CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
渡良瀬エコビレッジは日本古来の循環型の生活
「やまずめぐる」暮らしを目指しています。
衣・食・住のあらゆる場面で生活提案や体験の場を提供しています。

※渡良瀬エコビレッジでは、施設や農地の見学や農産物直売等
は基本的におこなっておりません。
突然のご来訪はご遠慮ください。


和綿畑より [2019年06月28日(Fri)]
和綿畑より。

毎年、毎年、いろんなことが起こる。
今年は種まきの時期に35度を超える気温。
そしてやっと雨が降ったと思ったら、20度以下の日々、と過酷であった。

正常であれば、
種まきしてから1週間ほどで出揃うワタの芽が、
今年は10日過ぎても2週間経とうとしても、気配があまりない。
全部の畑がそうではなかったが、
ちょうどタイミングが良くない時に蒔いたタネは、
それはそれは長い時間、土の中で自分の出るタイミングをジッと待って、
2週間過ぎたところで出てきてくれた…!それは、25度以上の晴天が続いた頃。

蒔いた量の割には出てきた数は少し少ない気がしたけれど、
ずっとやきもきしていたニンゲンとは違って、タネは冷静だ。

これからは草との競争になる。
写真は昨日撮ったものだけど、この時期としては小さい。

あぁ、気候が変わるにつれて、毎年、こういう不測の事象が起こるのか。
少し気が重い。
でも、もう少し、タネのちからを信じてあげないとダメなんだ、
と改めて思った今年の種まきでした。
今年の和綿栽培 [2019年05月29日(Wed)]

こんにちは、事務局です。

今年の和綿の種まきがイベントも含め、ほぼ終了しました。
少し遅れ気味でした・・・

しかし、暑すぎる気候で、蒔いた種も例年より2日くらい発芽が早い気がします。
やっぱり暑いのが好きなんですね、ワタは。
でも日差しが強すぎて、雨も少ないので枯れそうに地面で耐えているワタもあったので
今日の雨と曇り空はありがたいです。

IMG_7830.JPG

今年も3社の服飾業界の企業の方などが種まき体験に来てくれました。
種まきの時期とスケジュールの都合上、なかなか
一般の方向けに種まきイベントができなくなってきていてすみません。

それでもモノづくりをされている立場の方々が
毎年種まきの時期だけでも100名近く来てくださり
色々なことを感じて、衣の大切さや、和綿に触れてもらえることは本当に貴重だと思っています。
ありがとうございます。

IMG_7896.JPG

ポットにまいたものも、畑のほうも発芽しています。

そして今年は新たな場所に、和綿を育てることとなりました!

IMG_8010.JPG

少しずつ、オーガニックの和綿畑を広げて
収穫した和綿を使ってもらえる機会をもっと増やしたいと思っています。

さあ、今年もがんばろう!
4月 新年度スタートです [2019年04月17日(Wed)]

こんにちは、事務局です。

また、久しぶりの投稿になってしまいました・・・

栃木では、すっかり葉桜になり

朝晩も少しずつ、気温が高めになってきました。

でも、まだ遅霜は油断できませんね。

まもなく、稲の種まきも始まります。

夏野菜も、苗作りしています。



しばらく発行していなかったニュースレターですが

やっと4月春号として完成しました。

こちらにも載せておきます。

会員の方には、郵送などでお送りします。少々お待ちくださいませ。

2019.4月瓦版.pdf

2019.4月瓦版_1.png

2019.4月瓦版_2.jpg


その他、近況の方はといいますと

和綿栽培の方で、新たな展開が・・・!

5月になれば、こちらでも報告できると思います。

商品化、ではないのですが、それに関わる重要なこと、です。



では、皆さん短い春を楽しんで

大型連休の方は、充実したお休みを〜。

エコビレッジは関係ございません〜。

Posted by 渡良瀬エコビレッジ at 11:38 | 渡良瀬エコビレッジ | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
2019年 イベントがはじまります! [2019年02月04日(Mon)]


こんにちは、事務局です。

しばらく、また更新しておりませんでした・・・
イベントのお知らせのみになってしまい、申し訳ございません。


2019年もどうぞよろしくお願い致します。
はやくも、今年最初のイベントのお知らせです!

今回は、これまでと違う内容・形になりますので、ご注意を!

