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2019年04月16日(Tue)

NPO法人等の消費税(対価性)
NPO法人、一般社団法人、一般財団法人などの非営利法人(「NPO法人等」とします)の消費税について、連続してみていくことにしています。

NPO法人等の消費税で、注意点を以下の3点と考えます。

1. 対価性があるのかどうか
2. 非課税規定の適用を受けるのか
3. 特定収入に係る仕入税額控除

このうち、「1.対価性があるのかどうか」という問題について、まずは見ていくことにします。






1. 消費税の課税対象

消費税の課税の対象となる取引は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等及び外国貨物の輸入です


NPO法人等で問題になるのは、「対価を得て行う」というところです。

NPO法人等の場合には、会費、寄付金、助成金、補助金等、対価性のない取引が多いのが特色ですが、「会費」「寄付金」などの名目であったとしても、それが対価性があるのかどうか、微妙なものも多いからです。

そこで、この「対価性」について、より詳しい分析が必要になります。



2. 対価性について

対価性について、国税庁のWEBサイトでは、下記のように説明されています。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6113.htm

No.6113「対価を得て行われる」の意義

消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行われる取引に課税されます。

この「対価を得て行われる」とは、資産の譲渡、資産の貸付け及び役務の提供に対して反対給付を受け取ることをいいます。

例えば、商品を販売して代金を受け取ったり、事務所を貸し付けて家賃を受け取ったり、工事を請け負って代金を受け取ったりするような取引です。

また、交換、代物弁済、現物出資などのように金銭の支払を伴わない資産の引渡しでも、何らかの反対給付があるものは、対価を得て行われる取引になりますので、課税の対象となります。

負担付き贈与については、その負担部分を対価として行われる取引になります。

しかし、単なる贈与や寄附金、補助金、損害賠償金などは、原則として対価を得て行われる取引に当たりませんので、課税の対象になりません。

また、試供品や見本品の提供は対価を受け取らない限り課税の対象になりません。その他、商品を販売する際にサ-ビス品をつけたり、自社製品を得意先に無償で贈与した場合も対価を得て行われる取引となりません。

なお、個人事業者が自分が販売する商品などを家庭で使用したり消費した場合や、法人が自社製品などをその役員に贈与した場合には、対価を得て行われたものとみなされ、消費税の課税の対象となりますのでご注意ください。

(消法2、4、消令2、消基通5−1−2、5−1−4から5、5−2−1、5、14、15)



ここで重要なのは、下記のところでしょう。

「この「対価を得て行われる」とは、資産の譲渡、資産の貸付け及び役務の提供に対して反対給付を受け取ることをいいます。」


つまり、「対価性がある」とは、なにか物を提供したり、貸付をしたり、サービスを提供したことで、その提供した側から金銭などの給付を受けることを意味します。



3. 資産の譲渡等と対価の関係

物を提供したり、貸付をしたり、サービスを提供したこと(=資産の譲渡等)と、その提供した側から金銭などの給付を受けること(=反対給付)との関係で、判断が難しいこととして、以下の2点があるのではないかと思います。

@ 対価性の問題として、資産の譲渡等と反対給付の関連性をどこまで求めるのか。

A 対価性があるとされるためには、資産の譲渡等と反対給付の間に同等性が求められるのか。


@ は、主に、会費に関連して問題になることが多いように思います。

  会費を受け取ったということと、サービスを提供することとの関連性がどこまで求められるのか、という問題です。

A は、主に、受取寄付金に関連して問題になることが多いように思います。
 
  クラウドファンディングのように、何らかの見返りがある寄付があった場合に、それを対価と考えるのかどうか、という問題です。

 

 
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