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2017年01月07日(Sat)

シンポジウムの参加料や展示料、広告協賛金等の収益事業の判定

知識などを体系化して、人に伝える、普及啓発型の一般社団法人やNPO法人などの課税上の問題点を連載しています。


1回目は、研修会や講習会の受講料の法人税法上の取り扱いでしたが、今回は、シンポジウムの参加料やブースの展示料、広告協賛金の収入、セミナーのテキスト代などを見ていきたいと思います。



1. シンポジウムの参加料

 一般社団法人(非営利型)やNPO法人が開催するシンポジウムの参加料が法人税法上の収益事業になるかどうかについては、研修会や講習会と同様に、その内容が22の限定列挙された技芸の教授に該当するかどうかで判断されます。


2. シンポジウムの広告料



 広告業は収益事業で限定列挙された34事業に該当しないため、単独で収益事業になることはありません。ただし、その広告が、ある事業の付随行為となる場合には、その事業が収益事業となる場合には、付随行為の広告料も収益事業になります。

 シンポジウムの広告料であれば、そのシンポジウムが22の技芸に該当し、技芸教授業として収益事業になるものであれば、その広告料も収益事業になり、そうでなければ、広告料も収益事業になりません。

 法人税基本通達15-1-6では、付随行為の例として、出版業を行う公益法人等が、その出版に係る業務に関係する講演会の開催やその業務に係る出版物に掲載する広告の引き受けをした場合について記載されています。

 逆に言えば、講演会の開催(22の現例列挙に該当しないもの)や広告の引き受けは、それ単独では収益事業にならないと考えられます。


<参考>法人税基本通達15−1−6
 
15−1−6 令第5条第1項《収益事業の範囲》に規定する「その性質上その事業に附随して行われる行為」とは、例えば次に掲げる行為のように、通常その収益事業に係る事業活動の一環として、又はこれに関連して行われる行為をいう。
(1) 出版業を行う公益法人等が行うその出版に係る業務に関係する講演会の開催又は当該業務に係る出版物に掲載する広告の引受け




3. シンポジウムの展示料

 協賛スポンサーがブースを設けて、そのスポンサーから展示料収入などを得ている場合には、その展示料収入は、34事業の席貸業になる可能性が高いと思われます。

<参考> 法人税法施行令5条1項14号 席貸業

十四 席貸業のうち次に掲げるもの
イ 不特定又は多数の者の娯楽、遊興又は慰安の用に供するための席貸業
ロ イに掲げる席貸業以外の席貸業(次に掲げるものを除く。)
(1) 国又は地方公共団体の用に供するための席貸業
(2)〜(3) 省略
(4) 法人がその主たる目的とする業務に関連して行う席貸業で、当該法人の会員その他これに準ずる者の用に供するためのもののうちその利用の対価の額が実費の範囲を超えないもの



4. 研修会、講習会でのテキスト販売


 講習会等の一環として販売するテキスト代や、講習会等の内容が技芸教授業以外であれば収益事業になりません。

一方、講習会等の受講生以外にも広く販売されている場合には、出版業として収益事業になる可能性があります。

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