NPO会計は何のためにあるのか
[2006年10月15日(Sun)]
2時間かけて入力したのに、全部消えていしまい、
です。もう一度がんばります。
inaさん、おぎのさん、コメントありがとうございます。
このテーマはちょっと難しいというご指摘を受けましたが、自分が「NPOの会計は何のためにあるのか」ということについていろいろな方の意見を聞きたいなと思ったので、テーマとしてあげました。乗りかかった船なので最後まで行きたいと思います。
今までの話は、企業会計(上場企業)の目的は投資家が適切な投資判断ができるような情報を提供すること、旧公益法人会計の目的は、収支予算書と収支計算書を中心に予算管理をして内部の統制をすること、新公益法人会計の目的は、法人外部の人たちに自分たちの活動を理解してもらえるように情報提供をすることでした。
NPOの会計は、NPO法に照らせば、外部の人たちに活動理解してもらえるように情報提供をすることであるように思えます。
NPO法は、公益性の判断を官庁がするのではなく、民間のマーケット原理に委ねようとするものでした。
「よい活動をしている団体は透明性を高め、情報公開をしていき、サービスの内容が評価されれば、会員や支援者が増え、団体が成長していく、一方、あまりよくない活動をしている団体は、その内容が明らかにされれば支援者は離れ、サービスを受けたいと思う人も減る。そして団体は衰退していく。法令の範囲のなかでNPO法人が活動したとき、公益性の判断をサービスを受ける人たちや支援者たちに委ねようとしている、それがNPO法人の公益性を担保する方法なのです」(新版NPO法人ハンドブック シーズ)
この中で、会計は、「透明性を高め、情報公開をしていき」というところに関係してきそうです。NPO法人の外部の人も含めた多くの人に情報を公開し、透明性を高めていき、それによって多くの人たちの共感を得ていくようにすること、その中で会計が位置づけられていること、ということは、基本的に新公益法人会計基準と同じ趣旨ではないかという感じがします。新公益法人会計基準に従えば、それなら損益計算書形式の正味財産増減計算書を採用するのがよい、ということでした。少なくとも、現状のように収支計算書という名のもとに、実質的には損益計算書と同じものや、旧公益法人会計基準に則ったものや、現金主義の収支計算書が混在している状況では(しかもそれが外観上判断が付かない)情報公開のための会計は機能しないのではないかと思います。
NPO法が作成されたときに、会計はどのように考えられていたのでしょうか?調べてみました。(詳しいことをご存知の方は教えてください)
参議院労働社会・政策委員会
「質問:会計の原則なのですけれども、(中略)そういった(公益法人の)会計の基準を法人に強要しないということを確認させていただきたい」
「答弁:会計原則につきましては、法律の第27条の1号から4号までにその基本的な原則(正規の簿記の原則、真実性の原則、継続性の原則。1号の予算準拠主義は削除)というものが明らかにされておりますので、その原則に沿っていれば、これをなにか一律的に一つのものに当てはめるというふうなことではなく、法律上認められているものというふうに考えております」
結論を言えば、本法人においては、法27条及び法5条(区分経理)の規定に則っていれば、企業会計原則を選択するのも、公益法人会計原則を選択するのも、それ以外の会計指針を採用するのも自由であるということになる
(NPO法コンメンタール 日本評論社)
NPOの会計は旧公益法人会計に準拠しなければいけないという意見もけっこうききますが、NPO法の創設者はそのようなことは考えていなかったようです。
これを積極的に解釈すれば、「NPOは様々な活動があり、それぞれのNPOが自分たちで会計の目的を考えて、自分たちにあった方式を採用してください」ということではないかと思います。ただ、このことは「外部の利用者のための情報公開」とは二律背反になるのではないかと思うのです。外部の利用者の情報公開のためには、それぞれのNPOが自分の好きなやり方を採用しているということでは難しいからです。
私は、NPOから計算書類をどのような形式にしたらいいのか聞かれた場合には、「会費収入や寄附者が多いような場合には、会員や寄附者に、自分たちの出したお金はどのように使われているのか(予算書であれば「どのようなことに使われる予定であるのか」)をはっきりと説明するために、借入金収入、支出や固定資産の購入額がわかる収支計算書形式がいいのではないでしょうか。会費収入が少なく、事業型で、収入が固定していないような、資金獲得型の場合には、自分たちの事業がうまくいっているのかの判断がしっかりとできるように、損益計算書形式がいいのではないでしょうか」とアドバイスしています。
現行のNPO法からするとこのように考えるのが良いのではないかというのが私の結論です。いずれも、会計は内部目的のためであり、内部の人のうち、会員や寄附者を重視するのか、あるいは、事業を行っている理事などの状況判断に役に立つことを重視するのか、という違いに基づくアドバイスで、基本的には外部の利用者を意識しているものではありません。NPOをちょっと大人扱いしすぎのような感じもします。
情報公開により市民が公益性を判断するというNPOの趣旨は、今現在は、少なくとも会計に関しては機能していないと思います。しかし、さまざまな都道府県がインターネットで事業報告書や会計報告書の公開を始めており、さらにウエブやSNSのようなWeb2.0の進展とともに、NPO法の理念が実現する道が開けつつあるように思えます。その状況の中で、会計の目的をどう考えていったらいいのか、どういう会計報告がいいのか、模索中です。
