CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

NPO会計道

「会計で日本のNPOの発展に貢献したい!」という思いで始めたブログです。NPOの会計や税務はどのようになっているのか、どうあるべきかを考えていき、NPO会計の道を究めることを目指しています。


収益事業と継続性 [2006年12月09日(Sat)]
 さっきこのブログを書いている途中に娘(9ヶ月)が始めてつかまり立ちしました!感動です!!


 月曜日はNPO支援東京会議収益事業課税の話をします。収益事業課税の考え方をいくつかグループ分けにチャレンジしていますが、今日はその3回目で、「反復継続性」です。


人気ブログランキングに参加しています。応援クリックお願いします




 継続性に関しては2つの有名な通達があります。


15 −1−5 法第2条第13号《収益事業の意義》の「継続して……営まれるもの」には、各事業年度の全期間を通じて継続して事業活動を行うもののほか、次のようなものが含まれることに留意する。(昭56年直法2−16「七」により改正)
(1)  例えば土地の造成及び分譲、全集又は事典の出版等のように、通常一の事業計画に基づく事業の遂行に相当期間を要するもの
(2)  例えば海水浴場における席貸し等又は縁日における物品販売のように、通常相当期間にわたって継続して行われるもの又は定期的に、若しくは不定期に反復して行われるもの
(注)  公益法人等が令第5条第1項各号《収益事業の範囲》に掲げる事業のいずれかに該当する事業(以下15−1−5において「特掲事業」という。)とこれに類似する事業で特掲事業に該当しないものとを営んでいる場合には、その営む特掲事業が継続して営まれているかどうかは、これらの事業が全体として継続して営まれているかどうかを勘案して判定する。


15 −1−10 宗教法人、学校法人等が行う物品の販売が令第5条第1項第1号《物品販売業》の物品販売業に該当するかどうかについては、次に掲げる場合には、それぞれ次による。(昭56年直法2−16「七」により改正)
(5)  学校法人等が行うバザーで年1、2回開催される程度のもの(15−1−6の(2)に該当するものを除く。)は、物品販売業に該当しないものとする。



この2つの通達を基にして継続性の意味を考えていきます

1. 期間的継続性 

 武田昌輔氏の「詳細 公益法人課税」(全国公益法人協会)によると、「継続して営まれるものであるかどうか」の判断基準は@期間的継続、A回数的継続、B性質的継続の3つがあるということです。

 このうち、通常、「継続して営まれる」といえば、期間的継続を表します。当然、週に5日間行っていれば期間的に継続している事業でしょうし、月に1回くらい集まってやるような事業は期間的に継続しているとはいえないでしょう(基本的に事業性なし)。
 それでは、週に1回ならどうなのか、週に3回くらいなら・・・など微妙なところも出てきます(事業性があるかどうか)。
 妙なものは、収益事業課税の原則に戻って、「その事業の展開の手法」や「一般事業者が営む類似業種と比較しつつ」「社会通念に従って」、「営利法人との間で不公正な競争上の利益が与えられているか」という観点で考えるべきではないか、と思います。

2.収益事業課税の歴史的な背景

 NPO法人は何でこんなにグレーゾーンが多くわかりにくいのかなあと前から思っていました。
 歴史的には、昭和25年のシャウプ勧告では、「法人税の免除を行う権限を大蔵省に与え、その資格を3年ごとに審査して免税証明書を大蔵省が交付するように要求する」という方法が提案されたそうです。

 シャウプ勧告が問題にしたのは、「ある種の公益法人はきわめて営利的な色彩の強い事業を営んで、法人税非課税による他との不公正な競争上の利益を与えられている実情にある」ということです。
 つまり、NPO法人(公益法人等)に法人税が課税されないことで、営利企業が競争上不利になるという事態を解消するために公益法人等に課税するという考えです(ローソンの宅急便の荷物の取扱いをめぐってヤマト運輸と郵政公社(公共法人なのですべて非課税)が争ったような問題。ヤマト運輸は、郵政公社が法人税が非課税なので、取扱い金額を安くできるのは当然であり、民間会社は競争上不利であることを主張しました)。
そのために、シャウプ勧告では、個々の法人ごとに営利企業が競争上不利になるような事業を公益法人等が行っていないかを大蔵省が審査する方法を提案したのですが、大蔵省は、現実にそれは無理だということで、33業種(当時は29業種)の限定列挙+継続的に事業場を設けて行う事業に限り法人税を課税するという方法を取ったということです。
  つまり、法律に「営利企業が競争上不利になる事業はどんな事業なのか」を盛り込むことは課税技術上不可能であるので、グレーゾーンが残るのは当然で、グレーゾーンが出てきたときは、原則論に戻って、個々の事情に照らして「その事業を行うことで営利企業が不利になることが生じているのか」という視点で考えれば良いのではないか、と思います。

