されていたのでしょうね。 そして今の日本と同じように、インドの新聞各紙にもそれぞれ固有の考えがあり、「保守派(穏健派)」と「急進派(独立派)」の2大陣営に分かれていたのかもしれません。急進派の新聞は、当然急進的な主張を掲げ、保守的な考えに対しては批判的な論評を加えたことでしょう。 そこまでは良いのですが、何も保守派の政治指導者を誹謗中傷することはないはずです。しかし、こういうこともなぜか人間はよくやってしまうのです。ゴーカレー教授のことも、いろいろと悪く書く新聞があったのでしょう。それを、ガンディーは強く非難するのです。 彼の考えによれば、どんなに尊敬すべき人物であっても決して全面的に彼に従わなければならないということではないのです。敬意は敬意、尊重は尊重として、自分の意志が異なっているならば自らの良心に従えとガンディーは言います。だとすれば、「私はこの人の考えに同意できない」と言うためにその人を悪人にする必要は別にないのです。 それなのに、どうして人は自分と意見の異なる人のことを激しく罵り、貶め、攻撃しなければ気が済まないのでしょうか? ・・・ |