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金さえ見せれば、みんなが何でも持って来るし・・・ [2017年07月09日(Sun)]
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 それでタラスの毎日の暮らしは奢ったもので、欲しいものは何でも手に入りました。金さえ見せれば、みんなが何でも持って来るし、働きにも来ました。なぜなら、みんなお金に不自由していたからです。


 
 王様タラスは人民に様々な税を課し、たくさんのお金を手に入れました。
 一方、人民はタラス王からお金を取られ、取られた上にさらなる税金を払えと命令されるのですから、当然何とかしてお金を手に入れようと必死になります。
 それで、タラス王はお金の力で人々を支配するのです。セミヨン王は暴力で(あるいは、暴力を行使されるかもしれないという恐怖によって)人々を支配しましたが、タラスはやっぱり元々商人だったからでしょうか、彼は主として経済的な支配力によって人々の上に君臨し、自らの欲求を満たすために他者を服従させたのです。
 でも、よく考えてみると奇妙ですね。だって、タラス王が持っているお金というのは、本来は人民のものだったわけではありませんか。このようにして、様々な財やサービスを労働によって生み出している人々がなぜか貧しくなり、巧みな収奪者の前に膝を屈するようになるのです。
 ところで、主人公のイワンは一体どうなったのでしょう?
 ・・・
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