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NPO会計道

「会計で日本のNPOの発展に貢献したい!」という思いで始めたブログです。NPOの会計や税務はどのようになっているのか、どうあるべきかを考えていき、NPO会計の道を究めることを目指しています。
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固定資産の会計処理 [2007年01月06日(土)]
 いろいろな場面でNPOの方から質問を受けることがありますが、会計処理で受ける質問の中で非常に多いのが固定資産と減価償却の処理方法です。

 なにか物を購入したときに、それを資産として計上する必要があるのかないのか、非常に迷うところです。
 また、資産として計上すると、「減価償却」という面倒な処理をする必要があるのかも迷うところです。
 今回は「資産として計上するかどうか」について考えていきます。


 なお、今回前提としている資産とは減価償却資産(時の経過により価値が減少する資産)としますので、電話加入権や敷金などは対象になりません。


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1. 何を資産とすべきか?

 会計処理で困ることの一つは「何を資産として計上すべきか」ということです。
 資産として計上するということは、貸借対照表や財産目録に計上することです。

 例えば、100万円で買った車が資産であることは明らかですが、1000円で買った湯呑みを資産として計上するのはやりすぎな感じがします。そんなことをしていれば資産がものすごい量になってしまいます。管理も大変になってしまいます。
 NPO法人の情報としても、「いつ買ったどんな車があるのか」は重要な情報でしょうが、「湯呑みがいくつあるのか」は重要であるとは思えません。
 それではどのような基準で考えればいいのでしょうか?


2.会計的に考えると

 まず考えられるのは「金額によって資産に計上するのか判断する」ということです。
 客観的であるしわかりやすいので、多くの法人は金額基準によって資産に計上すべきかどうかを判断していると思われます。
 1000円の湯呑みは資産とする必要はないだろうが100万円なら資産だろうというのは明らかです。
 それではいくらから資産とすべきでしょうか?
 
 実はこれに関しては、会計上「決まりはない」のです。
 それぞれのNPOが自分たちで決めればいいのです。
 例えば「私たちの団体は10万円以上のものは資産として計上しますが、10万円未満のものは資産として計上しません」というルールを決めておいて、その基準に従って処理すればいいのです。
 これが5万円でもいいし、20万円でもいいのです。
 「内部自治」の問題です。

 ただし、自分たちの団体内で決まりは作ることが必要です。
 そのときの気分によって資産にしたりしなかったりすることは許されません。


3.法人税法の規定(基本) 

 さきほどは「会計上決まりがない」といいましたが、実は法人税法上は「決まりがある」のです。
 会計はあくまで外部の人たちへの報告や内部管理を目的とするものですからその法人の実態に合わせて自分たちで判断すればいいのですが、税金を計算する際に「その法人が自由に判断する」ということでは困るのです。そこで、一定のルールがあります。

 従って、法人税を申告する必要がある団体(営利企業も含む)の多くは法人税法の規定に従って資産として計上するか、支払ったときに支出(損金)とするのかを判断をしています。

 法人税法上のルールとは

 「取得価額が10万円未満又は使用可能期間が1年未満の減価償却資産については、事業の用に供した日の属する事業年度で取得価額に相当する金額を損金経理すれば損金の額に算入される」(法人税法施行令133条)

というものです(これ以外に10万円以上20万円未満の一括償却資産がありますが、今回は説明を省略します)

 簡単に言えば、10万円未満の減価償却資産については1年以上の長期間使うものでも、資産とせずに今期の損金(経費)とする処理をしても認めます、ということです。

 この基準に従って、10万円以上のものは資産とし、10万円未満のものは資産に計上しないという処理をしているところが多いと思われます。

  償却資産税という別の税金についても、10万円以上のものが対象ですので、申告がしやすくなります。


4.法人税法の規定(特例)
 
 ところが、平成15年4月1日から、景気対策の一環で、青色申告書を提出した中小企業者等(資本金が1億円以下。資本金がない法人は従業員1000人以下)に限って、この10万円基準が30万円基準に引き上げられたのです
(ただし、平成20年3月31日までの時限立法。その後延長されるかどうかは不明)。

 つまり、今まで資産計上しなくてはいけなかった10万円以上のものでも、30万円未満であれば、資産に計上せず支出時に損金として処理しても構わない状況になっています
(適用を受ける事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円その取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの少額減価償却資産の取得価額の合計額が限度です)。

 法人税にとっては、資産に計上するよりも損金(経費)としたほうが有利ですので、多くの中小企業は、今まで10万円基準で考えていたものを30万円基準に引き上げて会計処理をしているところが多くなっています

 このことがNPOの内部自治として良いことなのかどうかは判断の分かれるところですが、法人税の申告があり、青色申告書を提出している団体にとっては、30万円基準で経理したほうが法人税上有利になっています。


5.まとめ

(1)法人税の申告が必要ない団体

 10万円基準、30万円基準の話は、あくまでも法人税上の話ですので、法人税の申告が必要ない団体は、基準をつくり、その基準で資産に計上すべきかどうかを判断すべきでしょう

(2)法人税の申告が必要な団体
 法人税の申告が必要な団体は、法人税の規定に従って経理する必要がでてきます。
 青色申告を提出していない団体であれば10万円以上のものは資産とする必要があります。 
 青色申告を提出している団体は(平成20年3月31日までは)30万円以上のものは資産とする必要があります。

 その範囲でいくらを基準とすべきかはその団体の判断となります。

 法人税法上の減価償却資産の取扱いについてはここを参照ください

 

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