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おまえのとこ厄介になりに来たよ [2017年03月06日(Mon)]
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 イワンを見るとセミヨンは言いました。「おまえのとこ厄介になりに来たよ。また今度、仕官するまで、おれと家内とを養ってくれよなあ」



 聖書の放蕩息子の場合、「父よ、私は天に対しても、あなたに向かっても、罪を犯しました。もう、あなたの息子と呼ばれる資格はありません」と言ったのですが、父は息子が帰って来たので大変喜んで、早速彼にご馳走を食べさせたのでした。
 しかし、家に残ってずっと父の元で働いていた兄はもちろん面白くありません。彼は、「私は何年もあなたの言い付けに従い、あなたのために働いて来たではありませんか。それでも、私がこんな扱いをしてもらったことは一度もありません。なのに、どうして勝手に家を出て放蕩の限りを尽くし、財産を食い潰してしまった弟にだけこんな歓待をするのですか!」と父に不平を言うのです。
 ここでは、イワンが同じ立場ですよね。彼は、ずっと父の元で勤勉に働いて来たのです。この日だって、苦労に苦労を重ねても自分のやるべき仕事をやり遂げて、やっと家路についたのです。ところが、一日の労働に疲れて帰宅してみると、ずっと家のことなど省みることのなかった兄が戻っていて、しかも先に食事をしていたのです。
 いかに人のいいイワンだって、ここは「ムッ」としたとしても不思議ではありません。しかも、セミヨンはイワンに対して「お疲れ様」の一言もなく、また「済まない」とか「心苦しい」とかいう態度など微塵も見せずに上のような言葉をいきなり投げ付けて来たのです。まったく、弟の所で厄介になるのが当然のような口ぶりではありませんか。
 命からがら帰って来た当日は「まあ仕方がない、まずは食事をさせてやろう」と思うのが人情でしょうが、この様子だと、セミヨンは翌日以降もずっと自分は働かずに無為徒食の居候でい続けるのではないかという疑念も持たれるのではないでしょうか?
 さて、セミヨンのこの尊大ですこぶる虫の好い要求に対し、イワンは果たして何と答えるのでしょうか?
しもかわ読書会2月例会の報告(7)非人道的な奴隷制度を目の当たりにして・・・。 [2017年03月06日(Mon)]
 「しもかわ読書会」2月例会の報告の続きです。
 
●手作りの船でミシシッピ川を下り・・・。
●大都会・ニューオリンズで商売をしたリンカーン。
●初めて訪れた南部の町で見たものは・・・。
●かわいそうな黒人奴隷。
●人間が牛や馬のように働かされる。売り買いされる。
 
 それから・・・
                       (つづく)
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