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2009年06月24日(Wed)

フリースクールと消費税
フリースクールの消費税に課税がされて、NPO法人が異議申し立てをしているという記事が出ていました

気持ちはわかるのだけど、ちょっと主張には無理があるかなという気がしています。

どういうことだか見てみることにします

1. 事実関係


 フリースクールやひきこもりの青年の就労支援などに取り組む三島市のNPO法人「リベラヒューマンサポート」(三好悠久彦理事長)は23日までに、フリースクール事業について消費税を課すという三島税務署の申告修正の求めに対し、同税務署に処分取り消しを求める異議申し立てをした。同NPOは「フリースクールは非課税対象の学校などと同様に、社会政策上、配慮が必要な機関」としている。

 同NPO法人によると、昨年10月、2000年に法人化して以来初の税務調査を受けた。

その後、過去3年間のフリースクール事業について加算税や延滞金を含め430万円を納付する修正を求められた。毎年、事業ごとの売上高が分かる形で税務申告してきたが、フリースクール事業について納税を求められたことはなかったという。

 課税対象となる年間売上高はそれまで3000万円超だったのが、04年度事業分から1000万円超に引き下げられた。三好理事長は「基準額で言えば対象になってからも指摘はなかった。チェック自体がずさん」と話す。

 三島税務署は「個別案件には答えられない」とした上で、「一般論として、申告が合っているかどうかその時すべてを見ているわけではない。調査して初めて分かることもある」としている。

 国は非課税取引の対象の1つとして「学校、専修学校、各種学校の授業料、入学金、施設設備費等」を挙げている。三好理事長は「増加する不登校児童生徒の教育の担い手として、フリースクールは大きな役割を果たしている。小中学生については登校扱いにもなる。実態を理解してほしい」と語った。

現在、同NPOのフリースクールには小、中、高生約40人が通っている。


2. 消費税について


消費税が課税される条件は


@ 国内において行うものであること


A 事業者が事業として行うものであること


B 対価を得て行うものであること


C 資産の譲渡、資産の貸付けおよびサービスの提供であること


通常は、フリースクールの授業料や入学金がこの条件を満たしているでしょう。

しかし、それは、普通の小中学校の授業料も一緒です。

それでは、普通の小中学校の授業料には消費税が課税されないのでしょうか?

それは、消費税法の中に非課税規定があり、上の4つの条件を満たしていても消費税を課税されないものが消費税法の別表第一に掲げられています。


その別表に「学校教育法に規定する学校を設置する者が当該学校における教育として行う役務の提供」が掲げられているのです。(消費税法別表第一第十一イ)


だから普通の小中学校は非課税なのです


逆に言うと、消費税法別表第一に掲げられていないとすると、原則に戻って、4つの条件を満たしていれば消費税は課税ということにならざるを得ないのです



3. 政策的な配慮


NPO法人の方が、「フリースクールは非課税対象の学校などと同様に、社会政策上、配慮が必要な機関」という主張はすごくよくわかります。


事実、保育園についても、従来は無認可保育園は消費税が課税でしたが、2005年4月から、「認可外保育施設の届出」による届出を行い、都道府県知事の立入調査を受け、「認可外保育施設指導監督基準」を満たす旨の証明書の交付を受けた場合には非課税となりました。


しかし、これは、消費税法の非課税規定の中に組み込まれたからそうなったのであって、フリースクールは、現行法で、非課税規定に組み込まれていないので、非課税になるのは無理でしょう


非課税になる教育に関する授業料等については、学校教育法に規定されているもの以外に「上記に掲げる教育に関する役務の提供に類するものとして政令で定めるもの」とあるので、この「政令で定めるもの」に入るように運動していくというほうが現実的ではないかと思います


税務署は、あくまでも法律に沿って行動しますので、税務署にフリースクールの趣旨を説明しても、法律の非課税規定に掲げられていない限りはどうしようもない、というのが現状でしょう。


4. NPO法人への注意


 この問題は、NPO法人へは大変注意を促すものです


 「自分たちの行っている事業は、立派な事業なのだから、税金がかかるなんてことはない」(というか、頭から考えない)というNPO法人は相当多いように思います


 しかし、いくらNPO法人が自分たちの公益性を訴えても、法律に非課税規定に掲げられていなかったらどうしようもないのです。


 消費税は、国内で行われる対価性がある事業であれば、「非課税規定に掲げられているかどうか」が判断の分かれ目です


 消費税はこの例でもわかるように、後日まとめてきた場合に非常に多額になる可能性がありますので、ぜひ今のうちから確認をし、必要な場合には申告をしてください




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