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弁護士という職業がどのようにして作られたのか? [2019年06月29日(Sat)]
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 そもそも弁護士という職業がどのようにして作られたのか、そしてどういう理由で彼らが尊敬や好意を受けるようになっているのか、これらのことをあなたはよく理解するべきです。そうすれば、きっとあなたも彼らのしている仕事に対して私と同じような嫌悪感を抱くようになるでしょう。


 
 「司法制度はイギリスがインド人民を支配するための道具になっている。そして、その機能を果たすための制度の担い手としてインド人の弁護士が必要になったのだ」というガンディーの主張(509)の続きです。
 さて、これについては次のような反論がありうるでしょう。
 すなわち、「司法制度は国家権力が人民を支配するための手段ではなく、反対に国家権力の濫用から人民の権利を守るためにあるのだ。特に、弁護士はそういう役割なのではないか。だから、弁護士を権力と共に人民を支配する側ととらえるガンディーの見解は誤解ではないか」というものです。
 もちろん、民主的に設立され、民主政治の諸制度が形式だけでなく常に正しく機能している政府の司法制度であれば、そういう目的かもしれません。しかし、彼は当時のインドの政治状況に照らして、「弁護士は何のために作られたのか?」と問うているのです。
 そして、「どうして弁護士は尊敬されるのか?」とも尋ねています。それは、彼の考えに従えば、「法による支配を権威付ける、または神聖化するため。そして権力が定めた法に従うことの正当性を人民に印象付けるため」だということになるでしょう。
 ですから・・・

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