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針の行くところへ糸もついて行かなければ [2017年07月19日(Wed)]
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 イワンの妻は考えに考えましたが、彼女もやっぱり馬鹿でした。「どうしてわたしは、夫に逆うことができよう。針の行くところへ糸もついて行かなければ!」こう言って彼女は妃の着物を脱いで櫃(ひつ)の中にしまい込み、唖娘に仕事を教わりに行きました。そして仕事を覚えると、夫を助けて働きはじめました。



 イワンの妻は、彼に病気を治してもらった王女様です。ということは、当然王族としての教育を受けて来たのだと思われます。しかも、この王国では女性が君主になることは想定されていなかったようなので(そうでなければ、イワンが王様にはならなかったでしょう)、王女様は将来王妃になることを期待されていたはずです。では、王妃の仕事とは何か?・・・最大公約数的に言えば、いつも王様の横にいてニコニコしているのが王妃の仕事だと思われているのではないでしょうか?
 だから、この王妃はいくら悩んでも積極的に自分が何とかしようということは考えられなかったのだと思います。
 「どうしてわたしは、夫に逆うことができよう。針の行くところへ糸もついて行かなければ!」これは、現代的にはまったく支持できない妻のあり方ですが、この場合においては賢明な態度であったと思います。
 というわけで、王妃はイワンと一緒に百姓仕事を始めたのです。もちろん彼女は百姓仕事の知識も技術も持っていなかったでしょう。それで、イワンの妹(口のきけないマラーニャ)からそれを教わったのです。
 では、そのほかの人々はどうしたのでしょうか?
 ・・・
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