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2017年01月28日(Sat)

休眠預金法

昨年の12月に休眠預金法が成立しました。

休眠預金法については、新聞で見る程度しか知らなかったのですが、先日、ある会合で、内閣府の担当の方の話をお聞きして、休眠預金法の全体像がだいぶつかめてきました。

内閣府の方のお話をお聞きして、私が理解した範囲ですが、休眠預金法の全体像について、報告します。

詳しい説明資料は、下記から取れます。

http://www.kyuminyokin.net/setsumei.html



1.休眠預金とは

 休眠預金とは、長期(10年間)にわたって入出金等の異動がなく、本人の所在が確認できない預金をいいます。

 銀行等金融機関の休眠預金は、年間で約1050億円発生し、払い戻しが約430億円ありますが、差額として500億円程度毎年発生するそうで、近年も微増しているそうです。

 500億円という金額は、日本最大の助成財団である日本財団の年間の助成額の2倍程度だそうです。

 休眠預金は、預金保険機構へ移管され、移管後も、預金者等からの申出に基づき預金同等額を支払うように措置されています。


2.休眠預金法の基本理念

 休眠預金法の基本理念は、休眠預金法16条に記載されています。

「休眠預金等交付金に係る資金は、人口の減少、高齢化の進展等の経済社会情 勢の急速な変化が見込まれる中で行政が対応することが困難な社会の諸課題の 解決を図ることを目的として民間の団体が行う公益に資する事業であって、こ れが成果を収めることにより国民一般の利益の一層の増進に資することとなる もの(に活用されるものとすること」


ポイントは

@行政が行っていたことを肩代わりするようなものには使わない。

 民間のノウハウを駆使して問題解決できるようなものや、新たな社会課題を発見するようなものに使われる。

活動分野は、17条で、

(1)子供及び若者の支援に係る活動、

(2)日常生活または社会生活を営む上での困難を有する者の支援に係る活動、

(3)地域社会における活力の低下その他の社会的に困難な状況に直面している地域の支援に係る活動

(4)前3号に準ずるものとして内閣府令で定める活動


 としている。

 NPO法の20分野と比較してわずか3分野だが、内閣府の方の話では、わりと幅広い分野に認められるのではないか、ということでした。


A成果を収めることが重視され、これが最大の難関。
 
 成果を収めているかどうかを判断するための手法として、社会的インパクト評価が想定されており、休眠預金法案は、社会的インパクト評価の普及とセット。

 休眠預金は、税金以上に説明責任を果たさないといけない。

 どういう評価をするかはこれからの議論だが、今までのように、アウトプットの評価にとどまらず、国民の利益の増進に資するという成果があったのかを重視する。


B 民間公益活動の自立した担い手の育成に資すること、金融機関の融資や、民間による助成等を補完するための資金の提供を行うことで、民間公益活動に係る資金を調達することができる環境の整備の促進に資するように活用される。

 したがって、立ち上げ支援や自立のための資金が中心で、継続的に同じ団体に資金提供することは想定されていない。


➃ 休眠預金の受け皿(現場の団体)は、非営利団体だけでなく営利法人も可能


3.仕組み


@指定活用団体という、一般財団法人が、預金保険機構から資金の交付を受け、事業計画を策定し、休眠預金の分配を行う。

Aどのような団体が指定活用団体になるのかは未定。

B内閣府は、基本方針、基本計画の策定に関わり、指定活用団体の選定に関わり、監督はするが、その後は民間主導で、内閣府(行政)は最低限の関わり方しかしない。

指定活用団体が、基本計画に基づいて、資金分配団体に資金を配分する。

指定活用団体は現場のことはわからないので、間に資金分配団体が入る。

資金分配団体は、現場の団体の選定、休眠預金の分配、現場の団体の監督等を行う。

資金分配団体は、コミュニティ財団や、NPOバンク等が想定されているようです。


D実際に活動を行う現場の団体は、公募により決定される。


E資金分配団体、現場の団体には、事業の適正な実施及び事業の透明性の確保を図るため、第三者委員会を設置することが想定されている。


4.スケジュール

@今年の春ごろに、内閣府内に審議会を設置予定。審議会が1年くらいかけて基本方針を策定する。

A休眠預金法は2018年1月1日施行。この時点で9年経過している預金について預金者に通知。1年後の2019年1月1日から休眠預金が発生する。

B2018年夏ごろに基本方針策

➃2019年春ごろに指定活用団体の指定。

D2019年夏ごろに基本計画(毎年どのような分野にお金を出すのかなど)を策定、指定活用団体の事業計画等の認可

E2019年秋ごりに休眠預金交付金の交付が始まる

つまり、実際に交付が始まるのは、2年半後という感じのようです


5.当初の規模


 2018年1月1日の法施行の5年後に見直しが行われる。

 5年後に活用状況がかんばしくなければ、制度の見直しとなる。

 従って、5年間は制度をソフトランディングしていくための助走期間

 当初活用方法は助成のみが想定されており、助成額も20億~40億程度が想定されている。


6.雑感

 内閣府の方の説明の後に、NPO支援組織の方から、これからの課題の話がありました。

 その話の中で、休眠預金は共感に基づかない資金であり、そもそもの出し手が活用先を選択できない資金であるということを自覚したうえで、意図せず出し手となった人々も納得する活用法を考えていくことが重要だという話をされていました。

 なんとなく制度の全体像は見えてきましたが、議員立法であるため、細かいことは法律にかかれておらず、詳細はこれからのようです。

 法律の中で、税理士、会計士などの専門家が求められる役割が出てくるように思いますので、これからも情報を入手していきたいと思います。

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