3.回数的継続

 法人税基本通達15-1-10(5)では、学校法人等が行う年に1〜2回のバザーは物品販売業に該当しないとされています。
 ここで注意する点は、学校法人等という普段は教育事業という事業性をもっていることを行っている法人が、本業でない物品販売業を行ったときの話であるということです。つまり、普段からあまり活動をしていない団体が、年に数回集まって、4回〜5回バザーをしたとしても、それは事業性がそもそもないのですから、収益事業とはならないということで良いのではないかと思います。
 ここで問題になっているのは、学校法人のように、普段は他の活動をしている団体が、年に数回バザーのようなものを行った場合に、そのバザー売上(利益)を課税するかどうか、ということのように思います。

 通達(法律ではないので拘束力はない!)に年に1〜2回とあるから3回なら課税なのか、という話ではなく、本質的には、バザーなどの物品販売に出展するに際して、営利企業と競合するかどうかが問われているのですから、例えばNPO祭りに出展するようなものであれば、そもそも営利企業と競合しないのですから、仮に1週間のお祭りに出展するのでも、各地のNPO祭りに出展するのでも課税の対象とならないということで良いように思うのですが、どうでしょうか?(かなり個人的な見解です)
 年に1回〜2回なら課税しないというのは、交際費の5000円以下基準のような、少額(小回?)不追求のようなもののように思います。


4.性質的継続性 

  法人税基本通達15-1-5は、販売活動がごく短期間や一定の季節にしか行われないものであっても、その販売活動に至るまでの準備期間が長期にわたっていたり、毎年一定の季節ごとに反復又は継続して行われるものについては継続して営まれるとされている通達です。
  NPOではけっこうここで問題になることが多いのではないでしょうか。具体的には年に数回のイベントやブックレットの販売などが問題になりそうです。

 ある年にだけ、単発で、たいして準備期間も設けずに行われたようなイベントや、そのイベントの報告書などを販売するのであれば、期間的にも回数的にも性質的にも継続していると言えないので、収益事業としなくて良いと思われます。営利企業はそのレベルのイベントと競合しないでしょうし、イベントの報告書も通常の書籍と競合するとは思えません。

  一方、毎年1回行うイベントのようなものであっても、数ヶ月の準備期間をかけて行ったようなものであれば、性質的に継続していますから、他の非課税要件(収益性のところを参照)に該当しなければ、収益事業ということでしょう。営利企業の行うイベントと違いがないからです。

 問題は、その中間のようなものです。今年1回限りのイベントをやったが、準備にはそれなりの時間はかかった、あるいは、ブックレットの販売をしたが、作成にはそれなりの時間はかかった。これが通達にある「相当期間を要するもの」に該当するのかどうか、ということです。

 収益事業課税の原則に戻って、「その事業の展開の手法」や「一般事業者が営む類似業種と比較しつつ」「社会通念に従って」、「営利法人との間で不公正な競争上の利益が与えられているか」という観点で考えるということでしょうが、微妙ですよねえ。 

  ちなみに、類似の事例とはいえませんが、最近判例の出た宗教法人が営むペット葬祭業が収益事業とされた件では、下記のようなものが収益事業とされる要件とされています

@ ペット葬祭は年間2,000件程度→事業性
A ホームページに料金表が掲載されている→対価性あり、収益性
B ペット葬祭業のあらましを説明したパンフレットを発行し、同様の内容をホームページを開設するなど、その周知に努めている→事業展開の手法が営利企業と同じ
C 動物病院等からペット葬祭の希望者を紹介してもらった際に謝礼金を渡したりお中元を贈ったりしている→収益性、事業展開の手法が営利企業と同じ
D 依頼者のほとんどが「料金表」ないし「供養料」として掲示された金員を支払っていると推測されている→対価性あり
E 寺院運営に関する月刊誌に取り上げられている3例のうち、当該法人以外は宗教法人とは別個に会社を設立して同社がペット葬祭業を営む形態を採用している→営利企業との競合

トラックバック
ご利用前に必ずご利用規約(別ウィンドウで開きます)をお読みください。
CanpanBlogにトラックバックした時点で本規約を承諾したものとみなします。

この記事へのトラックバックURL:
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
http://blog.canpan.info/tb/126266
コメント
目次一覧
過去の記事は目次一覧で概略を見ることができます

http://blog.canpan.info/waki/category_23/をクリックください
Google
Web サイト内
お役立ちリンク集
http://blog.canpan.info/waki/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/waki/index2_0.xml
<< 2012年04月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
最新トラックバック
月別アーカイブ