縄文2019.2_3.jpg
(クリックして拡大可)

「 縄文の畑で 

春先、和綿畑では、収穫後の枯れ枝を刈り取って焼きます
その火を使って、土器などを作ってみませんか?
この畑では、土錘(漁に使う網につけるおもり)という土器も出ています
炎の中から、どんなものが生まれてくるでしょうか

<造作の回> 
2月24日(日) 午後1時半〜3時半
<火入の回>  
3月3日(日)  午前9時〜午後3時


場所:渡良瀬エコビレッジ

火入の回は、強風・雨など悪天候の場合、中止にさせていただきます。
後日エコビレッジで焼き上げますので、ご了承ください。

❶ 造作の回 
  参加費:会員:1,000円 非会員1,500円(材料費・お茶代込)
  内容 :粘土で古代笛を作ります。その他好きなものを作ってください。
     (1人当たり使える量が決まっています)
      完成した作品は、エコビレッジで預かり、乾燥させておきます。

❷ 火入の回 
  参加費:会員:2,000円 非会員2,500円(材料費・昼食代込)
  内容 :乾燥した作品を、和綿畑で焼き上げます。火入から完成まで、
      見届けたら、完成した笛の音色を奏でましょう!
      暖かい服装でお越しください。また、畑仕事用の手袋、靴を持
      ってきてください。火を扱う際の服装は、ナイロン系の素材は
      避けてください。
 
       ※小学生は、各回1,000円の参加費をいただきます。
       ※2回参加できる方を優先させていただきます。

        お申込みは、 2月18日(月)まで受付


<申込・問い合わせ先> 
NPO法人渡良瀬エコビレッジ
栃木県栃木市藤岡町大前1729−1
TEL/FAX 0282-62-6-2677
MAIL watarase-ecovillage@bz03.plala.or.jp


<教えてくれる人 風悦さんについて>
北海道出身、栃木市在住。
元僧侶。陶芸・舞踏・野草酵素研究とジャンルを超えたユニークなアーティスト。

「縄文から私達人間は火を使い 自然界に神を感じ 日々を暮らしてきました。
火の神は 私達に多くの知恵を授けてくださいました。 地 水 火 風 空 ー。
無 から この手を通じ炎を通って生まれてくる。
もしや 何千年先と 私達が作った作品が
後生に残るかもしれないという 壮大な ロマンがあるのです。
恵みを与えてくださった神々に感謝し 祈りが炎となって
天に昇り 縄文の意識と繋がり 未来へと繋がります」






Posted by 渡良瀬エコビレッジ at 11:22 | 渡良瀬エコビレッジ | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
11/24 収穫祭のお知らせ [2018年11月06日(Tue)]

「渡良瀬エコビレッジ収穫祭 2018」


厳しい夏も遠くに去り、度重なる嵐の発生も終わり
静かに深まる秋―
青い空の下では、虫たちが何事もなかったように 最後の仕事をしている
そして、私たちも今年の終わりの秋に
一年の感謝と、一日の出逢いの収穫祭

■日時:11月24日(土)午前10時〜午後4時
■場所:渡良瀬エコビレッジ


■参加費:一般2,500円/会員2,000円 
小学生1,000円/幼児500円
■内容・スケジュール
・午前中
  綿つみ、野菜の収穫
・昼食
  あん、きなこ、のり、なっとうで食すつきたて玄米もち、ポテトのオーブンチーズ焼き
  炭火焼き、旬野菜のサラダ、けんちん汁など
・午後
  バンド演奏:渡良瀬エコビレッジバンド
  アイヌ楽器ムックリ演奏:星野工
  琵琶創作弾き語り:伊勢帳法師
  紙芝居:(作・画:舘野富子、読み手:風えっちゃん)
 
春の渡良瀬遊水地・谷中湖でのカヌー、夏の里山ツリーハウス遊びとトレッキング、
和綿100%まくらの製作など、新しい出来事が多かったこの1年のご報告もおこないます
※汚れても大丈夫な靴、暖かい服装でお越しください

