CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

«収益事業と継続性 | Main | 自動販売機の設置»

2006年12月13日(Wed)

収益事業と対価性
 月曜日にNPO支援東京会議の定例勉強会でNPO法人の法人税の収益事業課税というテーマで話をしました。
 いつもは話をした後の自己紹介と感想の時間は30分なのですが、今回はいろいろな方から質問や疑問が出て、1時間にも及びました。改めて収益事業の問題で多くの方が悩まれているのを実感しました。

 私たち税理士がNPOを支援できる一番重要な点がこの収益事業課税の解釈についての部分であることを非常に感じ、私たちも、もっと理論的に突き詰めていきたいと思います。
 このテーマをこのブログでも今後、重点的に取り上げていきたいと思います。

 また、来月のNPO支援東京会議ではふたたびこの収益事業課税や、給与の問題について、赤塚さんに実際の事例に即して話をしていただきます(内容、申込はここを参照)。ぜひご参加ください

 定例勉強会で話した内容になりますが、先週からの続きで、収益事業課税について、次のテーマとして「対価性」を取り上げたいと思います。


人気ブログランキングに参加しています。

目標のベストテン内にここ1週間近くとどまっています。ありがとうございます。

引き続き応援クリックお願いします




 
1.対価性の有無がなぜ問題となるか?


収益事業であるかどうかの次のテーマは「対価性があるか」です。
対価性がなければ、そもそも事業ではありませんので収益事業の対象にはなりません。
対価性があれば、他の要件に該当するかどうかによって収益事業の判断をします。
つまり、「対価性なし」とされれば、他の要件は検討するまでもなく収益事業とはならないわけです

 半年くらい前にお宮参りに行き、神社でお祓いをしてもらいました。神社に1万円支払いましたが、これを、お祓いの対価と考えるか、神社に対して寄附をしたと考えるのか?といったような問題です。つまり、「対価性がある」とは、あるサービスをしたことに対して支払を受けたものであり、「対価性がない」とはサービスをしたことと受けた支払との間に関係がない、ということです。 

 この「対価性」の問題は法人税だけではなく消費税にも関係してくるから重要です。対価性があれば消費税の対象になるし対価性がなければ消費税の対象とならないからです。

 具体的に問題となるのは、「寄附なのか、対価なのか」「会費なのか、対価なのか」といったことが問題となります。それぞれについてみていくことにします


2.寄附なのか対価なのか 


 寄附なのか、対価なのか、について、下記の通達があります

15 −1−10 宗教法人、学校法人等が行う物品の販売が令第5条第1項第1号《物品販売業》の物品販売業に該当するかどうかについては、次に掲げる場合には、それぞれ次による。
(1)  宗教法人におけるお守り、お札、おみくじ等の販売のように、その売価と仕入原価との関係からみてその差額が通常の物品販売業における売買利潤ではなく実質は喜捨金と認められる場合のその販売は、物品販売業に該当しないものとする。ただし、宗教法人以外の者が、一般の物品販売業として販売できる性質を有するもの(例えば、絵葉書、写真帳、暦、線香、ろうそく、供花等)をこれらの一般の物品販売業者とおおむね同様の価格で参詣人等に販売している場合のその販売は、物品販売業に該当する。



 つまり、お札やおみくじなど、原価がただに近いものであるのだから、支払う人は、おみくじに対する対価としての支払いではなく、寄附であると考えるということです。

 ただ、これは微妙ですよね。ブランド品なども原価よりもどう見ても高い金額で売られている場合もあり、これが寄附だということはないわけですよね。一般事業者との競合の話もここででていますので、これらも勘案しなければいけないですね。

 この問題については、前回も述べた宗教法人が行うペット葬祭業の裁判で判決が出ています。つまり、ペット葬祭の供養料等が対価であるか、寄附であるかが焦点の一つになったわけです。裁判は対価であるとしたわけですが、その理由として下記のようなことを挙げています

  @ホームページに料金表が掲載されている

  A依頼者のほとんどが「料金表」ないし「供養料」として掲示された金員を支払っていると推測されている

 
 チャリティコンサートなどのコンサート料も対価性があるかどうかが問題になりますが、この辺が判断基準となるとなるように思います。

 料金など設定せずに、コンサート代金はお気持ちでいくら支払っても良いという形にすれば寄附と主張できそうです。チケットに代金などが印刷されており、コンサートに来る人はその代金を全員支払っているということですと、対価性がないという主張はできないと思われます。


3.会費なのか対価なのか 

 会費なのかサービスの対価なのか、も問題になります。特に、割引のサービスがついている会費などが微妙になります。
 
会員に会報などを送るようなものについては、法令で、出版業にはしなくても良い旨があります。

(法人税法施行令第5条第1項第12号)
  特定の資格を有する者を会員とする法人がその会報その他これに準ずる出版物を主として会員に配布するために行うもの、及び学術、慈善その他公益を目的とする法人がその目的を達成するため会報をもっぱらその会員に配布するために行うものは、収益事業から除く



また、会員等に物品販売等を行っている場合も、それが会費を徴収する手段である場合には物品販売等に該当しない旨の通達があります

 15-1-9  公益法人等がその会員等に対して有償で物品の頒布を行っている場合であっても、当該物品の頒布が当該物品の用途、頒布価額等からみて専ら会員等からその事業規模等に応じて会費を徴収する手段として行われているものであると認められるときは、当該物品の頒布は、物品販売業に該当しない


 しかし、現実には割引サービスの付いている会費については微妙ですねえ。法人税の判例ではありませんが、消費税の対象になるかについて、サッカーJ2のモンテディオ山形が「会費1万円で5回分の無料招待券」について、「会費と特典には明白な対価関係がある」として国税不服審判所で、会費に対価性があるとされたことがあります。

 要はその割引が他に何もなくても会員となる動機として十分な(つまり会費を払っても引き合う)ような特典であれば、対価性があるとみられる可能性が高いと言えるでしょう。


 

トラックバック
ご利用前に必ずご利用規約(別ウィンドウで開きます)をお読みください。
CanpanBlogにトラックバックした時点で本規約を承諾したものとみなします。
この記事へのトラックバックURL
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
http://blog.canpan.info/tb/126267

コメントする
コメント