しあわせのコットンボールとは? [2006年05月21日(Sun)]
![]() 手摘みワタのしなやかさと美しさを私たちの手に! ![]() ところが21世紀を迎えた現在、その「和綿」の生産が危機に瀕しています。日本で加工される「綿」の大半が海外からの輸入品に置き換えられ、在来種の種を守り続ける人たちも減り、日本固有の種が絶滅する状態にあるのです。 仕事着、着物、肌着、ふとん、手ぬぐいなど、古くから日本人とともにあって私たちの生活を支えてきた「和綿」はどうして生産されなくなったのでしょう。その原因は経済のグローバル化にあると言ってよいと思います。明治以降、日本で生産されるものより、安くて繊維の長い大量生産向きのコットンがどんどん海外から輸入されるようになってきたのです。 しかし、アメリカ、インドなどで大量に生産され、私たちの生活を支えている綿の栽培のあり方を調べてみると、生産の工程で様々な農薬や除草剤が大量に使われていることがわかりました。私たちが知らないところで綿の生産者は健康被害に苦しみ、河川や土壌などに化学物質汚染をもたらしていたのです。経済や効率をあまりに優先した結果、環境破壊の「種」が全世界にばらまかれてしまったわけです。 こうした話をたかが「綿」の話だと感じる方もいるかもしれません。しかし、綿の生産に使用される農薬は世界の消費量の約25%を占めています。食料ではない「綿」の生産のなかにこそ、現代社会の問題点が色濃く反映されていると思われるのです。 そうした現状に対して僕らでできることはなんだろう? そう考えたところからこの「しあわせのコットンボール」というプロジェクトが始まりました。 ![]() 日本の風土に合った和綿から大地のメッセージを感受し、祖父や祖母が残してくれた糸つむぎ、染め、手織りなどの手業を学ぶことを通して、非効率的と思える作業のなかに眠る本当の豊かさ、喜びを再確認したいのです。 こう考えてみると僕らが目指す最終的なゴールは自然と共生するコミュニティーのひな型づくりになると思います。100年前、田中正造が生命をかけて守ろうとした渡良瀬遊水池を抱える藤岡の地でその種をまき始めようと思います。「希望」の種を一緒にまいてみませんか! 和綿栽培の年間予定 春、大地の上に落とした種が芽を出し、夏の終わりに花を咲かせ、実を結び、秋のそらに精いっぱいはじけて、かわいいコットンボールになります。このコットンボールが一本の糸になり、布地となることを実体験することで、衣の本当のあり方を見つめます。かつての手仕事、手道具を復活させ、本当のスローライフの楽しさ、労苦を体感してみましょう。 3月 床土の準備 5月初旬 種まき 6月〜7月 土寄せ除草 7月下旬 摘心 8月下旬〜 開花 9月下旬 収穫 11月 収穫祭 そして私たちの"夢"は広がります! ![]() ・日本初の和綿オーガニックコットンTシャツの生産 ・ワークショップ・セミナーの実施 綿くり、糸つむぎ、機織りの体験講座、渡良瀬遊水池でのフィールドトリップ、ヨシズ編み、草の家づくり、草のアート、ふとんづくり、服づくりなど。 ・循環型の農業の確立 有機農業の実践 遊水池の生えるヨシのバイオマス燃料化の模索 ・あい栽培の試み 生成綿、有色綿との組み合わせで色のバリエーションを増やす ・織物、染織家の育成 ぜひ、みなさんのアイデアもお寄せ下さい。 お待ちしています! |