申込み受付は、11/21(水)までとなります。

〖同様の内容のチラシPDFも添付しておりますので、ご活用くださいませ〗

皆様のお申込みお待ちしております!どうぞよろしくお願い致します。

2018.11.24.jpg

2018.11.pdf
Posted by 渡良瀬エコビレッジ at 15:04 | 渡良瀬エコビレッジ | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
7月イベント開催のお知らせ [2018年07月06日(Fri)]
「夏の日、里山で」

IMG_6109.jpg


ツリーハウスの上の岩山は、かつて実生の赤松に覆われていた
松は建築材の梁や板に多用され、日本人にとって一番大切な木だった
もちろん、葉は燃料に、肥料に利用され、松茸も獲れた
その山は、猪・鹿・熊―
誰にも見向きもされなくなった山は、どこへいくのでしょうか?
そんな山を歩いてみましょう


○日時:7月22日(日)10時30分〜15時30分 小雨決行

○参加費: 大人2,000円/子ども(小学生)1,000円/未就学児500円
※暑さに弱い乳幼児は、空調のない場所での活動になりますので、ご参加はご遠慮ください。

○内容:
午前中は和綿畑見学、昼食は竹で流しそうめんをやります。
午後は里山で、ツリーハウスライブ、山越えトレッキングをした後は、山小屋でひと息。
ツリーハウスライブ:渡良瀬エコビレッジバンド、レッドシダーズフロー(インディアンフルート)

○持ち物・服装
山歩きできる服装、飲み物、帽子やタオルなど暑さ対策を万全に

○申込みは7/17(火)まで!
参加者氏名、人数、当日連絡のつく電話番号、大人と子供の内訳、来訪方法をお知らせください。

<申し込み・お問い合わせ>
NPO法人渡良瀬エコビレッジ 栃木市藤岡町大前1729−1
TEL/FAX 0282-62-2677
MAIL : watarase-ecovillage@bz03.plala.or.jp


イベントフライヤー
2018.7.22.jpg
Posted by 渡良瀬エコビレッジ at 17:37 | 農産物通信販売 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
夏のイベントのお知らせ [2018年06月12日(Tue)]
皆さんこんにちは、事務局です。

梅雨入りして、すっきりしない天気が続いていますが
元気でお過ごしですか?
暑いような肌寒いような天気で、着るものに困る日々です。

農作業していると暑いのですが、夕方になってくると寒いのですよね・・・


4月にカヌーと渡良瀬遊水地のイベントをおこなってから、

5月の企業さんとのワタの種まきイベントを無事に終えて、

7月に、里山をメインとしたイベントを考えています。

日程は7月22日(日)です!

流しそうめんを食べて、午後はツリーハウスで音楽を聴いて

山越え歩きをして、里山の東屋でひといきお茶・・・

そんな夏を楽しむ内容を予定しています。

今月末には、詳細を掲載できたらと思っています!

もう少々お待ちくださいませ〜。



実は、まだ田植えが始まっていないのです・・・
綿の草も勢い良く伸びていて、慌ただしい日です。


Posted by 渡良瀬エコビレッジ at 08:58 | 渡良瀬エコビレッジ | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
【4月イベント参加者募集開始】 [2018年04月02日(Mon)]
2018.4.22.jpg

こんにちは、渡良瀬エコビレッジです。
週末も天気が良く、野山の桜が満開になっていました。
4月のイベントも気持ちのいい天気になることを願っています。

本日から、参加者の募集を開始いたします。

「まるごと渡良瀬遊水地」

■日時: 4月22日(日)午前9時半〜午後4時
(通常より30分集合が早いのでご注意ください。)
■場所: 渡良瀬エコビレッジに集合のち、渡良瀬遊水地に移動
■内容: 
午前中は、谷中湖でカヌー体験をします。
参加者数にもよりますが、1人30分前後で初心者でもOKです。
昼は、エコビレッジの用意したお弁当を食べます。
午後は、ヨシ焼き後の新芽の出た湿地を探検します。

■参加費: 3,500円(カヌー体験なし2,500円)
小学生 1,500円(カヌー体験なし1,000円)、幼児500円
※カヌー体験は、先着20名まで、未就学児童は参加不可です。保険料・昼食込み

■申込み方法
参加者数、大人子どもの内訳、来訪方法、当日連絡先
カヌー体験出欠を4月16日(月)までにお知らせください。
■持ち物
カヌー参加者は、膝まで水がつかるので、ズボンタイプのカッパ、ストラップ付のサンダル、着替え、ウィンドブレーカーのような風を通さない上着、防寒着をご持参ください。

チラシを添付しますので、お知り合いでご興味がある方に
ぜひご共有いただければ幸いです。
一緒に春の渡良瀬を楽しみましょう!

