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NPO会計道

「会計で日本のNPOの発展に貢献したい!」という思いで始めたブログです。NPOの会計や税務はどのようになっているのか、どうあるべきかを考えていき、NPO会計の道を究めることを目指しています。
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NPO法人と収益事業(3) [2007年04月07日(土)]
 
 NPO法人の「収益事業」、つまり法人税が課税される事業とはどのような事業なのかを、2回にわたってみてきました

1回目(ここを参照)は

@ NPO法人は原則として法人税は非課税

A NPO法人が法人税非課税である理由は、「公益的な事業を行っているから」ではなく、「利益の分配をしないから」である

B 従って、「特定非営利活動に該当するかどうか」ということと「法人税が課税されるかどうか」ということは関係がない


という話でした

2回目(ここを参照)は

@ NPO法人は原則非課税であるが、「営利企業と競合する事業」には課税する

A 「営利企業と競合する事業に課税する」のは、そうしないと、営利企業と平等な競争にならないから、つまり市場競争の公平のためである

B 収益事業の定義は、
(1)  継続して行う事業であること
(2) 事業場を設けて行う事業であること
(3) 政令で定める33の事業のいずれかに該当するものであること
   の3つを定めている


という話でした。


 今回は、「なぜ公益的な事業に課税しない」という考え方をとらないのか、ということについてもう少し詳しく述べていきます。


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1. なぜ「公益的な事業」を非課税にしないのか? 

 NPO法人の原則非課税の考え方は、「公益的な事業に課税しない」のではなく、「利益の分配をしないから課税しない」ということでした。
 
 ただし、「営利企業と競合する事業は課税する」ということでした。


 しかし、NPOの関係者としては、「私たちは世のため人のためになる仕事をしているのだから法人税を課税するのはおかしい」と考える方が多いと思います。

 収益事業課税の中には、一部このような考え方を取り入れています
(例えば障害者が過半数従事する事業については非課税など。詳しくはここを参照)

 しかし、原則としては、そのような法律構成にはなっていません。

 なぜでしょうか?


2.「公益的かどうか」の判断が必要

 立法論(法律を作るときの考え方)としては、「公益性が強いから課税しない」という考え方はあり得ます。

 事実、アメリカなどの諸外国はそのような考え方で営利法人については国税庁(内国歳入庁)の認定を受けた場合には非課税になるそうです。
 
 しかし、「公益性が強いから課税しない」とするためには、「誰かがそのNPO法人の活動が公益性が強いかどうかを判断しなければいけない」のです。

 
 「所轄庁から認証されたのだから公益性が強いのはわかるだろう」というかもしれませんが、NPO法では、他の公益法人とは違い、所轄庁の許可を受けた団体の法人化が認められるわけではありません。


「所轄庁はNPO法人の活動内容の価値判断に踏み込めないことになっているので、主たる活動分野が定められた分野のいずれかに該当していて、不特定多数を対象にしている団体であり、法令等に違反していなければ「あんな活動に公益性があると言えるの?」と疑問を抱くような場合でも、認証し、法人化を認めざるを得ません」(新版 NPO法人ハンドブック シーズ出版)

 
 つまり、「NPO法人であるから公益性が高いので法人税は非課税にすべきだ」という理論は成り立たないのです。

 もし、公益性が高いかどうかで法人税を課税するかどうかを判断するのであれば、事前に、所轄庁とは別の機関から「公益性が高い」というお墨付きをもらう必要があるのです。

 アメリカは国税庁(内国歳入庁)がそれを行っています。

 個々の税務署(あるいは税務署職員)が、その団体の活動が公益性が高いかどうかを判断するというのは、どう考えてもふさわしくありません。


3.新しい非営利法人制度 

 今の財団法人、社団法人及び中間法人が統合されて新しく非営利法人制度ができるという話はご存知でしょうか?

 実は、この「非営利法人制度」には、「公益的な事業を行う法人は原則非課税とするが、公益的な事業を行わない法人は原則課税とする」という考え方が盛り込まれています

 公益性がある法人を「公益社団法人」又は「公益財団法人」とし、それ以外の法人を「一般社団法人」又は「一般財団法人」と分けて、税制上の扱いを分けています。

 そして、「公益性があるかどうか」については、「民間の有識者が判断する(メンバーも発表されています。ここを参照ください)」という仕組みになっています。

 つまり、原則非課税になるには、「公益性がある」と「民間の有識者が判断する」必要があるということです。

 良い制度だと思われますか?

 この制度の問題は、「公益性があるかどうか」をどのような基準で判断するのか?ということが大変難しいということです。

以上、まとめます

NPO法人→
 利益の分配をしないので原則非課税
 営利企業と競合する事業のみ課税
 営利企業と競合する事業であるかどうかという趣旨で、法人税法の収益事業を定義
 (継続的に事業場を設けて政令で定める33事業を営む)
 現実には、収益事業の判断は難しい

新しい非営利法人→
 民間の有識者が「公益性があるかどうか」を判断
 公益性ありとした法人は「公益社団法人」等となり、原則非課税になる
 「公益性があるかどうか」をどのように判断するのか? 

 
 みなさんはどちらの制度がいいと思われますか?
 もしご意見がありましたらコメントください。

 なお、20年度の税制改正で、収益事業課税については大幅な見直しが検討されています。
 NPO法人もこの影響を受けることが予想されます。


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コメント
NPO法人の「その他の事業」と「収益事業」について、ずっと疑問を抱えているので、とても参考になります。
基本的にNPO法人に対しては市民が監視を行っていくことになっていますが、その「公共性」については曖昧だと思います。結局チェック無しではないでしょうか。NPO法人でも「公共性」をうまく利用して隠れ蓑に、会社とセットで金儲けに走るあやしいNPOもあります。公的な評価機関があればいいと思いますが・・・
Posted by:roman-tan  at 2007年04月08日(日) 07:55
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