2011年04月11日(Mon)
寄付金の領収書の書き方
義援金、支援金などが増えてきて、それを受けるNPO側(NPO法人、公益社団・財団法人、社会福祉法人、任意団体等を総称します)の事務処理も大変になってきているのではないかと思います。
NPO側が、支援してくれた人に出す領収書などで迷うこともあるのではないかと思いますので、NPO側が寄付を受けた場合にどのような領収書などを発行するのかを書いておくことにします。 なお、義援金と支援金に分けて書きますが、義援金と支援金の違いについては、下記をご覧ください 義援金と活動支援金 |
1. 義援金
(1) 原則 NPOが義援金の受付窓口となり、集めた義援金を日本赤十字社などを通して義援金配分委員会に行き、最終的に被災者へ支給されるものについては、NPOはあくまでも義援金は受付をしているだけで、スルーしますから、発行するのは、「領収書」ではなく、「預り証」です。 そして、NPOが、税務署で、この義援金が最終的に国又は地方公共団体に拠出されるものであることについて確認をした場合には、そのNPOへ義援金を支払った人は、その義援金について、確定申告で、寄付金控除を受けることができることとなっています。 また、法人の場合には、全額損金(経費)扱いができることになっています。 詳しい取り扱いは 募金団体の手続き を参照ください 寄付金控除を受けるばあには、通常、領収書の添付が必要ですが、そうすると、わざわざ日本赤十字社などから領収書をもらわないといけないことになってしまいます それはあまりに大変なので、この「預り証」で、確定申告を受けることができることになっています。 そのことがわかるように、預り証を発行するNPO側は、次のような文言を入れるといいようです 「上記金額をお預かりしました。お預かりした義援金は、○○(例えば、「日本赤十字社の東北関東大震災義援金口座」と記載します)に拠出しています。 (注)この預り証をもって、所得税法第78条第2項第1号及び法人税法第37条第3項第1号の「国又は地方公共団体に対する寄附金」に該当することの証明としてお使いいただけますので、大切に保管してください <参考> 義援金に関する税務上の取扱いFAQ Q9 (2) 例外 例外として、義援金の募集を行うにあたり、受付専用口座を開設し、寄付者に対して、義援金をその口座に振込んでもらうようにしている場合には、預り証を発行しなくても、郵便振替で支払った場合の半券(受領証)や銀行振込で支払った場合の振込票の控えで、税制上の優遇措置の適用を受けるための証明書類とすることができます。 しかし、その場合には、寄付者は、その半券や振込票の控えに印字された口座番号等が、募金団体の受付専用口座であることが確認できるように、募集要項、募金趣意書、新聞報道、募金団体のHPの写しなど、義援金を振り込んだ口座が、義援金の受付専用口座であることがわかる資料を用意し、それを確定申告をする際に、郵便振替の半券等と併せて確定申告書に添付または提出の際に提示することになっています。 寄付者が法人の場合には、これらの書類を保存することになっています NPO側としては、預り証を発行しないで郵便振替の半券等で確定申告ができることをアナウンスする場合には、同時に、このような書類も提出あるいは保存の必要がある旨を伝えないといけないと思います。 義援金に関する税務上の取扱い FAQ Q11 2. 支援金 支援金については、義援金とは取扱いがだいぶ違うことになります。 支援金は、あくまで被災者のために活動するNPOに対する活動支援としての寄付ですので、発行するのは預り証ではなく、そのNPOの領収書です(ただし、この場合にも、単にNPOが受付団体になっているだけで、そのお金がほかのNPOなどにそのまま支給される場合には、発行するのは預り証であり、領収書は支給したNPOから発行します) 発行する団体が、認定NPOや公益社団、財団法人などの場合には、その団体が税制優遇を受ける団体である旨を記載する必要があるので、一般のNPOと、税制優遇を受けるNPOに分けて書きたいと思います (1) 一般のNPO 税制優遇の対象とならないNPO法人や一般社団・財団法人、あるいは任意団体などが支援金を受けて、被災者支援のための活動などに使った場合にはどのような手続きが必要でしょうか? このような場合には、そのNPO法人等は、寄付者からの要望に応じて領収書(あるいは「受領書」)を発行することになりますが、この領収書は、確定申告に添付しても、寄付金控除などの適用を受けることはできません。 領収書にどのようなことを書くかは、決まりはありませんが、一般的には、その法人の名称、所在地、代表者の氏名及び印、受領した年月日、受領した金額などを記入します。 また、領収書に貼る印紙は、NPO法人や一般社団・財団法人などの非営利法人は非課税になりますし、任意団体についても、営業に関する領収書ではないので、非課税になります。 (2) 税制優遇を受けるNPO 認定NPO法人が寄付者の求めに応じて領収書を発行する場合には、その領収書には、その法人の名称や所在地、受領金額、受領年月日以外に、下記のようなことを記入する必要があります。 @ その認定NPO法人の認定年月日、認定番号 A その寄付金が、その認定NPO法人のどのような特定非営利活動に係る事業に関連するものであるのか B この寄付金が寄付金控除の対象となる旨(法人の場合には、特定公益増進法人の寄付に含まれる旨)※ ※具体的には、「、「本寄附金は所得税法第78条該当の寄附金控除(又は法人税法第37条第4項該当の特別損金算入限度額の寄附金として損金算入)の対象となります」など なお、寄付金控除については、住民税の控除の対象になることもあります。 例えば、東京都に主たる事務所がある認定NPO法人であれば、都民が支出した寄付金は住民税の控除対象になりますので、都民に対して発行する領収書に「東京都の控除対象寄附金である旨」を記載するといいでしょう <参考> 認定NPO法人制度の手引き Q&A Q45 東京都主税局 個人都民税の寄付金税額控除に係る事務処理のお願い |