<問い合わせ・申込み先>
Tel/Fax 0282-62-2677
Mail watarase-ecovillage@bz.03.plala.or.jp

Posted by 渡良瀬エコビレッジ at 14:51 | 渡良瀬エコビレッジ | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
イベント開催のお知らせ [2018年03月29日(Thu)]

ブログをご覧いただいている皆様、ご無沙汰しております。

随分と更新をサボってしまい、すみませんでした・・・。

すっかり季節は春になり、ここら辺の桜も満開のピークを少し過ぎつつあります。


昨年11月の収穫祭が事情により、中止になったことから

イベントがしばらく開催できていませんでしたが

4月22日(日)に開催することになりました。

ここ数年は、5月からの綿の種まきでスタートすることが多かったですが

今年は、お弁当を持って、
春の渡良瀬の野に出て、水辺や湿地で皆さんと遊べたらと思っています。

詳細は来週明けにも、こちらでお伝えしたいと思います。

お楽しみに!
Posted by 渡良瀬エコビレッジ at 10:51 | 渡良瀬エコビレッジ | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
代表・町田武士の歩みとこれから [2018年01月01日(Mon)]

2012年7月、ラムサール条約登録湿地になった『渡良瀬遊水地』。
そこから1キロほど離れた集落に私は生まれた。
ここ藤岡は、縄文時代の遺跡もたくさん発掘され、起伏に富んだ地形は、
歴史と自然の豊かさを物語っている。
昭和30年代頃は、道路もアスファルトにされておらず、
雑木山や田畑・水路には、多様な生き物が溢れていた。
農村の草の匂い、土の感触に育てられた私にとっての原風景である。
その後日本は、経済の高度成長・効率優先の工業化社会となっていった。
農業は農薬や化学肥料中心の栽培になり、
水田の基盤整備、大型機械の導入は、田園の生態系をすっかり変えた。
私は、実家の農業が時代遅れの職業で恥ずかしいと思いながら、小・中学時代を過ごした。
高校生になった時、化学の教師である猿山先生が大気汚染や河川の水質調査をしていて、
環境が大変深刻な状況だと教えていただいた。
同時に、公害問題や社会問題に関する本をむさぼるように読んだ。
そして、死の直前まで「自治村・谷中村」の復活を希求してこの世を去った
田中正造の思想に感銘を受けた。
足尾鉱毒事件で家屋を強制破壊された後も、
残留村民たちは、麦をまき、漁をして仮小屋で生活を続けた。
正造は、国家形成以前の様な原初的で、
たくましく自然と共存する彼らの姿に神々しさを見出した。
そして、「村民を指導する」から「村民に学ぶ」に変わっていったという。
やがて私も、そこに通じるような生き方、自給的な農業に関心が向いていった。
そんな時見たテレビ番組のなかで、1人の若者が四国・伊予の福岡自然農園を紹介している言葉にひかれた。
高校を卒業した7月の夏に、私は農業の実習でそこへ行くことにした。
堂ケ谷というみかん山を、月明かりの中、福岡さんに案内された場所は、ろうそくの灯りだけの物置を改造したあばら屋だった。
電気も水道もなく、調理は土のかまど一つ。玄米と1汁1菜の食事。
朝早くから谷に水を汲みに行き、ヤギ用の草刈り、マキ作りと目まぐるしく働いた。
田んぼの草取りやみかん園の草刈りと、すべて手作業の仕事は驚きの連続だった。
自然農法の提唱者であった福岡さんは、不耕起・無除草、無農薬を試験的におこなっていたが、
実際は理論通りにはいかず、難しい技術だと私は実感した。
だが、みかん園の道標に福岡さんが書いた、「1木1草に神宿る」という言葉が印象に残り、
身近なものや日本的な衣食住の大切さを見直すきっかけとなった。
そして、1年半ほど過ごした山小屋を様々な想いを抱いて出発。
自分の力を試すため、玄米と味噌と梅干を持って、栃木まで歩いて帰った。
自炊と野宿を基本に、道に生えている野草を食べながら約50日間の旅を終えて、
大きな充足感、畳の上に寝られることの安心感を得、
ただ生きていることのありがたさに感謝したのだった。

