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«「その他の事業」のNPO法人会計基準での取り扱い | Main | 任意団体への遺贈寄付»

2019年03月15日(Fri)

遺言による寄付と相続財産の寄付の違い(1)
今日からしばらく、遺贈寄付の税務について書きたいと思います。

遺言による寄付の場合に、寄付先が一般社団法人や一般財団法人、認定を受けていないNPO法人であっても原則として相続税は課税されない、という話をすると、びっくりされたり、間違いじゃないか、といわれたりします。

NPO法人などのホームページを見ても、よく、「当団体は認定NPO法人なので、遺贈寄付をした場合には相続税が課税されません」というような言い方をしているケースが多くあります。

相続人による相続財産の寄付については、これは正しいのですが、遺言による寄付の場合には、取り扱いが違います。

今回から、しばらくこの話をしたいと思います。


1. 遺言による寄付と相続財産の寄付の違い

遺贈寄付には、大きく「遺言による寄付」と「相続財産の寄付」があります。

「遺言による寄付」とは、名前の通り、遺言で、「NPO法人●●に寄付をする」と記載し、その方がお亡くなりになったときに、その遺言通りに寄付が行われるようなものです。

それに対して「相続財産の寄付」とは、遺言はなく、相続により財産を取得した相続人が、その取得した相続財産の中からNPO法人などの非営利法人に寄付をすることです。

相続人が相続財産から寄付をするのは、お亡くなりになった方の遺志を汲んで行うこともあるし、お亡くなりになった方が継続的に支援しているような団体に寄付をすることもあるし、相続人ご自身が日頃支援している団体に寄付をすることもあります。

遺言による寄付との違いは、遺言は、あくまでもお亡くなりになる方からの寄付であるのに対して、相続財産の寄付は、仮にお亡くなりになる方の遺志を汲んで行われたものであったとしても、最終的には相続人の意思で寄付をするものであり、相続人からの寄付になります。

お亡くなりになった方(被相続人)からの寄付なのか、残された遺族である相続人の方からの寄付なのかによって、税制上の取り扱いは大きく違ってきます。


2. 相続税の納税義務者

相続税の納税義務者は 「相続又は遺贈により財産を取得した個人」になります。(相続税法1条の3)

遺言による寄付は、「(相続又は)遺贈により財産を取得した」のは、寄付を受けた「非営利法人」になります。

相続税の納税義務者は「相続又は遺贈により財産を取得した個人」であり、「個人」は「自然人」をいいますので、原則として、非営利法人は相続税の納税義務者にはならないのです。

例外的に、「個人」とみなして相続税が課税される場合がありますが、これは次回以降に触れることとします。

それに対して、相続人による相続財産の寄付は「相続(又は遺贈)により財産を取得した」のは、相続人になります。

相続人が相続により取得した財産を非営利法人に寄付をするのが相続財産の寄付です。

相続人は「相続(又は遺贈)により財産を取得した個人」になりますので、相続税の納税義務があります。


非営利法人に寄付をする場合には、一定の要件を満たせば非課税になりますが、あくまでも原則としては、寄付をした財産も相続税を納める義務があるのです。


3. まとめ

(1) 遺言による寄付

遺贈により財産を取得するのは、個人ではなく、非営利法人なので、非営利法人は、原則として相続税の納税義務者にはならない。

例外的に、非営利法人を個人とみなして相続税の納税義務者になる場合がある。



(2) 相続人による相続財産の寄付

相続により財産を取得するのは相続人であるので、原則として相続人は相続税の納税義務者になる。

非営利法人に寄付をする場合に、例外的に、相続税が非課税になることがある。


次回は、遺言による寄付でも寄付を受けたのが、任意団体である場合について、その取扱いを見ていくことにします。

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