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NPO会計道

「会計で日本のNPOの発展に貢献したい!」という思いで始めたブログです。NPOの会計や税務はどのようになっているのか、どうあるべきかを考えていき、NPO会計の道を究めることを目指しています。
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NPO会計と企業会計(3) [2006年10月12日(木)]
前回は、なぜ予算管理をするためには損益計算書ではなく収支計算書ではならなかったのかを説明した上で、NPO会計の親玉である公益法人会計基準が予算管理のための収支計算書をやめて損益計算書方式の計算書類に変更したという話をしました。
今日は、なぜ公益法人会計が損益計算書形式に変更したのか、その理由を述べます。
今回の話の前提は、「何のために、あるいは誰のために計算書類を作成するのか」ということです。
営利企業(特に上場企業)は、国債会計基準の影響を受けて「投資家が投資をする上で適正な判断をすることができるようにするために財務j諸表を作成する」ことをはっきりと打ち出しています。それではNPOや公益法人(財団法人や社団法人)はどうでしょうか?
旧公益法人会計基準は収支予算書を作成し、総会で承認を受けて、これを次の総会で予算対比の収支計算書を明示することで、理事の責任が解除されるという仕組みでした。つまり、計算書類、その中でも収支予算書と収支計算書は、法人内部の管理(今風の言葉で言えばガバナンス)のために存在していたといえます。つまり、収支予算書を前提とし、収支計算書を中心とした計算書類の体系は、基本的には「内部(会員や理事)が適正に法人を運営していくために存在していた」と言えるわけです。
ところが、今回の公益法人会計の改訂で、この根本目的が変更されたのです。計算書類の目的は内部管理のためではなく、「外部の計算書類の利用者のため」に作成、公開するというようになったのです。なぜでしょうか?

今までは、公益法人と言えば、所轄官庁と内部の人たちだけを意識して経営をしていけばよかったわけです。しかし、これからの公益法人は、外部の、これから公益的な活動に興味を持とうという人たちに対して情報をオープンにして、積極的に支持者を集めていくということが要請されてきているわけです。不特定多数の国民一般に対して公益サービスを提供し、国民一般から寄付等を受取る、そんな公益法人を想定しているわけです。だから、計算書類の目的が変ったわけです。
それではなぜ外部の利用者のための計算書類(財務諸表)だと予算対比の収支計算書ではなく損益計算書形式(公益法人会計基準では「正味財産増減計算書」といいます)でないといけないのでしょうか?2003年に出された公益法人会計基準案では、新会計基準の基本的な考え方として、以下の3点をあげています
@広く一般的に用いられている企業会計の手法を可能な限り導入することによって公益法人の情報開示(財務情報の透明化)を充実させるとともに、事業の効率性をわかりやすく表示する
A寄付者等の資金提供者の意志に沿った事業運営状況を会計上明らかにすることにより法人の受託責任を明確化する
B公益法人の自律的な運営を尊重するとともに外部報告目的の財務諸表を簡素化する

Aはちょっと難しいので省略し、@とBを簡略化すると、普通の人は企業会計のほうがよくわかるでしょう、それに企業会計方式なら事業の効率性がわかるでしょう、というところのようです。

これに賛否あると思いますが、NPO会計の親玉である公益法人会計が収支計算書形式から損益計算書形式に変えたことは事実、それは内部目的の会計から外部目的の会計への変換であったということは間違いのないことです。

それを受けて、NPOの会計はどうあるべきでしょうか?それでもやっぱりNPOは収支計算書方式がいいのでしょうか?これを次回は考えていきます。
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コメント
脇坂さん こんにちは、御活躍拝見しています。
私の意見:
@ 『NPO会計の親玉である公益法人会計』とは思えません。 NPO法27条は、当初、公益法人会計基準(当時)の規定を、『複式簿記』の部分を、『正規の簿記』に変更しただけの、4つの基準を持っていました。
 しかし、これは、たまたま、NPO法人が民法の特別法として作成されたため、民法法人の会計基準をまねてつくられたに過ぎません。

 公益法人会計基準でも、内部管理用に収支計算書を作成することを妨げていません。
 NPO法人は、公益法人と活動実態もだいぶ違う法人が含まれています。 特に、小規模なNPO法人の場合、税理士がお得意の複式簿記の記帳をすることが、困難である法人も多数存在するため、小規模法人は、収支計算書で充分だと考えます。
 所得税の申告でも、小規模事業者(現金基準適用)は、収支計算書と財産調べで所得額を計算していますので、家計よりも小さい規模のNPO法人は、収支計算書+財産目録で充分だと思います。

 大規模なNPO法人の事業報告では、複式簿記も必要ですが、複式簿記にくわえ、現物寄付の記録、会計処理も重要です。 税理士・会計士は、どうしても、お金の取引にこだわる割りに、現物寄付については淡白です。 
 私が、今年の7月〜8月 東京、神奈川、静岡、愛知の中間支援組織、NGOなど 比較的規模の大きい(年間収支700万円〜15億)7団体への個別インタビュ−調査では、現物寄付額数百万円が計上されていなかったり、年間収支の1割以上の金額の無償労働(unpaid-work)があったりと、いろんなことがわかってきました。

 NPO法人は、非営利法人ですから、企業会計方式をそのまま持ち込むと、これらの、非営利法人会計特有の論点を見過ごす恐れがあることを憂慮しています
 
Posted by:早坂 タケシ  at 2006年10月13日(金) 11:03
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