1974年、私は20歳となり自宅で農業を開始した。
まずは稲の不耕起栽培を試みたが発芽に失敗し、
急遽、水苗代の手植えに切り替えて、水田2枚(3反5畝)と畑2反からスタートした。
当時は、無農薬や有機栽培の指導書がなく、悪戦苦闘しながら、
ハクサイやダイコンなどをまいたが、うまく出来ず悩んでいた時、
「本物の野菜の作り方」藤井平司氏著に出会い、
実際に何度かご指導を頂き、少しずつうまく出来るようになった。
野菜には、それぞれに育つ環境があること(自生地)、
地下水や風の影響など、今までの栽培学ではあまり触れられていない事実に気づかされた。
野菜の「野」は野性の野で、1人で野に育つともおっしゃっていた。
また、その土地に元々あるしきたりや技術を大切にしなさいと何度も言われ、今も肝に銘じている。
農産物販売は、最初の1,2年苦労したが、色々なところから声がかかり、
栃木・埼玉に共同購入のグループができ、2つの保育園の給食にも利用してもらった。
おかげで、20歳〜35歳頃までは安定した収入を得ていた。
しかし、多種類の野菜のタネまきと収穫は忙しく、水田の作業と重なった時期はとても大変だった。
その後、田んぼは成苗2本植え機械の技術を導入して、
少しは労力が軽減したが、草取りだけはずっと重労働だった。
その間に学んだ、農薬を一切使わない栽培の道は簡単だが難しく、
自然界が厳しさと優しさが表裏一体なのと同じ様に感じた。
アブラムシやヨトウムシ、病原菌の中でも命をつなぐ植物たちの姿は、
あらゆるものを受け入れて存在する地球上の奇跡と言えるかもしれない。
すべてが紙一重で成り立つ法則があるように思う。
最初のころは自然農薬を作り、対処療法を試みたが、今はほとんど何もしていない。
私たち家族は、病気になってもあまり薬や現代医療に頼らず、
自分の中にある力と、家族の力で助け合って、この40年間過ごしてきた。
野菜の育て方も、人間の身体の育て方も「いのち」という観点からすると、
かなり共通していることがあると気付き、なんとなく上手く出来るようになった。


 日本列島にリゾート開発の嵐が吹いていた頃、遊水地にも「アクリメーション構想」
というゴルフ場を3つも作る計画があると知った。
そんな時、1989年8月に藤岡町で開催されたシンポジウムに、
県のゴルフ場問題連絡会で活動されていた日本野鳥の会の高松さんがパネラーとして呼ばれた。
野鳥を中心に、遊水地の自然の素晴らしさをお話していただいた。
その会場で、前出の高校の恩師、猿山先生と20年ぶりに再会した。
やがて、地元で遊水地に関心のある人たちと「水土と緑を考える会」という市民運動を一緒に発足した。
そして、広大なヨシ原の大切さ、公害の原点である谷中村が歴史的に重要な場所であるということに気づかされた。
その後、20数年間に渡る様々な人たちの運動が「ラムサール条約湿地」の登録という成果を出した。
その中で私は、環境問題や農業のことを考える活動の場の必要性を感じ、
1992年から3年ほどかけて、伝統工法の民家を新築した。
自然素材を使い、マキストーブ、かまど、囲炉裏、五右衛門風呂、
コンポストトイレや井戸などを整え、環境に負荷を与えない家を目指した。
現在活動しているNPO法人渡良瀬エコビレッジ(後出)の拠点となっている。

