いや、わたしは別のです [2017年04月27日(Thu)]
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「いや、わたしは別のです。あなたのお兄さんのタラスのところにいたのです」 「そんなこと、どうでもいい。貴様もこうしてくれる!」 イワンは斧を振り上げると、その峰で小悪魔を叩き殺そうとしました。 木の枝にまたがって勝利の快感に酔っていた小悪魔は、イワンが急に仕事を再開して一撃で木を伐り倒してしまったために、その下敷きになってしまったのでした。 つまり、勝利者の立場から一瞬にして哀れな捕虜の身に転落してしまったのです。小悪魔は、「私は前の者とは別の者です」と事情を説明します。 しかし、そんなことは確かにイワンにとってはどうでも良いことです。イワンにとって、小悪魔はやっぱり嫌悪を催させる、即座に排除すべき存在なのでしょうね。前の小悪魔は犂の先に投げ付けようとしたのですが(48)、今度は荷馬車の横木に叩き付けようとします。小悪魔に対してはイワンも結構乱暴なのです。 すると、小悪魔は・・・ |