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2019年08月09日(Fri)

絶対値基準D(受取会費@)

認定NPO法人制度について、解説をしています。

認定NPO法人の8つ要件の中で最大の難関であるパブリックサポートテストについて、見ています。

パブリックサポートテストの中でも絶対値基準について見ています。

今回から勘定科目別にPSTに算入する際の注意点を述べたいと思います。

今回は、受取会費のPST算入についてみてきます。


1.受取会費の取り扱い

受取会費については、正会員の会費は、絶対値基準では、寄付金として算入することはできません。

一方で、賛助会員の会費等については、実質的に判断して、明らかに贈与と認められる会費については、その名称にかかわらず、PSTの判定上、寄附金として取り扱って差し支えないこととしています。

それが述べられているのが、Q&A3-2-2です。

3-2-2 PSTの判定に当たって、会費を寄附金として取り扱うことはできるのでしょうか。 【第45条1項1号】

A:「寄附金」とは、支出する側に任意性があり、直接の反対給付がない経済的利益の供与と考えられます。

一方、「会費」とは、サービス利用の対価又は会員たる地位にあるものが会を成り立たせるために負担すべきものであって、寄附金と異なり対価性を有するものと考えられます。

したがって、会員から受領する「会費」については、一般的には、PSTの判定上、寄附金の額として取り扱うことはできません。

ただし、会費という名目であっても、定款や規約等から実質的に判断して、明らかに贈与と認められる会費(すなわち対価性が認められない会費(注)。いわゆる「賛助会費」がこれに該当する場合が多いと思われます)については、その名称にかかわらず、PSTの判定上、寄附金として取り扱って差し支えないこととしております。

なお、絶対値基準においても同様に、定款や規約等から実質的に判断して、明らかに贈与と認められる会費については、その名称にかかわらず、PSTの判定上、寄附金として取り扱って差し支えないこととしております。

(注) 対価性の有無の判断に当たっては、例えば、不特定多数の者に対して無償で配布される機関誌等を会員が受け取っている程度であれば、対価性がないものとして取り扱われます。


2.明らかに贈与と認められる会費とは?

「会費という名目であっても、定款や規約等から実質的に判断して、明らかに贈与と認められる会費(すなわち対価性が認められない会費(注)。いわゆる「賛助会費」がこれに該当する場合が多いと思われます)については、その名称にかかわらず、PSTの判定上、寄附金として取り扱って差し支えないこととしております。」としています。

そして、注書きで、「対価性の有無の判断に当たっては、例えば、不特定多数の者に対して無償で配布される機関誌等を会員が受け取っている程度であれば、対価性がないものとして取り扱われます。」とあります。

従って、賛助会費で、会費を支払ったことで、無償で配布されている機関誌等が賛助会員に送られているような場合には、その会費(名称は「賛助会員」でなくても、なんでもいい。ただし、議決権はないこと)は、寄付金としてカウントすることができます。

問題は、「無償で配布される機関誌等以外のなんらかのメリットが、賛助会員に与えられた場合に、寄付金として取り扱うことができるのか、という点です。

「実質的に判断して、明らかに贈与と認められる会費については、その名称にかかわらず、PSTの判定上、寄附金として取り扱って差し支えない」と述べられていることから、この規定が適用されるのは、無償で配布される機関誌等に限らないはずです。

例えば、1万円の賛助会費を支払った人に、500円で販売されている会報が送られているというときに、1万円の会費は、500円の会報のための対価とは到底考えられませんので、1万円の会費は「実質的に判断して、明らかに贈与と認められる会費」と考えて差し支えないのではないかと思います。


3.所轄庁の取り扱い

しかし、内閣府のQ&Aには、以下のものがあります。

3-2-10 PSTの判定上、賛助会費を寄附金として計上するためには対価性が認められないことが条件になっています。この対価性について、例えば、10,000円の賛助会費を払えば、施設利用等で5,000円の割引が受けられる場合、対価性はあるものの、その対価はあくまで5,000円の割引部分のみと考えてよいですか。

つまり、10,000円の賛助会費から割引分を引いた残りの5,000円分については、対価性がないものとして寄附として取り扱うことはできますか。

それとも、賛助会費の一部分の金額であっても対価性が認められれば、その対価が何割であろうと当該賛助会費は寄附金とみなすことはできないのですか。 【第45条1項1号】


A:本件の賛助会員は会費を支払うことにより、会員割引のサービスを得ることができることから、賛助会費には対価性が認められます。

したがって、割引金額の多寡に関わらず、賛助会費10,000円の全額が寄附金として取り扱うことはできないと考えます。



所轄庁の運用では、一律に、なにか特典がある場合には、「対価性のある取引である」という取り扱いを受けるケースが多いのが実態です。

このように、金額のバランスを考慮せずに、一律に値段がついているものを送ったら贈与ではない、という取り扱いは、「実質的に判断して、明らかに贈与と認められる」という考え方にも合わないのではないか、と考えます。


次回は、受取会費について、もう少し細かく見ていくことにします。



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