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彼らはまさに「自治」を獲得していた。 [2019年09月09日(Mon)]
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 一般の人々は、何にも頼らずに自立して暮らしていました。彼らは自分に与えられた仕事として農業に従事していました。
 まさに、彼らは「自治」を獲得していたのです。



 文明についてのガンディーの話の続きです。
 ここで述べられているのは、伝統的な暮らしを続けてきたインド民衆のことです。弁護士や医者が依存的・寄生的・搾取的な職業であるのに対して、農業者は自立的な暮らしを営んできたとガンディーは言うのです。そして、そのような自立的な生活のことを「自治」とも呼んでいます。
 実は、この自治(home rule)こそがこの本の大きなテーマだったのです。(1)しかも、「自治についての本質的な議論はこれからなされるであろう」という予告も以前にされていたのでした(238)
 この時代、インドはイギリスによる植民地支配を受けていましたから、この若い読者も、また多くのインド人も、「インドの自治とは、この国からイギリスを追い払って自分たちの政府を作ることだ」と考えていました。
 ところが、ガンディーにとってはそうではありません。自治とは、すなわち自立した生活なのです。他者に依存しない、ほぼ自給自足の暮らしです。まさに、安藤昌益の「直耕(ちょっこう)」と同様の思想であると言えるでしょう。
 さらに、ガンディーは・・・
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