inaさん、おぎのさん、コメントありがとうございます。
このテーマはちょっと難しいというご指摘を受けましたが、自分が「NPOの会計は何のためにあるのか」ということについていろいろな方の意見を聞きたいなと思ったので、テーマとしてあげました。乗りかかった船なので最後まで行きたいと思います。
今までの話は、企業会計(上場企業)の目的は投資家が適切な投資判断ができるような情報を提供すること、旧公益法人会計の目的は、収支予算書と収支計算書を中心に予算管理をして内部の統制をすること、新公益法人会計の目的は、法人外部の人たちに自分たちの活動を理解してもらえるように情報提供をすることでした。
NPOの会計は、NPO法に照らせば、外部の人たちに活動理解してもらえるように情報提供をすることであるように思えます。
NPO法は、公益性の判断を官庁がするのではなく、民間のマーケット原理に委ねようとするものでした。
「よい活動をしている団体は透明性を高め、情報公開をしていき、サービスの内容が評価されれば、会員や支援者が増え、団体が成長していく、一方、あまりよくない活動をしている団体は、その内容が明らかにされれば支援者は離れ、サービスを受けたいと思う人も減る。そして団体は衰退していく。法令の範囲のなかでNPO法人が活動したとき、公益性の判断をサービスを受ける人たちや支援者たちに委ねようとしている、それがNPO法人の公益性を担保する方法なのです」(新版NPO法人ハンドブック シーズ)
この中で、会計は、「透明性を高め、情報公開をしていき」というところに関係してきそうです。NPO法人の外部の人も含めた多くの人に情報を公開し、透明性を高めていき、それによって多くの人たちの共感を得ていくようにすること、その中で会計が位置づけられていること、ということは、基本的に新公益法人会計基準と同じ趣旨ではないかという感じがします。新公益法人会計基準に従えば、それなら損益計算書形式の正味財産増減計算書を採用するのがよい、ということでした。少なくとも、現状のように収支計算書という名のもとに、実質的には損益計算書と同じものや、旧公益法人会計基準に則ったものや、現金主義の収支計算書が混在している状況では(しかもそれが外観上判断が付かない)情報公開のための会計は機能しないのではないかと思います。
NPO法が作成されたときに、会計はどのように考えられていたのでしょうか?調べてみました。(詳しいことをご存知の方は教えてください)
参議院労働社会・政策委員会
「質問:会計の原則なのですけれども、(中略)そういった(公益法人の)会計の基準を法人に強要しないということを確認させていただきたい」
「答弁:会計原則につきましては、法律の第27条の1号から4号までにその基本的な原則(正規の簿記の原則、真実性の原則、継続性の原則。1号の予算準拠主義は削除)というものが明らかにされておりますので、その原則に沿っていれば、これをなにか一律的に一つのものに当てはめるというふうなことではなく、法律上認められているものというふうに考えております」
結論を言えば、本法人においては、法27条及び法5条(区分経理)の規定に則っていれば、企業会計原則を選択するのも、公益法人会計原則を選択するのも、それ以外の会計指針を採用するのも自由であるということになる
(NPO法コンメンタール 日本評論社)
NPOの会計は旧公益法人会計に準拠しなければいけないという意見もけっこうききますが、NPO法の創設者はそのようなことは考えていなかったようです。
これを積極的に解釈すれば、「NPOは様々な活動があり、それぞれのNPOが自分たちで会計の目的を考えて、自分たちにあった方式を採用してください」ということではないかと思います。ただ、このことは「外部の利用者のための情報公開」とは二律背反になるのではないかと思うのです。外部の利用者の情報公開のためには、それぞれのNPOが自分の好きなやり方を採用しているということでは難しいからです。
私は、NPOから計算書類をどのような形式にしたらいいのか聞かれた場合には、「会費収入や寄附者が多いような場合には、会員や寄附者に、自分たちの出したお金はどのように使われているのか(予算書であれば「どのようなことに使われる予定であるのか」)をはっきりと説明するために、借入金収入、支出や固定資産の購入額がわかる収支計算書形式がいいのではないでしょうか。会費収入が少なく、事業型で、収入が固定していないような、資金獲得型の場合には、自分たちの事業がうまくいっているのかの判断がしっかりとできるように、損益計算書形式がいいのではないでしょうか」とアドバイスしています。
現行のNPO法からするとこのように考えるのが良いのではないかというのが私の結論です。いずれも、会計は内部目的のためであり、内部の人のうち、会員や寄附者を重視するのか、あるいは、事業を行っている理事などの状況判断に役に立つことを重視するのか、という違いに基づくアドバイスで、基本的には外部の利用者を意識しているものではありません。NPOをちょっと大人扱いしすぎのような感じもします。
情報公開により市民が公益性を判断するというNPOの趣旨は、今現在は、少なくとも会計に関しては機能していないと思います。しかし、さまざまな都道府県がインターネットで事業報告書や会計報告書の公開を始めており、さらにウエブやSNSのようなWeb2.0の進展とともに、NPO法の理念が実現する道が開けつつあるように思えます。その状況の中で、会計の目的をどう考えていったらいいのか、どういう会計報告がいいのか、模索中です。
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