第18章「むすび」のまとめ(10)世間に合わせるのではなく、世間に自らを順応させようとするのでもなく・・・。 [2016年12月24日(Sat)]
ソローは、同時代の人々の会話を「雑音」と言い、彼らの関心事に自分はまったく興味がないと言い切ります。
そして、「彼らが関心を持ち、会話している内容は、そのほとんどが衣服や風俗についてである。しかし、どんなにそれを着飾らせたとしても、所詮ガチョウはガチョウではないか」と言って彼らを痛烈に批判するのです。 世間一般の人々に自分も合わせなければならないなんて、ソローはこれっぽっちも考えません。「ぼくがほっとするのは、自分がいるべき場所に着いた時だ。できることなら、ぼくは宇宙の創造者と共に歩んで行きたい」と、彼はむしろ世間を超越した世界で生きたいと願うのです。 「落ち着きがなくて神経質で慌しくてこせこせとした19世紀という時代の中でぼくは生きたくはない。それが通り過ぎる間、自分は思慮深い立ち居振る舞いを保っていたい」。こうソローは言います。彼の目から見たら、この21世紀は一体どんなふうに見えるのでしょうね? そして・・・ (つづく) |