とはいえ、すべてが順調にとは行かず、家の建築中に梁から落ち、
頭を打つ大ケガをしたり、予算オーバーで借金をしたり、
3人娘の教育費がかかる時期が重なったりと、幾多の苦しみを味わった。
現金収入を得るために、初めて3年間アルバイト生活もした。
やがて借金返済もメドが立って来た頃、妻と共に自家製小麦を使ったうどん屋「あき津亭」を始めた。
しかし、農業と客商売の両立は難しく5年間で店を閉じた。
営業をしていた時、佐野市在住の音楽業界出身で環境問題に取り組む、
NPO法人エコロジーオンラインの上岡さんと25年ぶりに再会し、意気投合した。
彼と交流のあった音楽家・坂本龍一さんの「コンサートの記念Tシャツを和綿でできないか」
という一言から、栽培に名乗りをあげ、2002年日本の在来種である和綿栽培を始め、
5年後の2007年に30kgの和綿から日本初の和綿Tシャツを90枚、
多くの有志の力で完成することができた。
そのTシャツは、元アメリカ副大統領のアル・ゴア氏が発起人となり
世界7大都市で同時開催した環境問題をテーマにしたコンサート「ライブアース」の日本公式Tシャツとなった。
日本で出演した坂本龍一さんにも届けられ、サイン入りTシャツはチャリティオークションで28万円の値がついた。
和綿が形になったことは大変有意義だったが、外国綿と比較にならないコスト高のため、
その後は利用法が決まらなかった。
栽培を縮小するか迷っていたとき、和綿Tシャツの話を聞いて興味を持った
大手繊維商社から商談が舞い込んだ。
2010年には、和綿を使ったストールの製品化が実現した。
その間に、2つの大きなアパレルメーカーとも契約し、
3反の畑から収穫したワタは全量買い取っていただいている。
苦労もあったが、和綿の方は軌道に乗り始めている。

一方、家族経営の有機農業とは別に、隣町の岩舟町で里山再生を手掛けたことを機に、
2007年からNPO法人渡良瀬エコビレッジを設立した。
近隣に住む構成会員たちと共に、里山利用と和綿の栽培を運営の柱にした
循環型農業の普及を目指している。
エコビレッジは特定の村ではなく、伝統工法の家を中心に、
会員、一般参加者、協働する企業の社員やその家族などに向けて、
年間を通じてイベントを開催して活動している団体である。
和綿栽培なら、種まき・草取り・収穫祭。
里山なら、田植えや稲刈り・ツリーハウス遊び・野外コンサートなど、年間に600人ほどを受け入れている。
自家製オーガニックランチも人気で、リピーターが来る大きな理由だ。
ある親子が、5年ほど前からエコビレッジのイベントに毎年参加している。
里山での田植えと稲刈りを楽しみにしていて、お父さんの実家の正月には、
自分たちで手植えをしたモチ米で餅つきをする。
そして小学生の息子さんは、「将来、町田さんみたいに農業をやるんだ」と言ってくれる。
農事イベントだけでなく、今では繊維商社の方と遊水地で一般参加向けの駅伝大会を開催するようになり、今年で4回目を迎える。
そこから、栃木市との連携も出来はじめ、ラムサール条約の担当者の人たちと地元発の和綿商品化に向けて取り組み始めた。
更に今年からは、「タデアイ」を1反(300坪)に植え、藍染に使う染料のすくも作りに挑戦しはじめた。
田中正造は、16歳から19歳の時、佐野市周辺で栽培されていた藍のすくもを販売して得た利益で、社会運動に乗り出したそうだ。
それに習って、この取り組みを「正造ブルー」プロジェクトと名付けた。
江戸時代に訪れたヨーロッパの人々が日本を見て青い国と言い、
藍のことをジャパンブルーと名付けたという。高台にワタを、低地に藍を作る。
自然地形を生かした農業は、多様性を生み、食糧だけでなく、
服も畑から出来ることを実現していけば、新たな仕事の創出になるだろう。


私は父を亡くした後の春先、耕耘が遅れた田んぼをトラクターの上からふっと見た風景が忘れられない。
赤や紫、黄色の花を咲かせた草が、バランスよく立ち並び、虫たちが飛び交う躍動感。
それを美しいと感じたのだ。
たが他方、大規模水田は草一本なく、虫も蛙の声も聞こえず、人の姿も殆ど無いその寂しさ。
そして様々な生き物たちが減り続けるように、農業の後継者も減少している。
我が家を継ぐことになった3女は今年、縁あって藍染師と結婚した。
私はあと10年は現役で、谷あり山ありの農業を楽しみたいと思っている。
衣食住すべて土にあり。ブラボー。

(NPO法人 渡良瀬エコビレッジ理事長 町田武士)
Posted by 渡良瀬エコビレッジ at 00:00 | 渡良瀬エコビレッジ | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
| 次へ